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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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274/277

274話 ハワイ到着

日本を出航して、早くも一週間が経過した。

豊穣神様から授かった“手紙像”の前には、いくつかの手紙が届いている。


勘助の報告によれば、日本の情勢は至って安定しているとのこと。

今さら反乱を起こすような者も現れそうにないみたいだな。


そのせいか、手紙の内容も半分は養子にした子供たちの成長について綴られていた。

あの竹中半兵衛を育てているのだから、勘助にとっては日々が楽しくて仕方ないのだろう。


さて、信長からの手紙だが――

『〇〇港に向け航行中』

『△△作戦は予定通り進行中』

――そんな短文ばかり。


予定通り進んでいるのは分かるが……短すぎる!

これでは情報量が足らなすぎ! 


(詳細な状況がまったく見えてこないだろ!) 


勘助から信長に、何度も状況を確認させ、戻ってきた情報を見習い軍師たちにまともな報告書に仕上げてもらうしかない。


それにしても――俺は知っているのだ。ふふふ……。

信長が、愛妻に毎日手紙を送っているということを……!


妻たちの手紙の中に、“信長様は毎日、奥方に手紙を送られていて羨ましい”と、はっきり書いてあったからな……。


……ということは、時間はあるはずだ! 報告書をきちんと書く時間はあるはずだろう、信長……! 


(でもね……嫁たちも……人の手紙を読んじゃダメだからね)

(それにしても、あの夫婦は仲がいいな。いつまでもラブラブだ)


……しかし俺は困る。毎日ラブレターを送られると。

俺と比べられてしまうだろ。


(迷惑千万……だぞ……!)


どうやら幸隆も、妻や子供たちに頻繁に手紙を送っているらしい。


……おかしい。

俺は船の上でも、世界に向けた大戦略を日夜考え続けていて、暇などまるでないのだが……。ひたすら忙しいのだが……?


信長も、幸隆も、同じように忙しいはずだろうに……

いったい、何が違うというのだ?


何か家族に申し訳ない気がしてきたので、ルーシーに頼んで毎日こちらの状況を手紙に書いて送ってもらうことにした。


光秀の方は、弟子とのやり取りを頻繁にしているようだ。尾張の病院にも患者がいるからな。目一杯書き込んだ手紙を、しょっちゅうやり取りしているようだ。


ハワイまでの航行は、嵐にも合うことなく快適そのものだ。風をしっかり受けて蝦夷丸は高速移動していく。もうそろそろハワイのはずだけどな。


「大執政官様、島が見えてきました!」


「定隆、日本の旗を上げろ」


「了解しました! 各艦に連絡!」


島から短艇(たんてい)がこちらに漕ぎ寄せてくる。里見義弘とその部下のようだ。タラップから旗艦に義弘とその部下が勢い良く昇ってくる。


「大執政官様、ようこそハワイへ! ハワイのご印象はいかがですか!」


(声が大きすぎるぞ……耳がビリビリする!)


「素晴らしい島だと思う。だがそれよりも――義弘、ウェーク島に中継基地を築き、石炭や米を何度もハワイまで運搬するのは、相当な苦労だったはずだ。加えて、貯蔵庫の整備も容易ではなかったろう。よくぞ成し遂げてくれた!」


「とんでもありません。ヨーロッパ諸国から日本を守るという大任ですから。私も部下たちも、大いにやり甲斐を感じておりますぞ」


「それは頼もしい言葉だ。とにかく、ご苦労であった。後ほど褒美を渡しておく。」


「ハワイ島とウェーク島で従事している部下たちをねぎらってやってくれ。また、日頃より補給に協力してくれているハワイ島の人々にも、日本から持参した産品を分けてほしい。日本をもっと好きになってもらいたいからな」


「はい、日本の産品はたいへん好評で、皆心から喜んでおります」


「そうか……ならば、これから世界中に広めていきたいな」


「ところで、さっそく補給を始めたい。よろしく頼む。5日間ほど休養をとった後、アカプルコへ向けて出航する予定だ。乗員たちには、新鮮な果物をたっぷり食べさせてやってくれ。それと、ハワイ島の王にも土産を届けて挨拶をしたい。手配を頼む」


俺たちの島への上陸と同時に、義弘の部下たちと島民たちが手際よく蝦夷丸の補給を開始してくれた。そのまま、俺たちは王の屋敷へと表敬訪問に向かう。


「日本の大執政官、玄武と申します。里見の者たちが日頃よりお世話になっております。また、石炭と米の保管を許していただき、深く感謝申し上げます。こちらは日本からの土産です。どうぞお受け取りください」


通訳は義弘が務めてくれている。


「長旅でお疲れでしょう。この島でゆっくりとお休みください」


「では、お言葉に甘えさせていただきます。体力維持のため、海岸を走り回っている者がいるかもしれませんが、どうかご容赦ください。5日間の滞在後、再び出航する予定です」


そう伝え、しばし雑談を行い、俺たちは王の屋敷を後にした。


「義弘、この島の価値が分かるか?」


「この広大な海の真ん中にあるということでしょうか?」


「その通りだ。アメリカ大陸から東南アジアまで、補給なしで航行するのは船員にとって大きな負担となる。水も食料も劣化していくからな」


「我々がハワイ島で補給できることに感謝しているように、いずれヨーロッパの諸国も同じように考えるだろう。ただし、奴らは日本のように穏やかで友好的なやり方はしてこないぞ」


「王と、もっと親しくなってくれ。そしてヨーロッパ諸国から、国をどう守るかという話題も、少しずつで構わないから伝えておいてほしい。イスパニアがアメリカ大陸でしていることや、ポルトガルが過去にやってきたことも話しておくといい」


「もし王が望むなら、この島を守るために蝦夷丸を5隻ほど常駐させてもいい。ただしその場合は、多少の土地の割譲と、港の使用権を認めてもらうことが条件になる」


「私も、この平和な島が異国の餓狼どもに蹂躙されるような未来は見たくありません。王と誠実に話し合ってみます。ただ……もしかすると、大執政官様に『娘を嫁がせたい』といった話になるかもしれませんよ」


「私はもう嫁は多すぎる。だが、そういう展開になった場合には、ふさわしい者をこちらで選んで対応するつもりだ」


「とにかく、王と信頼関係を築いておいてくれ。ただし、無理に押しつけたりして嫌われるようなことはするなよ。アカプルコからの帰りに、ここで補給ができなくなれば、我々は立ち往生することになるのだからな」


5日目の朝、我らは再び出航する。

陸軍、特殊部隊、久しぶりに体を目一杯動かせてスッキリした表情だ。海軍も少しは休養を取れただろう。


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