第9話 事故
-文化祭の3日後-
貴之は学校に来た。
まだ、全快とはいかないが元気であった。
昼休み、悠助と亮は教室で話していた。
特に何かの話題について話しているわけでもなく、
ただただ雑談しているだけであった。
そこに担任の波木がなにやら急いでやってきた。
「沖野、柴田がどこにいるか知らないか?」
「分からないです。どうしたんですか?」
「お父さんが交通事故にあったらしい」
この話を聞いていたのは悠助と亮だけだった。
教室には他の人も居たが波木は聞こえないように言ったのだ。
「探してきます。」
「頼んだぞ、見つけたら職員室に来るように言ってくれ。」
「分かりました」
二人は手分けして探す事にした。
秋がどこにいるかなんて見当もつかなかったので、
手当たりしだい探す事にした。
悠助はとにかく急いで誰かにぶつかろうとおかまいなし。
ただただ秋を見つけることだけを考えていた。
すると、少し先の角を曲がる秋の姿が見えた。
悠助は走って追いかけたがその先の分かれ道をどっちに行ったのか分からない。
迷っていると分かれ道の片方から亮が来た。
「こっちはいないよ。」
「じゃあ、こっちだ」
もう一方の道を全速力で走っていった。
秋の姿はなかなか見えない。
そんなに早いわけないと悠助は思った。
しかも秋は歩いていたのだから。
「ちょっと、悠助何してるの。」
振り返るとそこには秋が居た。
夢中になり過ぎて追い抜かしていたのだ。
「取り合えず、来い」
「えっ、ちょっとなによ」
悠助は秋の手を引っ張り職員室へ向かった。
秋はあまりにもいきなり引っ張られたので、
持っていた荷物を落としてしまった。
「わりぃ、亮拾っといてくれ。」
「おう。」
秋にはまったく理解できない。
悠助が走ってきていきなり引っ張られて、
まったくわけがわからなくなった。
亮が秋の荷物を拾いあげると、
筆箱に付いていたお守りがとれて落ちた。
「先生、連れてきました。」
「ありがとう、沖野。お前は教室に戻っといてくれ。」
「はい」
そうして、悠助は教室に戻った。
途中で亮に合流した。
「柴田、落ち着いて聞いてくれ。」
「何ですか。」
「君のお父さんが交通事故に遭われて病院に運ばれた。」
「えっ、嘘でしょ。父は大丈夫なんですか。」
「わからない、今オペ中だそうだ。とにかく、柴田は病院に行きなさい。」
秋は頭が真っ白になった。
荷物を取りにいったん教室に戻ると悠助と亮が用意をしていてくれた。
「早く、行きな。大丈夫だって。」
「うん」
秋は荷物を受け取り走って病院へと向かった。
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