表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

177/280

177話 イスパニアはアメリカ大陸を征服

天文17年(1548年夏)――17歳


「インドからさらに東に向かい、今から37年前には、ここにあったマラッカ王国を滅ぼし、マラッカの港も占領してしまう」


「この地球儀のここに海峡があるだろ。ここは、インドから我々のいる東南アジア、東アジアに船で交易に向かう際の玄関口になる重要な場所だ」


「さらに2年後には、明までやって来る。この澳門おうもんという港で交易を始める。奴らは澳門おうもんのことをマカオと呼んでいる」


「明の政府は海禁政策をしている。勝手に澳門おうもんに住み着いていたポルトガル人を、さぞかし嫌がっているだろう。しかしこのままいけば、いずれマカオは、ポルトガルのものになってしまうだろうな」


「ポルトガルに来ている船の中には、アフリカを荒らし回った札付きの者たちも混じっている。奴らは儲けるため、明沿岸部の海賊たちと組んで、密交易を繰り返している。しかも、そのポルトガル船は我が国の直ぐ近くをウロウロし始めているのだ」


9年後には――ポルトガルが明の海賊討伐を支援したことでポルトガル人の居住権が認められる。さらに――19世紀にはポルトガルにマカオが割譲されてしまうのだ。


「今から56年前。もう一つの海軍強国のイスパニアも、自国からイスラム国勢力を追い出すのに成功した。当然イスパニアも儲けたいから、インドを目指すことになる」


「しかしポルトガルが、既にアフリカ最南端を通る海路を発見し、利用していることから、イスパニアはアフリカ経由ではない別の海路を見つけようと考えた」


「そこで、この地球儀だとこんな具合に、イベリア半島から、西に、さらに西へと、国王に任命された指揮官が、艦隊を率いてひたすら調査に向かう。そして、この島を見つける」


「その後の悲惨な出来事を考えると『見つかってしまった』ということになるだろう! それは、ここらあたりだ。この島拠点に周辺調査を進め、この大きな大陸を見つける。見つけた大陸をアメリカ大陸と名付けた」



「王から派遣された艦隊といっても、まともな連中じゃなかった。島や大陸の住民から、金や銀、宝石を力ずくで奪っていった」


「そのついでに、アメリカ大陸にあった作物――寒さに強いジャガイモ、主食にもなるトウモロコシ、酸味のあるトマト、そして嗜好品のタバコ――を持ち帰った。大陸を征服して、奴隷を使って栽培すれば、いくらでも生産できるってわけだな」


「ポルトガルが港と交易を押さえて“海上帝国”と呼ばれたのに対して、イスパニアは違った。自国の人間をアメリカ大陸に送り込んで、土地そのものを奪い、支配する方向に舵を切ったんだ。もちろん、現地の人々は奴隷扱いだった」


「アメリカ大陸が“発見”されたことで、先住民にとっての地獄が幕を開ける。だがそれだけではない。イスパニア兵たちは、この地には存在しなかった病――痘瘡(とうそう)を持ち込んだ」


痘瘡(とうそう)に罹った先住民たちは、なすすべもなく次々と命を落としていく。そんな中、銃と大砲を持った征服者たちは、弱りきった彼らを容赦なく蹂躙していった。金銀財宝を奪い、血に染まった征服地を広げていく」


「この辺りに存在したアステカ帝国は、27年前に滅ぼされ、今では“新イスパニア領”としてイスパニアの支配下にある。同じく南方にあったインカ帝国も、“ペルー副王領”として属領化されてしまった」


「征服された地には、次々とイスパニアの民が移住してくる。彼らは先住民を奴隷として使い、大農場を営み、鉱山を掘り続ける。もしも逆らえば、残酷な見せしめが待っている。恐怖と暴力による支配――それが、彼らのやり方だったのだ」


「そして並行して進められたのが──先住民たちへのキリスト教への改宗だった。自らが信仰する宗教を押しつけ、神を同じくすれば反乱は起きにくくなる。そう踏んだのだろう」


「世界三大銀山と称される銀山がある。新イスパニア領には、グアナファト銀山とサカテカス銀山。そしてペルー副王領には、3年前に手に入れたポトシ銀山。この三つだ」


「こうしてイスパニアは、莫大な銀を手にし、国力を一気に高めていくことになる。まさに、征服と収奪によって肥え太っていく帝国だ」


「だが……イスパニアのように、自らの欲望のままに他国を侵略し、蹂躙することが許されると思うか?」


「国を侵すには、やはりそれなりの……大義が必要であると考えます」と信長は静かに答えた。


「イスパニアが掲げた“大義名分”とは──『アメリカ大陸は、キリストの名のもとに、神がイスパニア国王に与えられた地である。ゆえに、それに逆らう者には、いかなる手段を用いても従わせてよい』というものだった」


「つまり、キリスト教徒でない者は、人間として扱う必要すらない──そうも受け取れる内容だ。まことに都合よく、宗教が“利用”されたというわけだ」


「“神の許し”という錦の御旗があれば、大農場の主も鉱山の主も、土地を奪い、人を奴隷にしても罪の意識を感じる必要がない。いや、むしろ“正しいことをしている”と信じて疑わないのだろう」


信長が眉をひそめて問う。


「……恐ろしい理屈ですね。キリスト教徒ではない我が国は……その理屈でいけば、どうなるのでしょうか」


「だからこそ、我が国も“守る力”を備えねばならない。侵略されないためには、自衛の力だけでなく、それを支える布石も必要だ。同盟を組み、共に戦える仲間も確保しておかねばならない」


「イスパニアもポルトガルも、これからますます国力を伸ばしていくだろう。さらに──ヨーロッパの他国も、遅れを取り戻すべくアメリカ大陸に進出し、資源を奪い、力を蓄えてくるはずだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ