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愚か者のエッセイ  作者: 黒猫の凜


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4/5

④リーダーの素質とは

私はリーダーには向いていない。


真面目で、誠実であろうと努めてはいるが…

それでもやはり、私にリーダーの素養はない。


なら、上に立つのはどういう者が適しているか…?


そんなもの、高いリーダーシップと実力を兼ね備えた人間がいいに決まっている。


だが、もし…

大したリーダーシップもなく、実力も平凡な者がリーダーに任命されたら…



その者はどうすればいいのだろうか?



……



社会人になって数年経った頃の私が、まさにその平凡なリーダーだった。


実力も足りていないし、リーダーシップなど無いことは自覚していた。

それでも、その役割を断り切れなかった。



——学生時代の私は、いつも2番手でいることが好きだった。

目立つ立場は柄ではなかったし、サポートに向いている性格だという自覚もあった。


2番手に甘んじていれば責任も大きくはないし、

ある程度周りを見て動く余裕もできる。

これこそ、私がもっとも実力を発揮できるポジションだと思った。



——だが、社会に出れば選択肢を得られない場面も訪れる。

上司からの説得の末、私は生まれて初めて先頭で指揮を執ることになった。


最初にも言ったが、私はリーダーには向いていない。

それは自分が一番よく分かっている。


私には、力強く皆を引っ張るカリスマ性はない。

緻密な作戦を立てて皆を導く知性もない。



ならどうすればいいか…?



私が辿り着いた結論は、自身の弱さを晒すことだった。


無理に実力を大きく見せようとせず謙虚に。

自分ができる範囲で役割を全うする誠実さを見せる。


その上で、みんなに力を貸してほしいと正直にお願いした。


結果として、そこそこの成果を出すことができた。

皆が完璧ではないリーダーを受け入れ、支えながら共に頑張ろうという方向で団結してくれたからだ。



……



——数年後、私はリーダーを降りた。

それどころか、その組織からも抜けた。


理由は明確だった。

内に抱える弱さに押し潰されたからだ。


原因の1つに、他人を頼ることができない性格があった。


弱さを見せ、力を貸してほしいと言っておきながら、結局私は多くのことを抱え込んだ。

あまりにも不器用で、それらを誰かに任せることができなかったのだ。


皆は恐らく、しっかりと私を支えているつもりだっただろう。

私が多くの仕事や問題を抱え込み、日に日に精神を擦り減らしていることなど知る由もない。


当人である私が誰にも打ち明けられなかったのだから当然だ。



思えば…

私は昔から、相談に乗ったり、相手の気持ちを考えることを実践してきた。

しかし、私が誰かに相談したり、悩みを打ち明けたことは一度もなかった。


あまりにも、誰かに頼る経験が欠落していた。


そうして何十年も生きてきた私は、皆が支えようとしてくれている状況ですら、本当の意味で頼ることはできなかった。


自分のことながら、思わず呆れるほどの不器用さだ。




やはり、私はリーダーには向いていない。


もしこれを読んでいる人がいたなら、きっと私よりはリーダーに向いているだろう。

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