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第15話 勇者の剣と偽りの勅命
第15話 勇者の剣と偽りの勅命
辺境都市ハルトへ向かう途中で、最悪の再会が待っていた。
勇者レオハルト率いる王都遠征部隊だ。
街道の真ん中で馬を止めた彼は、俺を見るなり露骨に顔をしかめた。
「本当に魔族とつるんでいたのか、カイ」
隣には魔術師セドリックもいる。かつて俺を笑った面々だ。
レティシアが前に出て、王都勅命の一部を示した。停戦交渉に関する部分だ。だがレオハルトもまた、別の命令書を持っていた。
『魔王軍関係者は即時討伐、交渉不要』
文面は強すぎる。しかも王印の位置がわずかにずれていた。
「偽物よ」
レティシアが即断した。
セドリックが顔色を変える。小さな反応だったが、俺は見逃さなかった。
「お前、知ってるのか」
問われたセドリックは叫ぶように否定したが、もう遅い。ラッセルが荷袋から同じ封蝋の欠片を取り出す。ミアの部屋に落ちていたものと一致した。
「全部つながったな」
勇者パーティの一部と、王都商会、そして強硬派の貴族。
戦争で名声を得る者、金を得る者、その両方が手を組んでいた。
レオハルトは剣の柄を握ったまま、苦い顔をする。
「……俺は知らなかった」
それは本当だと思った。
だが、知らなかったでは済まない状況になっている。
街の方角から、黒煙が上がった。
ミアを囮にした本命の襲撃が始まったのだ。




