三十七話 「開催目前!」
よろしくお願いします!
「ほらほら、避けてばっかだと勝てないよ~?」
梨花が本気を出してから、俺は避けることしか出来ていない。いや、避けることに精一杯で他のことが出来ないのだ。
「うるせぇな!お前がもっと手加減してくれれば攻撃しにいってやるよ!」
避けながら喋るのは舌を噛みそうで怖い。ってか、避け続けるのも限界が来そうだ。そろそろ体力がやばいのに、未だ魔法は止まない。
「ふっふっふ。私が匠に手加減するなんて有り得ないでしょ!」
何言ってんだこいつは。もしかして、こいつ……楽しんでやがる。俺をいじめて楽しむとはなんて野郎だ。ぐぬぬ……
「はぁはぁはぁ、やべえな」
体力が限界にほど近くなった頃に、ようやく魔法を普通に躱せるようになった。多分、避けすぎた結果鍛えられたのだろう。
「よし!もうほとんど体力無くて動けないけど、反撃といきますか!」
俺は、最後の力で走り出した、走っている間も魔法は飛んでくるが、躱し続ける。途中、響に打ったような魔法が飛んできたが、間一髪躱すことが出来た。これはマジで奇跡だ。
「っと、まさか魔法の軌道を読むとはね。やっぱり、匠は天才だよ!」
俺が近づいてきて、危険を感じたのか、梨花は氷の鎌のような物を出してきた。
「俺が天才? ないね。天才ならもっと早くお前を倒せてるさ!」
俺のミスリルソードと氷の鎌がぶつかり、激しい音が流れる。そこから、一切魔法はなくなった。
「まさか、ここまで匠が強いとは思わなかったよ。戦ってる内に強くなったんだろうけど凄すぎる。でも、まだ私のが上だね!」
声と共に、思いっきり鎌を振り下ろしてきた。だが、そんなの予想の範囲内だ。余裕で躱せる。
「ふっ、そんな攻撃効かないぞ?」
余裕の笑みで返すが、次の瞬間、俺は地面に倒れていた。何が起こったのか全く分からない。だが、俺が負けたことには変わりない。
「まさか、ここまで手こずるなんてね。ふふふっ、でもいい修行になったでしょ?」
寝転がっている俺に対して、梨花が話しかけてくる。
「バカ言うな。俺にはきつすぎるわ。次は、もっと手加減しろよな」
梨花は俺の疲れ果ててる顔を見て、笑っている。その顔を見て俺も笑ってしまった。誰も居ない中、二人の笑い声だけが夜の中に響いている。ちなみに、アビスと響は既に寝てしまっている。
「なぁ、最後どうやって俺を倒したんだ?」
自分の中で完全に勝てるビジョンはあった。俺は、何故か、梨花と戦ってうちにめっちゃ強くなったしな。これは、梨花に感謝する。だけど、俺の負け方が理解できない。
「えーっと……えへへ。ちょっとした魔法を使ったんだよ!」
こいつ、怪しいな。どんな魔法なのか気になるが、梨花が言わないんだ。きっと内緒にしたいのだろう。俺は、これ以上追求するのは辞めておいた。
「おーい!梨花ー!どこだーい?」
遠くから誰かの声がする。優しそうな声だ。
「あ、お師匠様の声だ!やばい、行かなきゃ!!匠、今日はありがとね!楽しかったよ!!私のおかげで強くなれたんだし、戦って良かったでしょ? 次会ったらもっと強くなってるのを期待してるね!ばいばーい!」
早口で何言ってるのかあまり聞き取れなかったが、俺が言葉を返そうと思った頃には、梨花の姿は見えなくなっていた。
「はぁ。疲れたな。帰るか……」
俺は、寝ているアビスと響をおんぶしながら宿屋まで、夜の中を歩いて行った。
こうして、俺達の4日目は終わった。
「はぁ。昨日は宿屋に帰るのが遅かったせいで全然寝れてねえな。しかも、昨日動きすぎたせいで身体も痛いし……」
朝の9時。ベットから起きようと思うが、俺の身体は持ち上がらなかった。多分、梨花との模擬戦闘のせいだろう。
「お兄ちゃん? 大丈夫?」
身体を起こせない俺を心配してくれたのか、響が近くに寄ってきた。
「あー。無理そうだわ。今日がラストの日だし、俺はゆっくり休んでるから、お前らだけで買い物でもなんでもしてくれ」
そう言って、俺は寝てしまった。
「んじゃ、お兄ちゃん。おやすみなさい」
それから、誰一人として俺を起こしてくれた人は居なかった。多分、皆気を使って俺を休ませてくれたんだろう。もしも、普通に忘れられたりしてたら悲しすぎる!!
その後、俺は夜まで寝てしまい、気づいた時には日付が変わっていた。その頃には、だいぶ動けたので、周りを見渡してみると、隣で響とアビスが寝ていた。その横に、買い物したような跡があり、しっかりと回復用のアイテムとかを買ってくれたようだった。偉い子達だ。
次の日の朝。
「あんちゃん達!起きてるか!!」
大きな声と共に俺達は、目が覚めた。俺は、もう一度寝ていたらしい。
「支度しろ。早く行くぞ!もう俺達の支度は出来ている。刻限まではもう余りない。急ぐことだな」
カルマさんも真っ黒なローブで登場し、俺たちに早くしろと言ってきた。
「了解です!少しだけ待ってください!!おい、アビス。起きろ!!」
もう一度寝ようとしているアビスを叩き起し、俺達は支度を始めた。順調に終わり、俺達は、トーナメント会場に急いだ。時間は、結構ギリギリだ。
「お、来ましたね!時間は……ギリギリですが、間に合ってるのでオッケーです。では、中にどうぞ!」
前と同じ、トーナメントの受付員が俺たちを中まで通してくれた。中では、既に王女様が立っていて、まもなくトーナメントが開始されるようだった。
時刻は10時。トーナメントの開始時刻だ。辺りには、人が溢れかえっている。っと、ここで王女様の声が聞こえてきた。
「ふむ。お前らよく聞け!!今年は、参加者も多いようだが、そんな事は知らぬ!勝って勝って勝ちまくれ!勝者は1チームのみだ!!では、存分に楽しむが良い!!トーナメント開幕じゃ!!!」
王女様の声に俺達は、唖然とし、動きが止まってしまった。それでも、トーナメントは始まる。トーナメントがどれだけ恐ろしいかは、俺達は、未だ知らなかったのだった。
5日目……疲れ果てて主人公何も出来てないです(笑)
主人公最強にするか迷い中です……
明日はちょっと大事な用があるので更新できるかどうか……




