この領地はゾリゲのもの!
俺が住んでいるこの国は、一応は人が統治する国である!
アーネリが貴族として生活していた頃の話を聞いたんだけど税金逃れはかなり重い罰を喰らうらしい。
んでもってですね…… 統治には体裁が必要で、それを保つ為には目に見えるような固有化が必須になる。
「あー、あの石の辺りから、あの草の3本目までがね?税金が必要な場所だから?え?2本目だった?」
例えが極端だけどいい加減な判定とかダメでしょ?
ウチの町は、名もなき村から発展した。
俺やドワーフがガンガン働き、出来たものを販売してと財源のアテが増え、収益が増え、町の予算が増えて…… 国に支払う税金が増えた。
この世界でも税金は高い。
稼げば稼ぐだけ取られる。
クッソ税金、NO税金!
さすがにこれだけの税金を納める町に名前が無いのは不便だと王都で問題になり、この地域を管轄する領主に町の名称をつけるように…… と御達しがあったようだ。
さて、嫌な事は税金だけではなかった。
それはここの領主がクソ野郎と有名だからだ。
貧乏村の時は放置してくれていたんだから、このまま放っておいてくれたらいいのに……
我が町を管轄するのは、二心子爵と民からは呼ばれているゾリゲという男である。
二心とは疑いがある者や裏切り者の事を言う。
ゾリゲは元商人だった…… 取り引きの際に自分の妻を春機の道具として相手に宛行いながら商談を上手くこなしていた。
大きい商談の場合になると、なんと自分の娘も幼くして母と共に同衾させ商談相手を艶福さらに客を増やしたという…… この何というか……
「ひでぇな…… 」
「だろぅ? 本当に酷いとお父さんも思う」
「所でお父さんなぜ俺にこんな話しを? まだ子供だよ?」
キョトンとすんな父さん!内容が18禁じゃねぇか!
父さんの書斎にて2人で話す内にこの内容になったケド…… 子供に話たらダメだぞ★
さて、ゾルゲの話な。
ゾルゲの妻、娘の2人とも実に美しく、妻は豪族の出だったので自虐心をくすぐられて余計に商売相手は楽しんだ。
…… ある日、ゾルゲのもとに秘密裏に貴族相手の商談が舞い込んだ。
「えっと、まだ子供にそんな話を続けるの? 」
「ちょっと待ってね、シノにも関係があるからさ」
うぇー中身は爺さんだけど、さすがにこの話は面白くないなぁ……バッドエンドに必ずなる話じゃん。
その貴族は王都の地図と王城の図面、そして武器の購入を内密にゾリゲに頼んできたのだ。
もちろんゾリゲは貴族に対してニヤニヤと笑いながら妻と娘をあてがい今回の商談の意味を探らせた。
妻と娘の必死の奉仕により貴族の企みが判明した。
「手足を縛られ犯し尽くされていた母と娘を裸のそのままにゾルゲは聞いた。というエピソードもあるんだけど…… シノごめんなさい。」
「次、気持ち悪い話をしたら工場に帰るからね?」
「あれ〜?シノの帰るのはこの家じゃないの?」
「はよ、続きの話」
貴族は王への逆謀と革命を企てていたのだ。
ゾリゲは貴族が帰る時に深々と頭を下げて見送ると、すぐに王都へ駿逸で駆けつけ話の内容を自分に有利に讒訴さらにクーデターを企てた貴族を悪意を持って悪く改悪した内容の書類を王城へと密告した。
「クーデターを企てた貴族は処刑され、ゾリゲは子爵になった…… その子爵となったゾルゲの領地の端っこが…… ウチの町なんだ」
「うぇーっ!聞かなきゃ良かった…… もう行っていい? 怪談話聞くよりテンション下がるわー」
今なら苦虫の味な分かるんじゃないか?ってぐらい気分が悪いから帰ろうと立ち上がった俺を父さんが手で止めた。
「なんなの? しんどい話は大人でしてよ…… 」
茶化すように父さんに言うが…… 父さんの顔が全く笑っていなくて、赤ちゃんの時から見てきたから分かるんだけど…… 目が強い怒りでゆれている。
やれやれホントに子供にする話かねぇ?
───ゾリゲが密告から帰ると妻と娘は殺されていたそうだ。
その遺体を前にゾリゲは口元を緩めていた事、
王都へゾリゲが旅立ったのが一週間前だった事
そして母娘の遺体は発見時の腐乱状態から死後一週間は経っているという医師の証言からゾリゲが殺したんじゃないか…… という風にゾルゲを嫌う派閥では定説になっている。
「ゾリゲは密告した貴族一派の仕業と騒いではいるがね……」
「うーん、話を聞いてるだけでもゾルゲが嫌いになったぞ?」
ゾリゲは貴族になり、今まで捧げていたものを取り戻すかのように淫欲に走り出した。
町娘、貧困者の妻や子供、騙した女性……
「そして自分がおさめる領地の町長の妻や娘……」
「───っ!!っなんだよソレ!!」
あまりの怒りに手が冷たくなり震える…… 目の端が白くなり一気に口が渇いていく……
パクパクと声にならない中、何とか次の言葉を絞り出す。
「母さんとキュレネ…… か?」
父さんが隠す事なく怒りを顔に出す。
「税金の納付額が大きいウチの町に嫉妬したのかもしれないし、母さんとキュレネの容姿が良いという噂話を誰かから聞いたのかもしれない…… とにかく、冬の遅い時期にウチの町にゾリゲが訪れるとの手紙が今朝…… 届いた。」
手紙を父さんが渡してくる。内容を見ると最後に……
『歓迎の締めはオマエの妻と娘が夜伽の相手をする事が望ましい』
と締めくくられていた…… なんだそれ!
吐き気を堪えながら父さんを睨む……
「俺にどうしろと? 母さんとキュレネを連れて逃げれば良いのか? ゾリゲを殺せばいいのか? 」
怒りのせいで蝶野洋力としての口調で父さんを問いただす。
「オマエ本当に子供か? まあ俺の子供なのは確かなんだけど…… シノここからはが大事だ…… 今度、大公様に蒸気自動車を献上するんだろ?」
父さんが始めて1人の男として俺を見ているように思う。
俺はその思いに答え、怒りを鎮めるように深くうなずく。
「シノが会う大公様は酔狂な人でね…… 自分が気に入った物を発明品を献上した者に土地や爵位を与えたりする困った人なんだ」
俺は父さんが何で辛そうに話しているのかがやっとわかった。
自分で解決出来ない事を息子に託すのが辛いのか。
「分かったよ父さん…… 俺が大公様に取り入ってここの領地をゾリゲから奪えばいいんだね?」
父さんは俺に対して、深く謝るように頷き、そのまま暫く頭を下げ続けた。
「頭を上げてくれよ…… 父さん家族じゃないか」
「そうか…… シノ…… そうか…… 何卒宜しく頼みます…… 何卒…… くっうぅ…… 」
父さんに悔し泣きさせるなんて許せない…… クソッ、ゾルゲめ…… 先に殺したらダメなのか?
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ゾリゲ




