また神様!
「蝶野くーん」
この間延びした声は…… やっぱり……っ!
電気関係で疲れ果て深い眠りについてスグに呼ばれる。
案の定白い空間に神様がいた。
「お久し…… ぶりではないですよね? 結構、会いに来てくれていますよね? 」
ちょっと遠い親戚より会ってるよな……正月より頻繁だよね?
「うんうん! 結構楽しいから見とるよ! 」
「軽いねー 神様!そこがいい!」
オホッホッホと神様は笑うけど、頻繁に見られているのは嫌だなプライバシーの侵害だ!
「酷い言われようじゃ…… 」
「いや、心読むのもやめてくれません? 」
まったく本当に気持ちいい爺ちゃんだわ神様…… なんだろうな神様はマイナスイオンが毛穴から出てるのか?
話の掛け合いでも癒されるわ…… 術なのか?魔法なのか?
あ、そうだ!なんで神様は魔法を使えるか聞きたかったんだ。
「それはのう…… ほら、ワシって全知全能じゃろ?じゃから肉体の一部をシノ君の星に1000年ぐらい寝かせて魔法を使えるようになったんじゃ」
「だから心を読むのやめません?」
笑う神様に、まあいいかという俺。
あ、お茶ありがとうございます。
「まぁ、プレゼントをな蝶野くんが頑張ってくれているからやろうかと思ってな」
「プレゼント? 」
神様は何も無い空間から霧を集めて「よっこらせ」とアナログの30インチテレビを取り出す。
「ちょっと片方持って! 蝶野くん! 」
「あ…… はい!すんません!」
キレ気味に言われても……
「やるやれアナログテレビは重いのぅ…… 」
なんでこんなもん用意するんだ?
「いいからいいからー 」
いやだから心を読まないで下さいよ……
「ポチッと!」
神様がアナログテレビの物理ボタンをバチンと押すとザザーっと砂嵐が表示されゆっくりと安定する。
「うわっ! シノだ! おーい!母さんだよー! ほら奥さんも! 」
「あらこの子が洋力なの? あらあら外国人みたいね」
「─────母さん! 」
テレビに映ったのは地球の母さんと、母さんだった。
「まあまあ泣いちゃって…… ウフフたしかに泣き方が子供の頃の洋力だわ 」
「あんた! なんで転生したの黙ってたの!? 全く面白い子ね! 」
うわうわ……めっちゃ仲がええやん…… なんか隠していたHな本を見られたみたいな…… なんだろうこの言葉にならない……
「あんまり今は長い時間お話は出来ないらしいから、お母さんはキルケさんと仲良く洋力を待っているわ」
「そうよ! こっちはこっちで楽しいわ! アンタはちゃんと寿命を全うしてから来なさいよー!あとキュレネと結婚しなさい! 」
楽しいって…… なんでそんなに泣いてるのに言えるんだよ……
ジリジリとテレビにノイズが増え出す。
通信が終わるんだろう。
「あぁ…… あぁ…… ありがとう!お母さん!」
号泣しながらなんとか声を出す
「楽しくいなさいよ…… 愛してるわ洋力」
「ホント…… あんたが泣くから…… 愛してるわシノ……」
──────ブツン
テレビの電源が切れる。
「すまんのう…… 蝶野くん。 天国は広大でな、ここの場所との通信時間はこれが限界なんじゃ…… でも天国は辛さはないぞ各種ゲーム機さえあるんじゃ !お菓子も食べ放題で霊体なので太らない!」
ゲ…… ゲーム? そ…… そうか…… ありがとう神様
「でも…… 」
「うん? なんじゃ? 蝶野くん」
「地球の父さんは?」
あ……神様
忘れてたーって顔してるわー
しかも、今の俺の心の声聞いて焦ってるわー
☆★
「さて蝶野くん」
「あ…… 話が変わるんですね?」
ウオッヘェン! と神様はわざとらしく咳をする。
「何かを作るのに大分と苦労しとるようだの? 」
確かに…… 知識があってもチタンなどの施設が整備されていないと作れない物は造れないよね。
今までは偶然で上手くいっていたが、これ以上の技術革新はムリかもしれない…… 正直なところ頭打ちだ。蒸気発電機の出力でチタン作れんのかな?
これからも技術は進歩していきいつか停滞した後にブレイクスルーがいつか起きるだろう、しかしそれが叶うのは俺が死んで何十年も経った後になるだろう。
この星の文化は中世盛期の地球時間の西暦1000年代初等の辺りだ…… 色々な技術が俺によって流入し部分的に西暦2000年代にまでになっている。
この歪さの知識や技術の擦り合わせには何十年どころか何百年もかかるかもしれない。
「そーこーで! 」
「え!? 」
神様の可愛らしい動きに思考が停止する。なんでパタパタしてるの?クリオネみたい……
「…… 続けていいかのぅ? 」
どうぞどうぞと手を差し出す
「錬金術という言葉を知っとるかのぅ? 」
「えっと…… 超能力の勉強をしてる時に図書館で読みました。 」
ウムウムと神様がうなずく。
「物質を変質させ形を作る事が出来るようになるのがこの星の錬金術じゃよ」
質量や元素を変えるってか?んなアホな!
「失敬な! じゃあ蝶野くんこの鉄を持ちなさい」
神様は何も無い空間から手の拳程の大きさの鉄塊を取り出して俺に渡す。
「ええか? 火・風・水・土・雷・氷・光・闇なんせ蝶野くんの知る全ての魔法をその鉄にかけながら鉄が何か違う物に変わるイメージを持つんじゃ! 」
じゃっ! って…… 難しい事を言うな!イメージとかかなりの難関じゃないの!
全属性の魔法が使える人間がまず俺以外にいるか分からないが、全ての魔法を同時に使うとか…… 俺でも魔力が足りるのか?
「全属性を同時に使うと言うことは星が生まれる環境を魔法で擬似的に作るという事じゃ…… こんなの魔法があるその星しか無理じゃの!長野君、神に近い事をすると考え初めは慎重にするんじゃぞ! 」
神ですか…… それは、面白い! やってみる!
手に持った鉄塊に自然属性全てと光、闇の属性を想いながら魔力を込める!
バチバチッとアルゴン溶接のような音を鳴らして鉄塊が七色に輝く!
「おおっ! なんか! 柔らかくなったような気がします! 」
「よし! そこで鉄塊を何にしたいか強く想像するんじゃ! 」
えっ? えっとえっと…… 考えてなかったな
「 ホラ早く! 蝶野くん! 」
神様焦らせないで! うんーと!
七色の光は収まり鉄塊は違う形に変わっていた。
「…… なんじゃこれは? 蝶野くん? 」
「えっと…… お腹が減ったし久しぶりに食べたいと思った地球の駄菓子うまか棒です…… ニッケルの…… 」
「うまか棒…… 」
鉄塊は穴が空いた、ただの円柱のニッケル棒になった。
「そう…… か…… 」
「はい…… 」
「そろそろ起きる時間じゃぞ」
神様に追い出されるように起きる…… なんかグダグダでホントすんません。
ベッドに手をついて起きると指先に何かが触れた
「ニッケルの…… うまか棒だ…… 」
酷いものを作ってしまったが錬金術を使えるようになった!これは凄い!
みんなに報告したくて急いで服を着替え工場に向かう。
工場ではドワーフが金属に穴を開けるボール盤の土台を鋳型で製作していた。
朝早くからグツグツ煮えた鉄を作るとか働き過ぎだろ……暑っっつ……!
「おお!シノ様おはようございます!」
「ああ、おはようワルフ…… コレを見て」
鉄のうまか棒をワルフに渡す
ウフフ…… 鉄の達人のドワーフなら、これを特殊な方法で作ったと知ったらどんな顔をするかな?
「これは錬金」
「なんじゃこれはクズ鉄じゃの? ちょうど良いですわい」
ワルフは高炉へ、金属のうまか棒を投げ溶かした……
「で、どうしました? シノ様」
「…… ワルフのバカヤロー! 」
俺は半泣きで工場から逃げた。
「シ…… シノ様? 」
もうちょっと……
もうちょっと何かあるだろー!
全属性魔法を使えて、魔力量もバケモノであるシノしか使えない錬金術はすごく微妙な感じから運用が始まった。




