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魔法の世界へ転移招来!   作者: ねぎとろ
二章 『最弱から最強へ?』
42/50

四十話 「皇帝」

記念すべき四十話です!よろしくお願いします!

  疲れて寝てしまった俺達は、気付いた時には朝だった。時刻的には、まだ第二試合まで時間はある。どうしようか。

「ふぁ~……お前ら今からなにする?」

 話しかけてみるも返事がない。周りを見渡してみると、皆寝ていた。なんていうか、人口密度が凄い。

「俺も二度寝しようかな……いや、こいつらを起こそう」

 とりあえず、俺は響とアビスの耳元で叫びこいつらを起こすことにした。案の定起きたが、俺が殴られたのは言うまでもない。


「あとは、カルマさんとラースさんか。どうやって起こそう……そうだ!響任せたぞ!!」

 そう言って、俺はダッシュで支度を始めた。残された響とアビスが渋い顔をしていたが、気にしないでおく。

「もぅ!お兄ちゃんも勝手なんだから!!」

 遠くからチラリと見てみると、必死に起こしている二人の姿というか、響の姿が見える。

「起きない……どうしよう」

 ちょっとずつ泣き目になっていく響は最終手段に出た。俺と同様耳元で叫ぶ作戦だ。

「起きてーーーーーー!!!!」

 音は物凄く鳴り響いて、遠くにいる俺も五月蝿いと感じてしまった。

「うるせーーーーー!」

 ラースさんが思わず起きあがった。響がビクッとしていたのを見てしまったが、可愛かったからよし。

「なんだ、響か。起こしてくれたんだな。ありがとう。カルマの奴は俺が起こしとくからお前達は準備しといてくれ」


 それから、俺達は準備を始めた。無理矢理起こされたカルマさんが朝から死にかけてたのを見て、ビックリしたのは内緒だ。


 試合開始まで、残り1時間。準備は終わり、俺達はコロシアムまで歩いていた。宿屋からそんなに遠くないため、喋りながら歩いても充分辿り着くはずだ。

 そんな中、俺達は、チーム名をどうするかについて話していた。

「チーム名って要ります?」

 ラースさんとカルマさんに尋ねる。響とアビスはどうせ俺の考えに乗ってくれるから大丈夫だろう。

「俺は、要らねえな」

 ラースさん曰く、普通に要らないらしい。俺的にもいらないと思うがなぁ、カルマさんの顔を見るに……チーム名欲しそうだ。

「カルマさん、どんな名前がいいんですか?」

 気を利かせて聞いてみることにした。

「お、チーム名か、円卓の騎士とかどうだ?」

 やはり、厨二病か。すぐに思いつく辺りやばいな。

「えーっと、それだと人数足りなくないですか?」


「むっ。そうか。ならどうしよう……」

 カルマさんが悩んでいるうちにコロシアムに着いてしまった。もうチーム名は諦めよう。

「あ、とりあえず着いたんで、また今度にしましょう。うんそれがいい」

 強制的に話を終わらせ、俺達は二試合目に備えた。残り10分くらいしかない。


「ふぅ。今から二試合目か。緊張するなぁ」

 緊張が半端ないが、無理やり抑える。

「よし、おまえら、行くぞ!」

 ラースさんの声と共に、俺達は向かうことにした。ちなみに、相手チームの名前は、皇帝(エンペラー)だ。やはり、チーム名はあった方が良いのだろうか……


「ふぅ。やっぱり慣れないねお兄ちゃん」

 周囲からの歓声と視線。響はそれが苦手のようだ。まぁ、俺も苦手だがな。

「相手チームを見てみろ。どうだ? 勝てそうか?」

 ラースさんに言われて見てみるも、勝てるかどうかなんて分からない。

「いやいや。戦わなきゃ勝てるかどうかなんて分かんなくない?」

 アビスよナイスだ。お前が言ってくれたおかげで俺は言わなくて済んだぜ。

「それもそうだな。うむ」

 こう言っている内に、試合開始の鐘が鳴り響いた。


「よし!行くか!」

 漆黒の騎士との試合同様、俺達は、二人で突撃し、三人に援護を頼むという戦法にした。

「お前ら!!怖気ずくことはない!俺がいる限りお前らに負けはないのだからな!」

 相手の司令官らしき人が大声で叫ぶ。それに続いて、四人の歓声が響き、俺たちに向かってきた。

 向かってきたのは良いのだが、相手は、さほど強くなかった。剣を交えれば余裕で打ち勝ち、剣筋も見え見え、なぜ二試合目まで上がれたのか分からないレベルまでだった。

「あれ? これ余裕で勝てるじゃん!」

 俺が調子乗って、4人に突っ込む。案の定勝ち、最後の一人を倒そうとした所で司令官の声が聞こえてきた。


「お前ら、よく聞け!皇帝(エンペラー)(ボイス)!!」

 司令官の声に反応し、敵の四人はみるみる回復していった。それだけならまだ良いのだが、少し強くなっている。だが、まだ勝てる範囲だ。

「てめぇら。どんだけ復活するんだよ!」

 倒しても倒しても、皇帝の声とやらで回復し向かってくる。既に、俺一人じゃ四人を倒せないほどに敵は強くなっていた。このままだと負ける。

「匠!司令官を潰せ!さもなきゃ敵が強くなるぞ!!」

 ラースさんが叫ぶが、そんな事分かっている。司令官を狙おうとしても、四人が無理やり防いでくるのだ。


「お兄ちゃん!司令官に向かって走って!!」

 響のいうとおり、俺は何度目になるか分からないが、司令官に向かっていった。案の定、四人が身体を張って守ってくる。

「サンダーレイン!」


「フレイムスピア!」


「ダークインパクト!」

 三人の声が鳴り響き、魔法が重なり合った。魔法の直撃を受けた四人は倒れ、見事に司令官への道が出来た。

「サンキュー!これで、勝てるわ!」

 走って向かい、剣を振りかざそうとした瞬間、後ろから引っ張られ吹き飛ばされた。何が起こったのか全然分からなかった。

「匠!やばいぞ!こいつら手に負えないくらいつよくなってる!!」

 ラースさんがさんが誰かと戦っている。もちろん、それは敵の四人のうち三人だ。まさか、ここまで回復が早いとは。やばいな。しかも、ラースさんが押し負けてる。

「おまえら、残念だったな。俺達皇帝に負けと言う文字は無いのだ。諦めろ」

 司令官が挑発してくる。それに対して言い返す時間すら俺達には無いほどだった。


「フレイムランス!」

 響きの声が聞こえ、上から炎の槍が降ってくる。もちろん、標的は司令官だ。

「えっ? あ、やばい」

 敵は全員、この事態を予期してなかったらしい。普通に司令官に当たり、司令官は倒れた。まぁ、俺達も予期してなかったけどな。

「えっ? もしかしてダメだった? 響ダメなことした?」

 響きが泣きそうになりながら俺に尋ねてくる。俺は、唖然として一切聞いてなかった。

「なんで誰も答えてくれないの!?」

 ほぼ泣いてる状態で響が俺に問いかける。ここでようやく、俺は我に返った。

「お、おお!響良くやった!!」

 とりあえず、これで敵が強化されることはなくなった。

「だよね!響、頑張ったよね!!」

 やっと褒められて響は喜んでいる。まるで天使のようだ。

「あ、ちなみにさ、ほかの4人がクソ弱くなってたから、僕が倒しといたよ」

 アビスが横から何か言っている。そう言えば、ほかの四人の姿が見えないな。


「おまえら!もっとビシッと立てや!勝ったんだぞ!」

 ラースさんが俺の肩に手をかけた。何のことか俺は分からなかったが、周りからの歓声を浴びてようやくわかった。

「勝ったのか……」


「おせえよ!」


「そういえば、今回さ、僕何もしてないや」

 言われてみれば、カルマさん何もしてないな。まぁ、いっか。勝ったし。


 勝利の余韻に浸っていた俺達に、最悪の事態が訪れた。突然のアナウンスだ。

「第二試合お疲れ様でした。続けて第三試合になります。頑張ってください」

 アナウンスが流れ終わり、俺達の対戦相手が発表された。魔術師の理想郷らしい。


「嘘だろ!?休ませてくれねえのかよ!!」

 俺の声に反応することはなく、歓声が続くまま、無情にも第三試合は始まるのだった。

これからもよろしくお願いします。

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