四十三話 「最悪な再会」
今回で最終章入りました!次の作品も考えているので、よろしくお願いします!
目が覚めた時、明らかにコロシアム会場ではなかった。
「ったた……ここどこだよ」
フードを被った敵に急に飛ばされ、展開を理解出来ない。
「お兄さん、大丈夫? でもさ、早く立ち上がってくれる? 相手さんが待ってるんだよね」
アビスの声が上から聞こえ、見上げると、アビスが俺の前に立っていた。
「なんだ? なんかあったのか?」
立ち上がり、前方を見る。そこには、異様な光景が広がっていた。
「お兄ちゃん。ラースさんとカルマさん勝てるかな?」
前方で二人は戦ってるらしい。対戦相手は誰だ? フードを被ってて見えない。
「やぁやぁやぁやぁ。ようやくお目覚めかい?」
俺たちを飛ばした張本人の声が聞こえてきた。
「ベルモット……!」
ベルモットの方を見ると、フードを被った人が残り一人居た。
「お前、俺達をどこに転移させたんだ!!」
怒り気味に俺は問い詰める。吐くかどうか分からないが、聞かないことには意味はないしな。
「まぁ、そんなに怒らないでよ。殺しちゃうよ? まぁ、僕の気分は良いからね。教えてあげるよ。君たちは今、魔王の城にいるよ。僕が連れてきたからね。君たちの居場所や、情報は全て、幹部から聞いているから連れてくるのも容易だったよ。そうだ、そろそろ魔王様を登場させよう。ちょっとこいつと戦って待っててね」
魔王の城だと!?これは、やばい状況だな。
「あ、ちなみに言うけど、コロシアム会場で見た、フードを被った五人は全部僕の分身だからね。あの場に居たのは、僕一人だよ。勘違いしないでね」
ベルモットはそう言って、手を振りながら闇に消えていった。残されたのは、フードの人が一人。ほんとに戦わなきゃいけないのだろうか。
「ファイヤーボール!」
突然、魔法を放ってきて、俺と響とアビスは反応するのを1歩遅れてしまった。故に、アビスが直撃してしまった。
「急に何すんだよ!」
仲間が傷ついたことに俺は怒った。剣を引き抜き、完全に戦う体制をとった。
「お兄さん、僕は大丈夫だから」
アビスはとっさに魔術障壁を張ったらしい。それのおかげで、だいぶダメージを軽減でき、あまり怪我はしてなかった。良かったよ……
「お師匠様に戦えと言われたから……ごめんね……」
聞き覚えのある声が俺に謝ってきた。
「お前、まさか……梨花なのか?」
どうしても、俺は知りたくなり近ずいてフードを無理やり取った。
「そうだよ。私は梨花。お師匠様の弟子。匠とは敵になっちゃったね。あ、ちなみにあそこで戦っているのは、匠たちが探してたノースって人だよ。今は狂ってるから、弟さんと戦ってることにすら気付いてないようだけどね」
フードが取れた姿は、本当に梨花だった。その時、ちょうどラースさんが戦っている相手のフードも取れた。
「ノースさん……」
梨花の言う通り、本当にノースさんだった。
「ハハハハハっ!!!!お前ら強いなぁ!!楽しい!!楽しい!!楽しい!!」
本当に狂っているようだ。ラースさんを弟だとも気付かずに殺意を放ちながら殺そうとしている。
「おい、ノース!!俺を殺すつもりか!さっさと正気を取り戻せ!!」
「よし、僕もそろそろ本気出すかな。闇の力を見せてあげよう。ダークバインド!」
カルマさんがノースさんを捕らえようとしているが、ノースさんの力には勝てないようだ。
「ねぇ、匠、余所見していいの?」
梨花の声が聞こえ、眩い光が俺の目の端に見えた。
「ごめんね……匠。昔、好きだったよ」
梨花が最後に呟き、俺の前で魔法を放った。さすがに、この展開は予想してない。俺は死ぬ覚悟をした。そんな時、
「お兄ちゃんは死なせない!!魔法障壁!!」
響が梨花の魔法より早く、障壁を出してくれて、俺は助かった。けど、梨花が……何故か涙を流している。
「お前、お師匠様とかいう奴に脅されてんのか?」
梨花が命令に従うとは思えない。とゆうか、お師匠様って誰だ?
「ううん。私はね、お師匠様に命を救われたの。だから、ごめんね」
お師匠様って誰なんだよ!?命救われたって日本からこっちに来てなんかあったのか……
「お前、お師匠様って誰なんだよ!日本からこっちに来て何があったんだよ!!」
「匠には分からないよ!!私が何があったかなんて分からない!日本で襲われて、全く分からない土地に来て、死にかけたんだよ!?あの人が助けてくれなかったら私は今ここにいない。この気持ちが俺に分かる!?」
梨花が泣きながら怒っている。
「すまん。残念ながら、俺にお前の気持ちは分からない。だけど、お前は、人のために人を殺すのか?」
「お師匠様の為なの!!」
「そのお師匠様が誰なんだよ!!」
二人で怒って怒鳴りあっている。傍からみたら変な光景だろう。
「お師匠様は、さっきの人だよ!!隣に居た人!!」
やっぱりそうだったか。ベルモットか、魔王の右腕となると、相当な洗脳が掛かるのかもしれない
「もう匠はいいよ!!私はお師匠様だけが救いなの!」
梨花は泣くのを辞めてついに、魔法を打つ準備を開始した。俺もそれに習い、戦うことにした。でも殺さない。絶対に。
「梨花ちゃん、響戦いたくないよ……」
梨花と仲良かった響は、どうすればいいのか分からないようだった。そんな時、またも、笑い声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声。一番会いたくない敵。俺達のタイムリミットは近づいてきたのだった。
あと、1、2話で終わると思います。今まで読んでくれてた方ありがとうございます!最後まで是非、お付き合い下さい!!




