第7話 白
文化祭当日
悠助は小道具の用意をする係りだったので
当日教室にいる必要はなかった。
なので、同じく小道具の広貴と他のところを回っていた。
「教室はお化け屋敷だな。3年の舞台でも見に行くか」
「そうだな」
悠助と広貴は3年生の舞台を見るべく体育館に向かった。
3年生は全部で5クラス。
1クラス20分の持ち時間で舞台発表をする。
「今年はどんなのがあるかな。おもしろいのあるといいけど」
「なぁ、去年のは全然だったからな」
「ま、適当に見とくか」
二人は舞台を見ていた。
「微妙だな〜」
「なんか物足りないよな」
「来年は俺たちがやるんだ。もっと面白くしてやらないと」
しばらくして、外から救急車の音が聞こえて近くで止まった。
どうやら、学校で止まったみたいだ。
気になった二人は救急車のところへ行った。
生徒が一人運ばれていた。運ばれたのは貴之だった。
「貴之!」
悠助はおもわず声をあげてしまった。
貴之は教室にいたのだ。
「おい、何があったんだよ。」
「掃除道具入れが倒れてきて、貴之が下敷きになったんだ」
亮も教室にいたので一部始終をみている。
「大丈夫なのかよ。」
「わからない、危険だとは言ってた。」
「俺、病院行く」
「えっ!ちょっとダメだよ!」
悠助はそれを聞こうともせずそのまま病院に行った。
貴之は手術室に入っていた。
手術室の前には担任が居た、家族はまだ居ないようだ。
「沖野なんでお前がいるんだ」
「心配で、どうなんですか」
「わからない」
しばらくして手術が終わり。
貴之は運び出されてきた。
「意識が戻れば大丈夫ですが、いつ戻るかわかりません」
貴之は病室に運ばれた。
悠助はベットの横に座り貴之の手を握っていた。
「沖野、ご家族の方はもうしばらく来れないそうだ。
お前ついといてやれ。俺は外に居るから」
「わかりました」
担任は病室から出て行った。
悠助はずっと貴之の手を握っていた。
しばらくすると
「ん、悠助? ここどこ?」
「貴之!ここは病院!先生貴之が目を覚ましました。」
担任は医者を呼びに行ったようだ。
「悠助、おれなぁさっきまで真っ白で寒いところにいたんだ。
何もかも白くて、寒くて寂しいところに。
でもな手がだんだん暖かくなってきたんだよ。
そして、その暖かみが全身に伝わってきて
体全体に広がりきったとき目が覚めたんだ。
悠助が手握ってくれてたからだな、サンキューな」
「いいよ、よかって目を覚ましてくれて。」
そして、貴之の家族もやってきたので悠助は帰ることにした。
真っ白で寒い世界ってもしかして、と少し悠助はぞっとした。




