十九話 「洞窟の中」
全然話進まなくてすいません…
街へと向かっていたはずの俺達は洞窟の中を歩いていた。
「いやー。洞窟とか初めて入ったけど、結構暗いもんだな」
結構目が良くても、入った時は全然前が見えなかった。まぁでも、俺の目は次第に慣れてゆき、見えるようになったけどな。
「お主、見えずらいのか? 我ほどにも成れば、この程度2km先くらいまでなら見えるぞ?」
リンシアの目は超絶良いらしい。2km見えるとか、やばいな。
「響って目が悪いのかなぁ、全部見えないんだけど……」
俺の記憶が正しければ、響は俺よりも目が良かった筈なんだが、どうして見えないのだろうか。
「響、お前の目がまだ慣れてないだけじゃないのか?」
「うーん。そんなのかなぁ。まぁ少しは見えるからいいんだけどさぁ」
響は頭に?マークを浮かべながら、困惑していた。まぁ実際にはマークなんて見えないんだけどね
「おっと、お主ら。すぐ先に、モンスターが居るぞ。気を付けるんじゃ」
リンシアの言葉を聞いて、俺と響は少し震えてしまった。ノースさんが居ない状況での、戦闘。さらに、この暗い中だから、どんなモンスターが来るのかも分からない。俺達が震えるのも無理はなかった。
「お主ら、そんなに震えなくて大丈夫じゃぞ? 我の見える限りだと、あやつはスケルトンじゃ。ゴブリンよりは強いが、まぁこの世界だと弱い部類じゃから安心せぃ」
リンシアが俺達を安心させてくれるなんて……って、やっぱりこの世界にも居るんだな、スケルトンって奴は。よく小説とかだと人間の形をした骨だけど、果たしてその姿はどうなんだろうか。
「ニンゲンガイル」
予想通り、全身骨だった。スケルトンは身体をカタカタと震わせながら、喋り出した。
「うぉ! あいつ喋るのかよ!!」
スケルトンが喋り出したことに俺は驚いてしまった。
「お主は、この世界のスケルトンを見たことがなかったのか。この世界だと、大抵の魔物は喋るぞ? 覚えておくといい」
この世界以外にもスケルトンって居るんだな。ってか、大抵の魔物が喋るだと……
「と、とりあえず、あいつを倒さなきゃ!」
俺は、焦ってしまい、魔法を使うことを忘れていた。
「お兄ちゃん!ここは響に任せて!」
俺の前に響は意気揚々と飛び出してきた。しかも、そのまま詠唱を始めた。
「我が力を持ってして、燃やし尽くせ!フレイム!!」
なんか、前と詠唱違くないか?俺は、そんな気がしたが、普通に発動したので、結局詠唱はあんま必要ないんだなと感じてしまった。
響のフレイムにより、スケルトンは激しく燃えて、消えてしまった。実際には、灰になったわけだがな。
「おおおお!響!お前、すげえな!!自分からモンスターの前に飛び出したな、お前も成長したもんだ」
今まで、あんなにモンスターを怖がっていた響が自分から戦ったことに俺は心底驚いた。さらに倒してしまったわけだから、響を褒め倒してやることにした。
「もう!お兄ちゃん、そんなに褒めないでよ!」
響は、赤面しながら怒ってきた。その姿もまた可愛いもんだ。
「まぁでも、タクミの言う通りじゃな。我もまさか響が戦うとは思わなかったぞ。偉いのぅ」
リンシアも響を褒め始め、その声は洞窟内で響いた。その影響からか、辺りから凄く物音がする。
「ん? なんだこの音は」
周りから聞こえてくるのは、まるで何かが、飛んでいるような音だった。俺が、悩んでいると目の前に何かが、横切った。
「お兄ちゃん……やばいよ。すごい量のコウモリが居る……しかも大きい」
響は、さっきと打って変わってびびってしまった。俺にはまだ見えないわけだから、怖さが理解出来ない。
「馬鹿だなぁ響は、そんなコウモリ居るわけ……って居たぁぁぁぁぁ」
俺の前に逆さ吊りとなってこっちを見ているコウモリが居たのだ。俺の声に、コウモリ達はびっくりしてしまいました、こちら側に向かってきた。
「うわぁぁぁぁぁぁ、来るなぁぁぁぁぁぁ」
「お、お主の声のせいなんじゃから、責任取って相手をしてやれぃ!!」
リンシアがなんか言ってるが無視するしかないな。
「お兄ちゃんのせいだからね!!全く!!」
俺達は全速力で走り、逃げ切ったのは良いのだが、完全に迷ってしまった。
「ふぅ……ここはどこだろうな」
走りすぎて、迷ってしまった俺達の前には先の見えない一本道だけがあった。
「タクミよ……どうするんじゃ? このまま真っ直ぐ進んでいくかの?」
確かに、この先には何かがありそうな気配がする。先に進むのも一つの手だな。
「響はどうしたい?」
「うーん。響はね、お兄ちゃんに付いて行くからどっちでも良いよ!」
響も強くなったもんだな。こんな怖そうな所でも泣かないなんて。
「よし!皆の意見も聞いたし、行くか!」
俺の意見はもちろん進むことだった。これで必然的に、全員一致だ。進む以外の選択肢はなかった。
そこからの道は、ほんとに一本道だった。薄暗い中、ロウソクの光だけが辺りを照らしている。モンスターも一切出てこなかった。
「いやー。なんだこの扉は」
進んでいった先にあったのは、分厚くて真っ赤な扉だった。
「ダンジョンのボス部屋に似てるのぅ」
リンシアが呟いたが、確かにその通りだった。
「お兄ちゃん〜。入るの〜?」
首を傾げながら響は俺に聞いてきた。
「俺としては入りたいが、お前らの意見も聞かないとだしな」
こうゆう扉の奥には、何か特別な物があるに違いないと思った俺は、入って確かめたかったのだ。
「うーむ。我も別に良いんじゃが……トラップという可能性がのぅ」
そうか。トラップっていう可能性もあるのか。危なかった、そのまま突っ込んでたら死ぬ所だったぜ。
「リンシアちゃんの鑑定魔法でトラップかどうか分からないの??」
「あ、そうじゃな。鑑定で調べれば問題ないのぅ。んじゃ、使ってみるとするかの」
リンシアは壁を一点に見つめて、黙ってしまった。
一瞬の静寂が流れた……俺たちもつい黙ってしまい、リンシアが喋りだすのを待っていた。……っとここで、ようやくリンシアが口を開いた。
「あの扉は、トラップなどはなかったぞ。じゃがな、あの奥には、ボス並みに強力なモンスターが居る、これを知ってまでお主が入るかどうかは分からんが、よく考えてから行動するべきじゃぞ。下手したら死の危険に晒すはめになるからの」
リンシアの言葉はとても重かった。下手したら死の危険になる……それは危険すぎる。
「お兄ちゃん? 行かないの? 響は普通に入りたいなぁ」
悩んでいる俺に響は自分から行きたいと言ってくれた。ここで俺は決心した、絶対に響を守るって。
「よし。行くか。俺は絶対に負けない。必ず誰も死なせないからな」
俺達は、大きな扉をこじ開け、中へと入って行った。
今度、暇な時に梨花視点の話も書きたいと思っております。
よろしくお願いします!




