表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

166/259

166話 三河攻略と小谷城陥落

天文16年(1547年秋)――16歳


三河攻略作戦、ついに発動だ。


まずは商人を通じて、三河一帯の米を買っていく。いろんな場所に分けて、最初は少しずつ、そしてだんだんと買う量を増やした。


どうせ秋になれば収穫がある。米がなくなっていくことに誰も心配などしていない。

松平家も一向宗の寺も、米が売れたことによる臨時収入にホクホク顔だ。


そして――秋。


三河は見事な豊作に恵まれた。

松平家も一向宗の寺も、臨時収入の銭を使うべしと、焼酎をどっさり買い込む。あちこちで豊作を祝う宴が開かれ、浮かれた酒盛りが続いたのである。


警戒心など、まるでなし。

――その隙を突いて、“忍者撹乱隊”が動き出す。


米が大量に保管されている米蔵を、すべて――ことごとく――焼き払ったのだ。


宴の余韻が残る中、松平家と一向宗の寺は気づく。

この冬に食うべき米がないことに。


松平家や寺の動きは素早い。農民たちが冬を越すために蓄えていた米を奪う。

当然、民は飢える。彼らはそんなことお構いなしだ。

民などどうせ、勝手に生まれてくると思っているからだ。


だが――民から奪った米の量など、たかが知れている。

やがて松平家も、一向宗の寺も、深刻な食糧不足に見舞われていくことになる。


(作戦通りに進んでいくな)


作戦通り、そのタイミングで“忍者撹乱隊”を動かした。

松平家の兵士の格好をさせて一向宗の信者を襲わせ、今度は一向宗の装束で松平家の家臣を奇襲させる。疑心と憎悪を巧みに煽ってやった。


その結果――松平家と一向宗はついに全面衝突。

血で血を洗う泥沼の(いくさ)が始まった。腹が減ると短気になるのだよ。


互いに消耗しきったその隙を突いて、蝦夷軍が三河へと進軍。

迎え撃つ力など、もはや残っていない。信者も家臣も、すでにボロボロだった。


農民たちは帰郷させ、偉い坊主以外の坊主、松平の一族、武将たちにはすべて消えてもらった。残った寺も、必要ないから綺麗さっぱり更地にした。


表向きには――蝦夷国が三河に一切関与していない、という体裁を守らねばならない。

さらに、三河の中に“松平家”や“一向宗”が健在であるように見せかけておかないと、この策は破綻してしまう。


幸い、三河の周囲は北畠領に囲まれており、しかも“忍者警備隊”が外への出入りを徹底的に封じている。この厳重な警備体制のもとでは、万に一つも情報が漏れ出すことはないはずだ。


これから仕掛ける“一向宗独立騒動”は、才蔵を通して既に主上に伝えているし、了承もしてもらっている。朝廷側は主上が上手くコントロールしてくれるはずだ。


さあ、日の本始まって以来の大作戦を始動するか!


***


ある日、“三河一向宗国”が朝廷に対して独立宣言を行ったのだ。

しかも、三河の松平家は、すべて一向宗が討伐したという。

かつてない、大事件の始まりだ。


いきなりの“三河一向宗国独立宣言”に、朝廷は慌てて右往左往するばかり。統治能力も、実務経験もまったくない公家たち、どう対処していいのかまったく分からない。

右往左往するばかりだ。


そんな時に……こともあろうか……“石山本願寺が三河一向宗国と共闘”すると、朝廷に宣言してきたのだ。


慌てふためき、震え上がる朝廷の公家たち。

しかし主上が上手く誘導し、“一向宗の禁教指定”と“三河一向宗国の討伐”を決議する。


しかし、さらにどうしようもないことが起こる。

“加賀一向宗国”までもが独立宣言してしまったのだ。


朝廷の公家たちは、もはや完全にパニック状態。

しかも“忍者撹乱隊”があらゆる噂を煽って回っているせいで、事態はさらに混乱を極めていた。


(これが南蛮からの侵略だったどうするつもりだ!)

(公家は日の本に必要ないことが判明!)


「このままでは国が滅びるぞ〜!」

「天変地異の前触れじゃ〜!」


公家たちは、まるで狂言じみた大騒ぎを始める。

冷静な判断を下せるような空気ではない。


「ちょっと待て、少し落ち着こう」

そう言った者がいたりすれば──


「お主、ことの重大さがわかっておらんのか!」

まるで冷静でいることが悪のような追求を始める始末。


誰もが我先にと“最悪の想定”でパニックとなり……

「この騒動、なんか変だぞ……」などと疑う者は一人もいない。


当初、“三河一向宗国の討伐”は、朝廷から幕府に命じる予定だった。

しかし、加賀一向宗国までもが独立を宣言したことで、幕府はそちらの対応を優先せざるを得なくなるのは自明だ。


なにしろ、加賀一向宗国の軍事力は、三河とは比べものにならないからだ。


幕府軍が加賀へ侵攻するルートにある浅井家と朝倉家に、御内書と勅命がダブルで下された。両家とも幕府軍の先陣として、討伐軍に加わることが決まったのである。


だが、浅井家も朝倉家も、加賀一向宗国の戦力が桁違いであることを熟知している。

そのため、行軍を意図的に遅らせている。いわゆる“牛歩戦術”だ。


ちなみに、朝倉の名将・朝倉宗滴はすでに老衰で亡くなっている。

生きていれば違った展開もあったかもしれない。


ノロノロとしか進軍しない両家が邪魔になり、幕府軍の加賀討伐は一向に進展しないのだ。


とはいえ、加賀の対応が進まないからといって、朝廷が三河一向宗国の討伐を中止するわけにもいかない。


こうして、朝廷はやむを得ず──蝦夷国に“三河一向宗国の討伐”を依頼することになるのだった。


三河一向宗国は、もちろん蝦夷国軍によって討伐済みである。

少し時間をおいてから、“討伐完了の報告”を蝦夷国が朝廷に届けた。


討伐の謝礼として──三河は正式に“蝦夷国の領土”となった。


一方、幕府はというと……浅井家と朝倉家に対し……

「加賀一向宗国の討伐を怠った」として詰問状を送りつけた。


当然ながら、両家は激怒する。

「やってられるか!」とばかりに、勝手に軍を引き上げ、帰国してしまう。


……もちろん、これは忍者撹乱隊の情報操作による“計画通り”の展開なのだ。

わざと怒らせるように仕向けておいたのだ。


そして幕府は、両家の行動を利用し、朝廷にこう訴える。

「浅井家と朝倉家は、加賀一向宗国に通じております!」


すっかり混乱しきっている朝廷は、ろくに確認もせず、それを鵜呑みにする。

かくして──浅井家と朝倉家に対する“討伐の勅命”が発せられたのだった。


幕府軍による浅井家への攻撃が始まった。

だが浅井家は「小谷城は難攻不落」と信じ込んでいるため、迷うことなく籠城を選択。


淺井家では――


「この城は難攻不落!」

「いずれ幕府も、攻めあぐねて手詰まりになる!」

「朝廷に賄賂でも送っておけば、きっと許されるはず!」


──そんな甘い期待を抱いていた。


幕府軍本体がまだ小谷城に到着していないこともあり、城内では作戦会議に没頭している。だが、話は堂々巡り。時間だけがいたずらに過ぎていく。


そして今日も、評定の間では熱のこもった会議が続いている──

まるで、現実から目を背けるように。


しかし、甲賀特殊部隊500人と甲州特殊部隊300人、尾州特殊部隊300人、越州特殊部隊300人の計1,400人が、夜間に小谷城の斜面を粛々と音を立てずに登っていくのである。


本丸まで矢が届くところまで登り終えると、特殊部隊それぞれが、クロスボウで榴弾を放ち始める。


ズドーン! ズドーン! ズドーン!

ズドーン! ズドーン! ズドーン!


数百発の榴弾が打ち込まれた小谷城は、一瞬で瓦礫と化した。

評定の間で会議を行っていた重臣たちも、一瞬で吹き飛ばされてしまったのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ