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第5話  誠と亮

悠助と友紀子は亮の家へと向かっていた。

悠助はあせっていた、何か嫌な予感がしていた。

昨日だって何かおかしかった。

悠助のあせりが友紀子にも伝わっていた。

二人の歩くスピードは徐々に早まる。

最後の角を曲がるとそこにはトラックが止まっていた。


「引越しトラック?」


悠助はまさかと思い、友紀子を置いて走り出した。

友紀子も頑張って走った。

トラックがいるのは間違いなく亮の家の前だ。


「あら、沖野くんに小林さん。どうしたのそんなに走って」


亮の母親は走って来る二人に少し驚いた顔をした。


「はぁ、はぁ。な、何で引越しトラックがここに?」


悠助は息を切らしながら言った。

最悪の事を考えて夢中になっていた。


「あ〜、これ?これはうちの上の子が一人暮らしするから引っ越すの」

「あ、そ、そうなんですか」


悠助と友紀子は安心した。

亮には9つ上の兄がいる名前はまこと


「亮はそれで今日学校休んでたんですか?」

「そうよ、あの子お兄ちゃんが好きでね。」


休んだ理由はわかった。

二人は安心したが、まだ気になる事はある。

なぜ今日恵美に元気がなかったのか。

二人に何かあったのではないかという疑念は消えない。


「あ、沖野君、ちょっと聞いていい?」

「何ですか?」


まさか、亮の母親から質問されると思わなかったので

悠助は驚きながら答えた。


美谷みたにさん今日学校行ってた?」

「はい、来てましたよ。どうかしたんですか?」


美谷とは恵美のことである。

亮の母親の質問の意外さにも驚いた。


「いやぁねぇ、あの子昨日この道を元気なさそうに通ってたから。

 風邪でもひいたのかと思ってね。

 あの子とうちの子なんだか仲がいいみたいだし。

 ちょっと、気になったのよ」

「風邪ではなさそうでしたよ。」


亮の母親は亮と恵美がただの仲のいい友達と思っている。

もちろん、本人がそんな事言ってないのだから。

恵美は数回亮の家に行っているようだ。


「ところで、亮君はどこですか?」


友紀子が聞いた。


「あ、あの子は誠とちょっと出かけてるの。

 引っ越す前に行きたいとこがあるって、2人で行ったわ。

 2人にとっての思いでの場所に。伝言あるなら伝えとくわよ」

「いや、大丈夫です。休んでたからどうしたのかと思ってきただけですから。」

「そう、わざわざありがとうね」


悠助と友紀子は帰ることにした。

疑問を解決できずもやもやを残したまま。


そのころ亮と誠は川原にいた。


「なぁ、兄貴。いつでも会えるんだよな」

「何回聞くんだよ、会えるって心配するな。」


二人にとってこの川原は特別な思い出がある。

この川原がなければ二人はこんなに仲良くはなれなかっただろう。

7年前ここに二人は居た。

そのころ二人はこんなに仲が良くなかった。

家族で川で遊んでいたときいきなり水量が増し

亮は中州に取り残された。

それを見た誠は覚悟を決め助けに向かった。

無事亮を助け、川原に亮を戻した誠は足を滑らせた。

誠は流されたのだ。


「兄ちゃん!」


亮の叫びに両親は気づき急いで助けを呼んだ。

しばらくして、少し下流のところで誠は見つかり病院へ運ばれた。


「兄ちゃん!兄ちゃん!」


亮の声で誠は目を覚ました。

誠は左足を折っていた。


「ごめんね兄ちゃん。ごめんね、ごめんね」

「謝るなよ、亮」

「ごめんね、僕があんなところにいたせいで、ごめんね」

「亮のせいじゃないよ。だから謝るなって」


亮は泣いていた。

誠は亮の頭を撫で続けた。

それから、二人は仲良くなった。


「あのときの兄貴かっこよかったな」

「だろう!」

「自分で言うなよ」


二人はしばらく笑い続けた。


「そろそろ、戻らないと。時間だ」

「そっかぁ、仕事がんばってよ」

「分かってるって。お前は恋のほう頑張れよ」

「な、何のこと?」

「恵美ちゃんと付き合ってるんだろ。まる分かりだぜ

 父さんと母さんは気づいてないみたいだけどな。」

「バレてたんだ。うん、頑張るよ」


二人は家に戻りそして誠は行ってしまった。

亮はいつまでも手をふり続けた。

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