第6話 仲直り
亮は次の日学校に来た。
表情はとても明るく楽しげだった。
しかし、恵美のところへは行かない。
悠助は意を決して亮を連れて屋上へ向かった。
「どうしたんだよ、悠助」
いきなり連れてこられてちょっと怒っている。
でも、悠助はそんなこと気にしていなかった。
「亮、おまえ、恵美となんかあったのか?」
「・・・。」
亮は黙っていた。
恵美の話はしたくなかったのだろう。
「なぁ、言ってくれよ。俺、お前のこと助けたいんだよ。
お前に助けてもらったし。
お前がいなきゃ貴之とは仲良くなれなかった。」
「俺が悪いんだ。」
そういって亮は去って行った。
なにかあったのは間違いない。
なのに亮は何も言ってくれない。
恵美に聞くしかないのだろうか。
そのとき
「沖野君」
悠助を呼んだのは恵美だった。
向こうから来るとは思わなかった。
「どうした。」
「亮が昨日なんで休んでたか知ってる?」
「知ってるよ。亮の兄貴が一人暮らしするために引っ越したんだ。
それで、亮は兄貴が出発するまで二人で過ごしてたんだ。」
恵美はそのことを知らなかった。
なぜ、亮は恵美に言わなかったのだろう。
悠助の頭の中でいろんな考えが浮かんできた。
「な〜んだ。そうだったんだ、亮も言ってくれたらよかったのに。
それで元気なかったんだ。亮ってお兄さんの事好きなんだよね。
あたしね亮が元気ないから、どうしたの?
って聞いたのそしたら亮何にも聞いてなかったの。
その前に話してたことも全部。それで、イラッてきて喧嘩しちゃったんだ。」
「そうだったんだ。」
亮の中で兄貴という存在は大きかったのだ。
なにしろ、危険を冒して自分を救ったのだから。
兄貴と離れるのが嫌だったんだ。
「あたし謝らないと、ありがとう教えてくれて」
悠助は二人がこれで元に戻ってくれると思いうれしかった。
友紀子にもそのことを話しておいた。
その後二人は元通りになっていた。
こうして問題は解決したのだ。
「悠助に助けられたな。」
「お互い様だろ!これからもお互い助け合っていこうぜ!」
「だな!」
悠助が助ければ亮も助ける。
亮が助ければ悠助も助ける。
こんなふうに二人はずっとやってきたのだ。
「ほんとに亮君と悠君仲がいいよねぇ。ね、恵美ちゃん」
「そうよね。あの二人は仲が良過ぎるぐらいよ。」




