二十六話 「おかしな森」
土日更新出来ず、申し訳ないです……
これからも、更新が不定期になるかもなので、ご了承ください。
では、遅くなりましたが、よろしくお願いします!
エルフの森に入った俺達は、驚くほどあっさりと進んでいった。
「何も来ねぇなぁ。エルフの森ってこんな安全なのか」
入ってから一回もモンスターと出会っていない。だが、俺にとってエルフの森は初めての場所だ。もしかしたら、こうゆう場所なのかもしれないと思った。
「何言ってるの〜? エルフの森は普通モンスターがいっぱい居るんだよ? こんなに出てこないのが不思議なくらい!」
アンジュが言うには、いつももっとモンスターが居るらしい。……なるほど、分からん。
「ふーむ。ま、モンスターが出ないのは良いことだ!とりあえずさ、アンジュのことを色々聞かせてくれよ!!」
昔からエルフを見てみたいと思っていた俺は、エルフがどんな事を出来るのか気になっていたのだ。しかもちょっと俺のタイプだし……
「お兄さんさぁ、アンジュさんのこと好きなの? さっきからチラチラとアンジュさんのこと見てない?」
ちっ、アビスのやつ鋭いな。てか、俺が見てることに気付いているとは……
「俺は、鋭い子は嫌いだよ……!」
アビスを睨みつけていると、袖を引っ張られた。引っ張った張本人は、響とリンシアだった。何か言い分があるようだ。
「ねぇ、お兄ちゃん? ほんとにアンジュさんのこと見てたの? アンジュさんのこと好きなの? 響が居るのに? なんでなの?」
ん?お兄ちゃんちょっと響が怖いなぁ。なんでそんな怖い顔で見てくるんだろう。
「タクミよ……アンジュよりも、我のことを見ても良いのじゃぞ?」
こいつはなんなんだ一体。もはや言っていることが理解できない。
「あー。もううるせえな!男なんだからさ、少しくらい見ても良いだろ!」
なんで俺はこんなに睨まれたりされるんだ? 普通、可愛い女の子が目の前に居たら、つい見てしまうと思うんだけどなぁ。
「まぁまぁ皆さん落ち着いてくださいよ。私が悪いんですから」
『「あんたは黙ってて!!」』
リンシアと響の声が見事に被った。なんだこの光景は。
「やれやれ。僕の一言でこんなになるなんてね」
アビスは俺のことを見ながら高笑いしている。こいつめ、いつかやり返してやる。
「ま、まぁ。落ち着けよ。とりあえずアンジュの能力は知っとかないとさ!」
これからもしかしたら、強い敵と戦うかもしれない。アンジュの能力を知りたいのは本当の事だ。
「むー。しょうがないなぁ。次からは、あんまりジロジロ見ちゃダメだからね」
「お主は、変態じゃからのぅ……あんまり見てるとアンジュが可哀想じゃ。見るでないぞ?」
なんで俺は2人に注意されてるんだろうか……ま、いいや。とりあえずこの場さえ乗り切ればなんとかなるだろうし。
「ごほん!では、私の能力を発表したいと思います!!」
そこから、アンジュの説明もとい、自己紹介が始まった。
まず、エルフ族は魔法が得意らしい。主に風魔法だ。アンジュが使える魔法は、風の上級魔法までと、雷、氷、水、回復魔法だった。風魔法以外は、中級までしか使えないらしい。まぁ充分強いけどな。
「ふむふむ。アンジュさん強いですね!」
「またニヤニヤしながら見てる!!」
俺ニヤニヤしてたのか。自分でも気付かなかった……てかそんなに注意しなくても良いのに。
「ふーん。僕より強いんだ。すごいね」
アビスも褒めているようだ。まぁ正直、俺もここまで強いとは思わなかった。意外過ぎる。
「ギュオオオオオオオ!!!」
俺達が話している中、トカゲのようなモンスターが現れた。爬虫類好きの俺は、少し好みのモンスターだったが、敵なので殺すしかない。ぐぬぬ……
「では、私の強さを見せたいと思います!みなさんは下がっててください!」
アンジュが一人、前に出て、魔法を詠唱し始めた。
いや、詠唱すらしていなかった。
「どうゆうことだ? 詠唱しないで魔法を打とうとするなんて……」
普通、魔法は詠唱しなきゃ打てないはずだ。こんなの有り得ない。
「お兄さん。僕が教えてあげるよ。エルフはね、種族特有の能力で、詠唱しなくても魔法が使えるんだ。羨ましいよね」
マジかよ。エルフ強すぎだろ。俺もエルフに生まれたかったわぁ。
「キシャァァァァ……ァァ……」
アビスと話している一瞬の間に、モンスターは死んだようだ。見事に首を切られている。
「終わりましたー。私の強さどうでした?」
アンジュが笑顔で近づいてくるが、少し怖い。なぜなら、返り血で顔が真っ赤だからだ。
「ア、アンジュ。とりあえずさ、顔を洗ってくれないか? 若干怖いぞ?」
響も少しビビっている。身体が少し震えているのが見て分かるくらいだからな。
「ふぅ。やっぱり、水魔法は便利ですねぇ」
顔をしっかりと洗い流し、ようやく綺麗になった。これで話が出来る。
「なぁ、今度風魔法教えてくれよ!」
アンジュの強さを目の前で知り、教えてもらおうと思ったのだが、
「ん? お主何を言っとるんじゃ? お主に魔法を教えるのは我じゃぞ? てゆうか、我のが魔法使えるし、そやつより、我のが良いぞ?」
リンシアが横から口を出してきやがった。俺は可愛い女の子に教わりたいんだ。幼女に教わるなんて……嫌じゃないけど……
っと、こんなことを話しながら、俺達は森の奥へと進んでいった。やはり、モンスターは現れない。そろそろ奥に辿り着くと言うのに、モンスターはさっきの一体だけだった。
「なぁ、なんかさ、血の匂いがしないか?」
奥に進むに連れて、匂いはどんどん強くなっている気がする。
「お兄ちゃん、響にはこの匂い辛いかも……」
やはり、響も感じているようだった。他の人たちも皆、感じているようだった。
「タクミさん、気を付けてくださいね。明らかにおかしいです。辺りも薄暗くなってきましたし」
アンジュに言われて気づいたが、奥に進むと、どんどん日の光が隠れて暗くなっている。
そんな中、俺達は森の奥にたどり着いてしまった。
そこは、先程より、明らかに暗く、血の匂いが強かった。俺達は、少し立ち止まり、目を慣らすことにした。
「ようやく少し見えてきたな」
俺達の目は慣れてきていた。そんな中、俺は中心に何かが居ることに気付いた。多分、人間だ。
「おい、人が居るぞ。とりあえず、会ってみようぜ」
皆に話しかけるが、皆は険しい顔をしている。
「どうしたんだ?」
「うるさい。お兄さん黙ってて」
よく目を凝らし、見てみると、人のような者は、血だらけで明らかに邪悪なオーラを纏っていた。さらに、辺りには、身体が欠損した人が転がっており、誰一人として動いていなかった。いわゆる死体の状態だ。
「なんだよ、これ」
こんな光景に唖然としてしまった。この俺の一言がダメだった。
どす黒いオーラを纏い、血だらけの人物は、俺の声に反応して、こちらを見ていた。
いやー、こうゆうほのぼのしてる感じの話を妄想してしまうとヤバイですね( 笑 )




