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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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167話 比叡の無血退去と石山本願寺の崩壊

天文16年(1547年秋)――16歳


幕府軍は、瓦礫と化した小谷城には目もくれず、比叡山を目指して進む。

最初からの作戦通りだ。


比叡山では、朝廷から詰問状を持った使者が訪れていた。

比叡山側では何の使者なのかすらわからず、高僧たちが右往左往している。


使者となった公家が、詰問状を読み上げていく。


詰問状の内容は……

『一向宗の禁教指定を妨害するために、比叡山が強訴に及ぶ計画があることは明白。朝敵となった一向宗国に加担するのなら、比叡山も朝敵となると考えよ』


そして、間髪入れず勅命が告げられる。


「比叡山に対する、主上のご命令──」


「ただちに僧兵を退去させるべし。以後、僧兵の保持は禁止とする。三日以内に従わねば、天台宗を禁教とし、朝敵として北畠軍を差し向ける」


高僧たちは顔を見合わせ、沈黙。

(これは夢か? 朝廷が壊れたのか?)


状況が理解できず、呆然とする者ばかり。

返事がないことに、使者の声が少し鋭くなる。


「御坊方、小谷城が一日で瓦礫と化したとご存じか? 降伏ではないぞ! 廃墟となったのだ。誰一人生きておらぬ!」


「その北畠軍が、すでにこちらに向かっておるのだ。どうなされるつもりだ?」


その時──

「たいへんです! 北畠軍と幕府軍が、比叡山の麓に陣を張りました!」


その声に、堂内がざわつく。


(え? もう来たの?)

(あれは、ただの脅し文句じゃなかったのか!?)


高僧たちは、いよいよパニックに陥っていく。


“禁教”になることを恐れたのか、パニックで冷静な判断ができなくなったのか。

あるいは『後奈良天皇が崩御されれば、すべて有耶無耶になり、元の比叡山に戻せる』と読んだのか?


比叡山から僧兵を退去させることが決定する。

特に騒ぎも起こることなく、僧兵が比叡山から静かに出ていく。

北畠軍がその様子を、油断なく見つめている。


(野盗とかにならなければ良いのだが)

(なったらなったで、特殊部隊の訓練相手だ)

(どうせ雑魚だ)


比叡山が片付いたことを確認し、北畠軍は朝倉家が籠もる一乗谷へ粛々と向かう。

朝倉家は小谷城が1日で廃墟になったことを既に知っていた。

朝倉子飼いの忍びに、小谷城の顛末を見張らせていたのだろう。


(子飼いの忍びといっても、すでに我らの配下だけどね)

恐ろしくなって、ビビりまくるような、素晴らしい情報を伝えてくれたはずだ。


結果、朝倉家は、戦うことなく降伏した。

降伏の条件はいつもと同じだ。


一族については、いつものように全員いなくなってもらった。

非情なようだが、戦国時代はこうする他ないのである。


これで浅井、朝倉と片付いたのだが、朝廷には「朝倉家の残党がなかなか手強く、討伐に少し時間がかかる見通し」と報告しておいた。


(これで幕府は、石山本願寺の討伐には手が回らないことになる)


主上は朝議を開き、一向宗を討伐することが国家の一大事であることを前面に、石山本願寺の討伐を蝦夷国に依頼することを決議する。


依頼を受け、蝦夷国は蒸気船の蝦夷丸10隻を率いて、摂津の石山本願寺沖に到着した。


海軍衆が蒸気船を乗りこなせるようになったこともあり、至高の匠スキルで蝦夷丸の数も増やしておいたのだ。いずれは蒸気船が主力艦艇となり、キャラック船は貿易で使っていくことになるだろう。


ところで──

「大砲は使い勝手が悪く、今の戦いには大型ライフルと迫撃砲で十分です」と定隆から進言があり、蝦夷丸に搭載していた大砲はすでに取り外している。


石山本願寺は、普通の寺ではない。“難攻不落の石山城”という方が合っている。

広い水路が“掘”とし、本丸部分に本山となる寺院が建っている。


その周りを、同じく広い水路を掘とした複数の郭が囲んでいる。

郭には信者が暮らす街がある。


つまり本丸の石山本願寺が攻められることがあれば、周りを囲む郭に住む信者たちは、否が応でも本丸を命懸けで守る仕組みになっているのだ。


こいつらは、どこまで信者を都合良く利用するのだろう?


蝦夷丸10隻を横に並べて、蝦夷丸の迫撃砲による砲撃を開始する。

事前通告など不要だ。

目標は石山本願寺の本丸。


トゥーンッ! トゥーンッ! トゥーンッ!

ドゴォンッ! ドゴォンッ! ドゴォンッ!


一刻もしないうちに、石山城の本丸は壊滅する。

本丸が瓦礫になったのを見て、郭の信者たちは守るものがなくなったのだ。

戦意を喪失しているようだ。


続いて周囲の郭にも砲弾を数発撃ち込む。


トゥーンッ! トゥーンッ! トゥーンッ!

ドゴォンッ! ドゴォンッ! ドゴォンッ!


信者たちが郭から逃げ出し始める。

そこで一旦、攻撃を停止させる。

できれば信者たちは殺したくはないからな。


『夜のうちに逃げてくれ』と願い、夜の間の攻撃をやめさせた。

松明の明かりが夜通し城の外に向かい動いていたので、ほとんどの信者が退去してくれたようだ。たぶん加賀に行くのだろう。


朝になり、再び郭に砲弾を撃ち込む。今度は瓦礫になるまでだ。


トゥーンッ! トゥーンッ! トゥーンッ!

ドゴォンッ! ドゴォンッ! ドゴォンッ!


郭が瓦礫になったのを確認し、石山城本丸の掃討戦を行う。

掃討戦で始末するのは坊主と傭兵だけだ。

信者は殺すなと指示してある。


短時間で掃討戦が終了したので、兵を総動員して本願寺跡の瓦礫を片付けさせている。片付けが終わったら、ここに蝦夷国のような城に作り変える予定だ。


討伐を終え、その報を朝廷に伝えたところ……

「石山を蝦夷国のものとする」との勅命が届けられたのだ。


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