蒸気自動車はオープンカー!
お兄ちゃんが最近相手にしてくれない!
お兄ちゃんが最近相手にしてくれない……
お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん……!!!
お兄ちゃんは湯気が凄く吹き出る機械を最近ずっと作っている。
私はお兄ちゃんに近づきたいのに!
「キュレネは来ちゃダメだ蒸気機関は制御を失敗すると大火傷をする。可愛いキュレネに火傷して欲しくないんだ」
孫を撫でるように優しく撫でてくる…… ふへへ
可愛いって…… 言ってくれた
可愛いって…… じゃあキスとかして…… いいかな?キスしたいなぁ…… 枕じゃ物足りないよぉ…… お兄ちゃん……
はぁぁぁ──ん! ♡ ♡
お兄ちゃぁぁん! ♡ ♡ ♡
すきぃぃぃ──! ♡ ♡ ♡ ♡
仕方ないから、お兄ちゃんと一緒にいる時間を増やしたくて、武器の訓練を受けたら最近はシートっていうドワーフさんと2人での訓練がほとんどなの。
ちがうの…… ちがうの……
私はお兄ちゃんと練習とかしたいの……くんくんお兄ちゃんをくんくんしたいの。
くんくんくんくんくんくんくんすんすんすんすん…… はぁ──── ♡
大っ好きなの。
本当の兄妹じゃないから結婚出来るって村の女衆に聞いたから知ってるの。夫婦になれるの!
お兄ちゃんは凄い。
魔法も剣も知識も…… いつかカリスト様みたいな女の子に取られないか心配……
…… よし自分でも訓練しよう!認められよう!
近くの平原なら強い魔物も出ないと思う。
レベルを上げて…… シノ…… に認められよう!
うふふ…… お兄ちゃんを名前で言っちゃった!♪
☆★
「えっ? キュレネが村から抜け出した? 」
昼食のサンドイッチを工場に届けに来てくれた村の住人が言うには、キュレネは1人で村の南西にある平原に向かったと言う。
「そりゃあヤバイかもしれんな」
「ん?あの辺の魔物はザコだよ?」
俺の困惑顔を見て、知らなかったのか?とドワーフのシートさんさんが苦い顔をする。
「この時期…… 平原に穴兎を狩るためにシルバーウルフが来よる。シルバーウルフは数を使って狩をしよるから…… もしかしたらキュレネちゃんが危ないぞ」
なんだと?…… 一気に血の気が引く。
「シノ様!助けに行きましょう!」
ドワーフ達は完成した蒸気自動車に一台ずつ乗り込み、それに頷き俺も車に乗り込んだ。
☆★
村の中を蒸気自動車が南西に向けて駆け抜ける。
試作から完成まで、ゆっくりと慣らし運転しかしていなかったが今は違う。全力走行だ。
3台の完成した蒸気自動車の力矩からパワーに力強さを感じる。
走り抜けるそのスピードや、エンジン音の迫力に村人や村の外周にいる隊商の人間が目を剥いて慌て驚く。
蒸気自動車というと遅いようなイメージがあるが地球時間の1900年代…… 蒸気自動車での走行スピードは100キロを超えていたという記録がある。
ウチの工場で作られた蒸気自動車は、その1900年代の物を雛型にしてドワーフの技術と土魔法を使ったスペシャル品だ。強度や安定、スピードも地球の同年代のものよりあると言い切れる。
凄まじいスピードで走り抜け
曲がる時には土煙をあげ人々を驚かせる
蒸気機関から発せられる煙は力強さの象徴みたいだ。
この星の人間には、今まで想像すら出来ない未来が目の前に急に訪れた!
子供は目を輝かせ、大人は腰を抜かし商人は馬で蒸気自動車を追いかけて来ようとして、追いつけない車という物に愕然とする。
「…… みんな! まだ蒸気自動車のこのスピード走行時の安定性は完全に確認されていない! 付与魔法が出来る人は車体に強化魔法を付与して!」
俺は風魔法で皆に聞こえるように叫ぶ!
「そうか!科学を追い求め過ぎとったわい!ワシらには魔法もあるんじゃった!」
「がはははは!この蒸気機関に魔法の付与!ロマンじゃー!ロマンじゃー!!」
車に乗車する全てのドワーフは笑いながら、剣を魔法で付与、強化するように魔力を車に這わせる。
ドワーフの魔法付与により、さらに安定してスピードを上げる蒸気自動車に唖然としてしまう。科学と魔法、相性バツグンじゃん!
「わはははははは!」
「がははははは!」
思わずドワーフと笑ってしまう!
これはかなり凄い事だと思う船なら水魔法、飛空船なら風魔法があれば…… 推進力は大幅に上がるな!
いやいや余計な思考はダメだ!今はキュレネだ!
高速で走る車は、短時間で平原のまで到着した。
3台の蒸気自動車に合図をして散開。キュレネを効率よく探す為に手分けをする。
俺は…… キュレネの魔力をなぜか感じる方角にハンドルを切りさらに加速させる。
「お!あそこか!?」
走行していると緩やかな坂の先で炎があがり、聞き覚えのある可愛い声…… いや叫び声が耳にはいる。
炎が上がった場所には、シルバーウルフに囲まれてシートさんとの特訓で覚えた棍術を使い奮戦するキュレネの姿があった。
キュレネが放った炎はまるで俺へのSOSの目印だったのかもしれない。それぐらいギリギリの戦いをキュレネはしていたのだ。
「キュレネ! 」
「お兄ちゃん!!」
泣きそうなキュレネに車から手を伸ばす。
「よく耐えたキュレネ!」
つないだ手を引き寄せキュレネを強く抱きしめる。
「お兄ちゃん…… お兄ちゃん…… !」
涙を流し抱きつくキュレネの肩には血が滲んでいる……
「傷をつけやがったな!可愛い俺のキュレネに!クソッこいつらぁ!」
急ハンドルでドリフトしながらシルバーウルフから距離をとる。
真っ赤な顔になったキュレネ…… 怖かったんだな…… 妹をさらに強く抱きしめながら、助手席のドワーフに車の操作をするようにハンドルを預けた。
「俺のキュレネって言った? ♡お兄ちゃん ♡?」
あ、俺の可愛い妹のキュレネって言いたかったのにテンション上がって間違えた。キュレネ、キモがらないでね?
空いた手をシルバーウルフの群れに向ける。
「死ねや! 」
俺の全力の…… まるでロボットアニメの光学兵器のような光魔法がシルバーウルフの群れに放たれた。
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
蒸気自動車のだいたいの感じです。
シャーペンにわら半紙でガサガサ描いているので汚いですが感じが分かってもらえたら嬉しいです。
汚い絵ですみません。




