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帰ってきたよ!


 結果から言うとやり過ぎた!でも心情的には満足だ


 俺の目の前にはピサの斜塔が綺麗に入るだろう太さの円柱形(パイプじょうたい)の穴が大地に空いてる。


 バターの塊に熱した火鉢を突っ込んだような…… そんな穴の空いた大地ならは濛々(もうもう)と煙が出ている。


 しっかし見事なパイプ穴を作っているな……インフラ整備に使えるんじゃね?地下道とか作れば……



 俺の魔力が足りないだけか、穴は広さはあるが…… 穴の深さ方向の距離は光魔法(レーザー)で焼けなかった。うーん、地下鉄とかムリかな?シェルターなら…… ギリって感じ?


 もちろんシルバーウルフは殲滅(せんめつ)…… というか消滅していて魔物の居る気配は無い。


 「お兄ちゃん…… 怖かったよ」

 「よしよしもう危ない事しちゃダメだぞ?」

 「…… ワシらはシノ様が怖いわい…… 」

 はい、ドワーフ!穴を見てガタガタ震えないでね!

 

 どうして1人でここに来たか…… その理由は後で聞くにしてキュレネ()の背中を()でながら、回復魔法でキュレネのキズを治すと緊張と痛みから解放されたのか寝息を立てる。


 「シノ様…… キュレネちゃん見つかったんですね」

 「しかし、凄い穴があきやしたなー」

 俺の光魔法の光線で気付いたのか、蒸気自動車で散開していた他のドワーフが集まってくる。


 「いやー…… なんか、光がねぇ…… どこかから飛んできて助かっちゃったよ!ははは」

 「何言ってるんです?シノ様?」

 「さあ!村に帰ろう!ホラ!行くぞ」

 ドワーフ達には何言ってんの?という顔で見られたけど、俺は知らないったら知らない!


 え?光魔法って何?って(とぼ)ける心の準備だってある!

  

 「シノ様はアホなのか天才なのか分からんな」

 「アホならアホでも良いが…… あの魔法をアホに使わせるのは問題じゃ」

 「じゃあ、天才じゃ」

 じゃあって何だよ?でもツッコミ入れないからな!

 俺は妹を見つけただけ。目立つ事なんて…… あぁ…… 蒸気自動車で疾走しちゃったよ…… うぅ……


 凱旋した村ではバッチリ目立っていた現実があった。


 なんか…… 祭りみたいに人々に騒いで迎えらたんだもん!くそぅ……



 …… さて、車上から失礼。現実逃避にお付き合い下さい。いきなりの話だけど俺が考えている今後、将来に向けた短期展望を話そう。


 まず、俺は12歳までこの村で過ごそうと思っている。地球では中学生になる年齢だ。

 異世界では仕事をしていてもおかしくない年齢が12歳っていうだけで深い考えはない。


 …… あ、昔の日本なら元服(げんぷく)の年だし大人なので…… 後出し、後付けの理由ですごめんなさい。


 そこからは冒険者かそれに連なる職業に就き、神様との約束を果たす為に動き出そうと思っている。


 歌舞伎(カブキ)国性爺合戦(こくせんやかっせん)のようなカッコイイ事は出来ないが地球とこの星で生を与えてくれた神様に恩返しはしないとな。


 「真面目(マジメ)じゃのぅ蝶野くん」

 …… 神様の(あき)れた声が聞こえた気がして苦笑するけど真面目じゃありゃしません。程よく遊んで程よく休むつもりです。


 とにかく、まだ早い!

 大人と仕事…… は、もうしてるけども…… 大人の仲間入りはまだ早い!俺は庇護される年齢やぞ!


 もう少しさ…… こう、なんというか、生まれ変わったんだから子供でいたい! 半ズボンで走ってもいいじゃんと恥ずかしげもなく言えるそんな子供でいたいんだ!


 さて、ここで邪魔になる者をピックアップしようか?

 キュレネ()救出に3台の車で来たのは……

 1台目]俺

 2台目]ドワーフ2人

 3台目]ドワーフ1人


 つまり3人の口を閉じさせたら何とかなるかもしれないのだ!

 

 ドワーフの扱いは簡単だ。俺はソレを知っている。彼等との付き合いは短いが濃い物なのだから……


 「今回のこの魔法…… 内緒(ナイショ)にして有耶無耶(うやむや)にしてくれないと蒸気機関車(でんしゃ)という知識をあげない」

 「「「分かりました絶対に秘密にします!」」」


 ほらね!楽勝!楽勝!しょーりゅーけん!



 バララララ…… という心地良(ここちよ)いエンジン音と風を感じながら蒸気自動車の性能を目にして()く村を走行する。

 やっぱり車はいい。魔物がいるこの星でも風景を美しく楽しむ事が出来る。


 眠るキュレネの頭をソッと()でながら村を走っていると2つの人影が見えた。


 「父さん母さん!」

 今生の両親を見て思わず叫んでしまう。

 キュレネ()はハッとその声に起き上がると、蒸気自動車に走り乗って来た母さん(キルケ母さん)にギューっと抱きしめられた。


 「ぼんどうに…… じんばいじたのよー! 」

 号泣して何を言っているか分からない母さん(キルケ母さん)を見てキュレネ()もシクシクと泣き出す。


 「ジノありがどう」

 鼻声で何を言ってるか聞き取りにくいけど…… なんとなく感謝されたのは分かり笑ってしまった。


 車のエンジン音、母娘の喜び抱き合う情景(じょうけい)、よくやったと(うなず)き俺に優しく微笑む父さん(オーディオ父さん)…… 村の子供達が笑顔でスピードを落とした車と並走する。


 ドワーフ達は笑いながら蒸気自動車の改善点を議論し始めて……


 ああ、この星に来れて良かったよ本当に……


 ドワーフめ…… ニヤニヤしすぎだぜ?感動して泣いてもイイじゃん俺はまだ子供だよ?

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