三十九話 「初試合!」
割と長いです!戦闘シーン微妙かもしれませんがよろしくお願いします!
トーナメントの試合は、始まってしまった。相手は近接職が5人。それに対して、俺達は、2人しか居ない。到底時間稼ぎ程度しか出来ない。後は、漆黒の騎士の面々が弱いことを祈るしかない。
「おい、匠!余所見するな!!戦闘中だぞ!死にてえのか!!」
ラースさんの言う通り、俺は、響達が心配で戦闘中にも関わらず、余所見してしまった。怒られるのも無理はない。
「すいません!」
俺は、援護を完全に任せることにして、ラースさん達と時間稼ぎに専念することにした。
「匠!とりあえず、俺が一人を瞬殺する!出来るだけ、カルマたちに近付けないようにしてくれ!」
ラースさんはそう言って、漆黒の騎士の一人をターゲットに決めた。二人が戦っている所を見ている暇など無かったが、チラリと一瞬見たら、激しい戦いをしていた。
「っと、危ねぇ!」
少しの隙を突いてきて、四人で攻撃してきた。梨花のお陰で鍛えれたのか、上手く全部の攻撃を避けることが出来、カウンターも食らわせることが出来た。
「ってぇな」
胸元を切りつけられた男は、少々苛立っていた。
「お兄ちゃん!下がって!!」
響の声と共に、上から落雷が降り、まとめて攻撃することが出来たのは良いのだが、下がるのが間に合わなかった俺にも当たってしまった。
「ぐっ……身体が痺れるな……」
「お兄ちゃん!大丈夫!?」
響が心配して声を掛けてくる。だが、俺に止まっている暇などない。一刻も早く相手を一人でも多く減らさなければならないのだ。
「大丈夫だから、早く魔法の準備をしてくれ!ラースさんが危ないんだ!!」
相手が響の魔法で痺れているうちにラースさんの方を見てみると、物凄く手こずっていた。運悪く、相手のリーダーと当たったらしい。見てる俺からしても、剣の動きがおかしい。音が鳴り響いているだけで、剣筋が一切見えない。相手も相当の腕前のようだった。
「ラースのことは、僕が援護するから、君達は、四人を何とかしてくれ!見た感じあんまり強くなさそうだからたのんだぞ!!」
カルマさんが、闇魔法、ダークボールを放ちながら、ラースさんの援護に向かっていった。残った、俺達は、四人の相手をしようと構える。
「お前ら、援護しっかり頼むぞ。俺達にとっては強敵だからな。しかも、人数が相手の方が多い……」
俺の言葉の最中、よくあるアニメのように敵が待ってくれるなんてことはない。普通に、剣を構え、四人それぞれの動きで俺に向かってきた。まず、俺を潰すのだろう。魔法職は、エルフ以外時間がなきゃ雑魚同然だからな。狙われるのも無理はない。
「さっきはよくも傷付けてくれたな。漆黒の鎧は特注でなぁ、数倍にして返さないと俺の気が治まらねぇ。自分を恨むんだな」
鎧の胸元に剣傷がある男が、ダークソードを振り下ろしてきた。だが、それは予想通りだ、俺は、しゃがんで躱し、足払いをした。
「お兄さん、ナイスだよ!」
アビスが溜めに溜めた魔法、フレイムランスを放った。
「グハッ……嘘だろ。俺が、こんなガキにやられるなんて……」
フレイムランスが直撃し、鎧と共に、相手を燃やした。鎧のお陰で、火傷で済んだが、生身なら死んでたかもしれない。危なかった。
「これで、後は、三人だな。お前ら、覚悟しろよ」
3対3これで、対等だ。相手は、俺よりも、後ろの二人を脅威とみなしたのか、俺を無視し始めた。だが、それを俺が許すほど甘くはない。懐から素早くミスリルソードを抜き取り、後ろから首に突き立て、動けなくなった所を柄で殴り気絶させた。
「お前ら、小さい子を狙うなんて糞どもだな。そんなんじゃ、俺にも勝てねえよ」
何故か、俺は、強気になっていた。梨花との修行前は、あんなに弱かったのに、一晩でここまで強くなったんだ。慢心してもおかしくはない。
「はっ。お前に俺が負ける? 有り得ねえな。てめえみたいな雑魚には負けねえよ」
2人のうち、サブリーダーなのか分からんが、一人が俺に対して挑発してきた。
「おい、お前!そこの二人はお前に任せる。俺は、こいつと戦うぜ。瞬殺してやるから、負けるなよ?」
片方が俺に対して、剣を抜き、構えた。こいつは、盾も使うらしい。中々強そうだ。多少響たちが心配だが、大丈夫だと信じて、俺はタイマンすることにした。
「お兄ちゃん!こっちは心配いらないよ!!すぐ倒して援護するから!!」
「そうそう。僕達は余裕だから、そっちの相手頑張ってね」
二人からの声が聞こえ、俺は安心した。これで、本気で戦えそうだ。なにかが、覚醒した今の俺なら勝てる気がする。ただの根拠だが、ネガティブにいくよりはマシだ。
「んじゃ、やるか」
俺と漆黒の騎士が走り出し、剣を交えだした。その時、観客席から歓声が上がったのは、気にする暇もなかった。
「くそっ。こいつ、強い……」
明らかに俺より上だった。攻撃しても、盾で防がれ、カウンターで攻撃される。だが、俺も剣士の端くれだ。相手の剣筋を段々と読む事が出来た。そのお陰もあってか、相手の不意を打ち、盾を吹き飛ばすことに成功した。
「なんだこいつ。まさか、ここまでやるとはな、驚きだぜ。まぁ、盾なんてなくても、俺は負けない。お前みたいな初心者に負けるはずがないんだ!」
こいつは、剣士になって、五年目らしい。そりゃ、俺みたいな偽物の剣士に負けたら嫌だよな。でも、しょうがない。こっちも勝たなきゃいけないんだ。
「すまんな。こっちにも事情がある。負けてもらうぞ!」
相手は、この一撃で決める予定なのか、剣を両手に持ち、自分にオーラを纏った。今までとは全くちがう気迫が俺を襲う。
「終わりだ」
一言、相手が呟いた。剣と共に、向かってくると思ったが、俺の予想を大きく上回った。
「マジかよ!」
剣圧が俺に飛んできて、俺は防ぐ以外道が無かった。ミスリルソードと剣圧が交じり合い、凄い音が鳴っている。だが、運は俺に味方したようだ。剣圧が少し反り、俺の横を通っていった。だが、俺も腕が既に疲れ果て使えない状態だ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
相手は力を使い果たし、立ってるのもやっとの状態だった。俺は、剣が使えない。どうすればいい……
「まてよ? 魔法で倒せば良いのか」
もう一本の腕ならまだ使える。魔法を打つのには充分だ。
「ウインドカッター!ファイヤーボール!!」
二つの魔法を同時に放ち、俺は、ウインドカッターに炎を纏わせた。炎は勢いを増し、標的を切り裂いた。死んでないかが、心配だ。
少し経ち、煙が晴れた。中では、鎧の取れた人が寝転がっていた。気絶しているようだ。
「よっしゃ!俺の勝ちだ!」
思わずガッツポーズを決めてしまった。今気付いたが、観客席から歓声が未だ鳴り止んでいなかった。
「お兄ちゃん!勝ったんだね!凄い!!」
「こっちは余裕だったよ。多分、まだ剣士歴が短いんだと思う。剣筋が明らかに見え見えで、避けやすかったから魔法ですぐに倒すことが出来た。まぁ、僕はもう疲れたけどね」
俺達は、しっかりと四人を倒すことが出来た。残るは、漆黒の騎士のリーダーだけだ。だが、俺達は、疲れ果て動くことすらままならなかった。
戦っている所を俺達は、ボーッと見ている。何も出来ないというのが何よりも悔しい。
「くっそ。見ることしか出来ねえのか」
俺が悔しがっていると、ラースさん達の声が聞こえてきた。もう、決着が着くようだ。
「すまんな。お前は、中々強かった。もし機会があれば、また戦いものだ。さらば!」
ラースさんが大きく振りかぶった。直後に、カルマさんの闇魔法が剣にあたり、剣が漆黒に輝く。漆黒の剣を振り下ろし、相手を切りつける前に寸止めした。あいては、降伏したようだ。これで、漆黒の騎士は全滅。俺達の勝ちだ。
「やったぁぁぁぁ!!勝った!」
俺達は、皆で喜びを分かち合った。だが、まだ一回戦。まだまだトーナメントは続いていく。歓声の中、俺達は、コロシアムを出て、宿屋に向かった。二試合目は、明日の12時。それまで、俺達はしばしの休息を得るのだった。
多分、次の話は、二試合目になります。当分、トーナメントの話になりますのでご了承下さい。
次の更新が15日は無理かもしれないので、多分16日になります。




