三十一話 「まさかの出来事」
やっぱり俺の進み遅いですねぇ。まぁ、皆さん、気長に待ってくださいな。
とりあえす、よろしくです!
「申し訳ありません。トーナメントは五人一組のチームのみが参加出来るシステムとなっておりまして、貴方達3人ではエントリーすることは出来ません」
俺達は、会場の受付にて言われてしまった。せっかくここまで来たのに、これはないわ。
「はぁ!?嘘だろ? なんでだよ!それなら初めから紙に書けバカヤロー!」
少しでもリンシアが救えると思ってここに来たのに、全くの無意味だと分かった瞬間、俺はキレてしまった。
「お兄ちゃん!落ち着いて!!」
響が腕を引っ張って止めようとしているが無意味だ。今の俺は誰にも止められない。
「うるせぇ!!俺は今怒ってんだよ!!邪魔すんな!」
ついに響にまで八つ当たりしてしまった。兄として失格だな。そう思っても俺は止められない。このままだと誰彼構わず八つ当たりしたしてしまいそうだ。
「なんだよこれ!!五人一組ってふざけんな!俺は一人で来たんだぞ!エントリーさせろよ!」
突然俺より大きい声が聞こえてきて、俺は止まってしまった。まぁ、これで良かったのかもしれない。
「無理なものは無理なんです!諦めるか、チームを組んできてください!!」
受付をしている人もビビりながら必死そうだ。って、今気付いたけど怒ってるやつラースさんじゃねえか。
「ラースさん!」
とりあえす一番チームを組めそうな人に話しかけることにした。これが上手く行けば参加できるしな。
「ん? おぉ!!お前らもここに来てたのか!!丁度いい、チームを組もう。話はそれからだ」
ラースさんは話が分かっているようだ。俺が話しかけた瞬間チームを組んでくれた。これで俺も参加出来る。
「おっ、ほんとに良いのか!?俺達めっちゃ弱いけど大丈夫か?」
自分で言うのもなんだが、俺達はマジ弱いからな。もしかしたら、嫌かもしれない。
「そうだよラースさん。うちのアビスくらいしか強いの居ないよ? 私とお兄ちゃんほんとに弱いよ?」
アビスをまるで犬のように扱うなんて……まぁしょうがないか。
アビスだしな。
「なんで僕がペットみたいに扱われてるの!?一番強いのに!?まぁ、元モンスターだからしょうがないけどさ、普通に人間として扱ってよ!」
アビスが講義を申し立てているが無視しよう。それよりもエントリーが優先だ。
「では、トーナメントは5日後に始まります。それまで、充分に休むか、強くなるかは自由ですので、頑張ってください。ちなみに、トーナメント開始時間は、10時となっておりますので、お気を付けを。少しでも遅刻すると棄権扱いになるので」
こうして、俺達は、ようやくトーナメントに参加する資格を得た。
「ふーむ。トーナメントは5日後かぁ。ラースさんはどうするんですか?」
とりあえず、新たにチームとなったラースさんに聞いてみることにした。一番強そうだし。
「あー。まずは、俺のもう一人の仲間を紹介させてくれ。割といい奴なんだが、ちょっと性格がアレでな、まぁ、見てみれば分かるはずだ。多分、宿屋に居るはずだから、まずはそこに行こう」
おぉ!ラースさんの仲間が見れるのか!ラースさんの仲間となれば、きっと強い人のはずだ。強くて、優しい人なら最高だけどな。
「フハハハハッ。ようやく舞い戻ったか、我がバーサーカーよ」
宿屋に着き、仲間が居るという扉を開けた途端、高らかな笑いが聞こえてきた。中には、半裸でポーズを決めている人が一人。目が合ってしまった。
「あ、えっと。部屋間違えました? ごめんなさい」
咄嗟に俺は扉を閉めてしまった。
「お兄ちゃん!?何してんの!?」
響が焦ったように話し掛けてくる。だが、しょうがない。なんか変な人が居たんだもん。
「お兄さん〜。良いから開けてくれよ。僕はもう疲れたんだよ」
皆からの講義の声があり、俺はようやく扉を開けてやることにした。
「あはっハッハッハ。よく来たな同士よ。俺に掛かればお前らが仲間だということはすぐに分かったわ。ハッハッハ」
やべえ人がいる。完全なおかしい。これは、ダメな人かもしれん。悪い人ではなさそうだけどな。
「おう。今帰ったぞ、カルマ。相変わらず変人だなお前は。漸く仲間を連れてきてやったのに初めからその対応はないだろ。全く。完全に引いてるじゃないか」
入ってすぐに、ラースさんの説教が始まった。
1時間くらい経って、別室に居た二人が帰ってきた。
「すいませんでした」
帰ってきて早々、土下座された。これは反応に困るわ。
「えっ? どうしたんですか? なんで謝るんですか?」
訳も分からないまま土下座されても困る。とりあえすここは事情を聞くとしよう。
「いや、あの。ちょっと、初めて会ったのに、変な話し方しちゃったから……」
モゴモゴ喋りだし、聞き取りずらかったがちゃんと聞こえた。
「全然大丈夫ですよ!」
響がまた横から話し始めた。全く、そんなに突然話さなくても良いじゃないか。相手もビックリしてるわ。
「あの、お兄さん。僕的には、ちょっと買い物したいんで、どっか行きますね」
アビスが小声で俺に話しかけてきて、すぐさま逃げてった。全く、どいつもこいつも……はぁ。
「まぁもう大丈夫ですよ。とりあえす、5日間の予定だけ決めて寝ましょうよ」
とにかく疲れたので、俺は寝たかった。もう既に、頭がカクカクしていて、一歩間違えれば寝ちゃう状態だった。
「あー、そうだな。とりあえす、もう寝るか。今後の予定は、明日の朝にでも決めれば良いだろ。俺とこいつは、こっちの部屋で寝るから、お前らはそっちで寝てくれ。あいにく、俺らは部屋を二つしか取ってなくてな、すまんね」
そう言って、カルマを抱き抱えて別室に移動してしまった。
「あ、ありがとうございます!おやすみなさい」
とりあえす、お礼を言っといて、俺と響はアビスに書き置きを残して寝ることにした。書き置きを見れば、どっちで寝ればいいか分かるだろう。
ベッドに入って、すぐに俺達は全員寝てしまった。
こうして、俺たちのトーナメント戦に向けての一日目が始まるのだった。
今回の章は、50話には終わらせたいと思っています。よろしくお願いします。




