↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/167

銃をうつよー!



 王都へは蒸気トラック2台で向かっている。

 え?蒸気でトラック?とお思いでしょう?

  

 ちゃんと地球のスチームカーヒストリーに蒸気トラックってあるんです。

 内燃機関を使った車…… つまりガソリン車とシェアを争おうとしていた会社もあったぐらい蒸気トラックは歴史的に新しいものだ。


 ターマック社のロゴが入った蒸気トラックなんて強そうで心がウキウキする。

 そんな、強い蒸気トラック2台で王都に進行している。


 搭載物の割り当てはというと……

 1台目] 銃火器と弾薬、生活用品を積んでいる。

 2台目] カーキャリアとして運用する為に、荷台が外され大公様に献上する豪華な装飾がされたスペシャルカスタム蒸気自動車が積載(せきさい)されている。



 王都まで馬で急いで一週間…… 蒸気トラックでなら急いで数日で到着するだろうな。

 ま、俺の超能力(テレポート)ならスグなんだけどね!ドヤァ!


 「シノ…… このトラックというのは素晴らしいな」

 「でしょ? 父さん、疲れたら運転かわるからね」

 1台目の先導トラックには俺と父さんが搭乗していて、即席に作った後部座席では後ろの荷台の銃火器を目視監視しているアーネが座っている。


 2台目のカーキャリアにはドワーフで俺の武器の師匠で、エンジンブロック作成の責任者であるシートさんが乗車している。

 …… 今思うとシートさん(武器の師匠)をメチャクチャ働かせているんだな…… 役職手当とかつけないといけないよね。


 なぜシートさん(武器の師匠)を連れてきたかというと、もし魔物が出た時に他のドワーフでは戦力的に心許(こころもと)ないからだ。


 やはり率先(そっせん)して俺に戦い方を教えてくれているだけあって、ウチの工場のドワーフではではシートさん(武器の師匠)が一番の猛者(もさ)だ。

 エンジン作成の殴り合いでも勝っていたしな。


 …… 体毛がモサモサの猛者なシートさん(武器の師匠)か覚えやすいな。


 カーキャリアには蒸気自動車の荷重(おもさ)があるのでシートさん(武器の師匠)1人が搭乗している。



 そうそう、この編成で王都に向かう!と発表した時キュレネ()はめちゃくちゃ怒った。


 「キーッなんでこの狐女(アーネ)がお兄ちゃんと一緒に行くのに私はダメなの!? 」

 うわー…… 本当にキーッって言ったわー

 「キュレネそんなに王都に行ってみたいの?」

 ちょっとドン引きしながらキュレネ()に今回の編成理由の説明をはじめる。


 「製作者の俺は当然として、父さんはこの町の代表として王都での謁見に参加するのは必須だ」

  うーっ…… と唸り父さん(オーディオ父さん)を睨むキュレネ()


 「アーネは、工場の管理をしている。彼女がいないと王都での荷下ろし管理がスムーズに出来ない。また大公様の追加要望とかがあると対応にアーネがいると心強い」

 「あらあら、ごめんね?キュレネ」

 「くっ…… このキツネ女…… 」

 キッと睨むからアーネはキツネ女なのかな?

 女キツネ…… メギツネ?アーネって誰か男を誑かしていたかな?やっぱり睨むからだろうな。


 「お兄ちゃん、シートさんの蒸気トラックあるじゃない」

 「んー、2台目の蒸気トラックはカーキャリアに換装してるから重量がかなりあるんだよ…… 出来るだけシートさん(武器の師匠)だけに乗車させたいんだよね」


 それにシートさん(武器の師匠)は護衛はもちろん、蒸気トラックと銃製造に就役(しゅうえき)しているので運転もそうだけど、大公様への説明の補助にありがたい。


 「という(ワケ)でキュレネごめんなぁ〜…… また王都に一緒に行こうな」

 強行路線(ハードライン)(つた)えるとキュレネ()は真っ赤になって俺とアーネを見る。


 そんな悲しい顔しないで…… あれ?アーネの方には鬼みたいな顔で見てるな? 最近のキュレネ()はお兄ちゃん子を通り過ぎた凄味(すごみ)があるな!


 「もう!お兄ちゃん…… くんかくんかくんくんくんくん…… 」

 怒りながらキュレネ()がまた俺に抱きつく…… クサい?お兄ちゃんクサいの?やだ!臭わないで恥ずかしい……

 

 「ちがうもん…… アーネと一緒に行って欲しくないだけだもん……くんくんくんくん…… あ〜いい匂い…… 」

 小声で話すキュレネ()の言葉は参加が決まったシートさん(武器の師匠)揶揄(からか)うドワーフ達の笑い声でかき消されて行った。




★☆

 「────シノ」

 「分かってる」

 お昼を食べる為に王都への街道端にに沿って蒸気トラックを駐車しているんだけど、道を挟んだ街道向こうの森に魔物がいる気配(けはい)がする……


 木の合間からチラリチラリと太陽に反射した目がこちらを見ているのが分かる。


 「…… 父さんが()るか?」

 「さすが元冒険者だね…… 力強い言葉が頼りになる。でもちょっと待って…… 」

 元を付けた所で父さんは苦笑する。やっぱり父さんは苦笑が似合うよ!


 雰囲気を察して黙るアーネに後部座席に装備した銃を取ってとお願いする。チラリとシートさん(武器の師匠)が乗る蒸気トラックを見ると、興味深いと(アゴ)()でるシートさん(武器の師匠)。見学に徹するようだ。


 「…… ルベルM1886[MA]の試し射ちは主に木材やオーク肉のブロックで行なっていたので丁度いい。」


 アーネが渡してきたルベルM1886[MA]は管状弾倉を採用しているので8発の弾を装弾できる。

 魔物の反応は3匹。一応万全の状態に用意する。


 8発の弾を装填(こめて)、目に強化魔法をかけて視力を上げて森を確認する。

 「ワイルドベア…… 熊の魔物か」

 父さん(オーディオ父さん)も見えたようで(うなず)く。

 

 熊か…… 日本ではマタギの仕事だな。

 ゆっくりと静かに蒸気トラックな扉を開き、地面に降りて膝をつく。


 ヒューッと息を小さく吸い、銃を魔法で強化。

 照準ゆワイルドベアに合わせる。


 ────ヒュッと小さく息を吹き


 ────引き金を引く!



 ────ドン…… !

  ルベルM1886[MA]が火を吹き、ワイルドベアが1匹倒れる。


 「1匹…… 」

 確認するようつぶやく。魔力で強化している弾は森の奥にいるワイルドベアを貫いた。


 「この距離で届くのか…… 凄いな」

 父さん(オーディオ父さん)(つぶや)きを聞き流す。


 爆発音と同時に仲間が倒れたのを見た、他のワイルドベアが警戒して木の間に立ち止まる……


 ────止まるのは銃には逆効果、だ。

 ────ドン!ドンッ…… !!

 立ち止まってくれたおかげで、ただの標的となったワイルドベア2匹をヘッドショットで潰す。


 シートさん(武器の師匠)が確認の為に剣を持ちらワイルドベアの方へ走って行くのを確認して一息つく。


 「シノ…… お前は一体(いったい)…… なんで銃なんかホイホイ発明出来るんだい? 」

 「さぁね? 」

 適当にはぐらかす事ができるかな…… でき…… できた!できたよ! 父さん苦笑して銃を観察してるわ。


 この感じは話が一旦(いったん)終わった感じや!


 「いやー…… 製作期間が短くて板やら死肉にしか試し射ちしていなかったが実際の魔物に使うと凄いのぅ」


 シートさん(武器の師匠)の話では頭に弾が当たワイルドベアは、頭から肩までゴッソリと肉片を吹き飛ばし無くなっていたそうだ。


 「魔法強化と何かの属性で弾を強化しなすったのかい?シノ様? 」

 「ああ、光魔法を付与したからなぁ。光で被弾(ひだん)した時に蒸発したんだろうな」


 ついでにワイルドベアの素材を持って帰って来たシートさん(武器の師匠)にお礼を言う。今日は熊鍋にするかな?


 「シノ…… 」

 「何? 父さん? 」

 「シノは光魔法も使えるのかい? 」


 しもたぁー最近普通に魔法を使っていたから父さん(オーディオ父さん)に隠していたの忘れてた!


 「オーディオさんそれはちがうのぅ」

 シートさん(武器の師匠)どうしたの? アーネもなんでうなずく?


 「シノ様はおそらく全属性の魔法を使えますぞ? 」


 うわー!あかんがなー父さんドン引きして、みるみると悲しい顔になっとるがな!


 これは人伝(ひとづた)いじゃなくて息子(オレ)が言うとかなアカンかったやつや!


 「あの…… ゴメンね? 隠していて…… 父さん? 」

 「うん…… 次からは言ってね?」


 あかんがなー父さん(オーディオ父さん)泣いてるがなー!繊細なやつやでー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。