十五話 「旅支度!」
お願いします!
俺たちは、旅の準備というか、普通に観光をしていた。
「にひひ、お兄ちゃん楽しいね!!」
響は若干ニヤつきながら俺に話しかけてきた。
「こわ!お前、自分の顔を見てみろよ。凄い変な顔してるぞ」
俺は響の方を見て笑ってしまった。俺に言われた響は、突然真顔になり、こっちを睨んできた。それを見てまた笑ってしまった。
「ごめんごめん。つい笑っちゃっただけだよ。リンシアも今の顔面白かったよな?」
俺は、話を逸らすためにリンシアに話しかけたが、リンシアに無視されてしまった。リンシアは、自分の欲しいものを見つけたようだった。
「なぁ、タクミ〜。我な、お願いがあるんじゃが、聞いてくれるかの?」
リンシアは自分には、絶対に似合わない上目遣いを使って聞いてきた。なんとなく分かっているが聞くことにした。
「ん、なんだリンシア。もしかして、あの杖が欲しいのか?」
俺はリンシアの図星を突いたようだった。
「な、何を言っとるんじゃ? 我があんなもの欲しがるわけなかろう」
リンシアは口笛を吹きながら、斜め上を見ている。これは絶対に当たっているな。俺は確信してしまった。
「へぇー。じゃあいらないのか〜。んじゃ、響行こうぜ。早く食料買いたいしな」
俺は、響と手を繋ぎ歩きだしてやった。リンシアの方を見てみると、涙目で立っていた。
「や、やめろよ。俺が泣かしたみたいじゃんか。なんか買ってやるから欲しいもの言ってみろし」
俺は、とりあえず泣き止ませることが最優先だと思い、結局買ってあげることにした。
「ほ、ほんとか!?」
リンシアは、急に笑顔でこっちを見てきた。
「お、おう」
内心、泣き止むの早すぎだろとか思いながら、頷いてしまった。
「んじゃ、我はあの杖が欲しいのじゃ!!」
「やっぱり、あの杖欲しいのか」
何故、さっき隠してたのか理由が分からないが、買ってあげることにした。
買ってあげた後は、リンシアは凄く大人しかった。まるで、泣いている子供におやつを与えた後のようだったのだ。
「リンシア、お前、相当嬉しいんだな。さっきの響と同じ顔してるぞ」
リンシアは超ニマニマしながら歩いていた。周りの目を考えないでニヤニヤするので、俺達は凄く恥ずかしかったのだ。
「えっ!? 我ってそんなに変な顔してたのか!? 普通の顔してるつもりだったのに……」
リンシアにとってはあれが普通らしい。
その後、旅の準備は着々? と進んでいった。途中で、響に武器を買ってあげたりしたが、特に問題もなく進んでいった。自分でもびっくりだ。
「よし! 大体の物は買ったな。食料もめっちゃ買ったし、テントも買った。これでいつでも旅に出れる」
大体の物を買えたのは良いのだが、お陰で、報奨金も全て無くなり、また一文無しになってしまった。
「お兄ちゃん〜。いつごろ行くの〜?」
響は若干旅に出たくなさそうだった。やっぱり、怖いらしい。
「のぅ、タクミよ。我としては、すぐに旅に出たいんじゃが」
リンシアは響と相対的に、旅に出たいようだった。
「うーむ。俺も早く旅に出たいが、響が心配だしなぁ」
旅に出たいのは山々なのだが、俺にとって、響が何よりも大事だった。ただ1人の家族、もしも死なせてしまったら俺は多分、自殺してしまうだろう。なのに、死の危険がある旅に連れて行ってしまっても良いのかどうか、考えるばかりだった。
「お兄ちゃん。そんなに悩まなくていいんだよ? 響大丈夫だから!」
響は、俺に心配させたくないようだった。
「ほんとに大丈夫なのか?」
「うん。大丈夫。なんてたってリンシアちゃんが居るからね!」
響は笑顔で俺に返してくれた。リンシアも隣で頷いている。俺は、その言葉を聞いて安心してしまった。
「そ、そうか。 怖かったらいつでも俺に頼るんだぞ? あんまり頼りにならないかもしれないけど……」
「響よ。タクミに頼らないで、我に頼るべきじゃぞ。我のが強いからの!」
リンシアはドヤ顔で響に言っている。さらにその後、俺の方を向いてドヤ顔してきやがった。
「ま、まぁいっか。旅の準備も整ったし、あとは、次に向かう場所だな」
俺は、ノースさんを探すことが何よりも優先だと思い、とりあえず色んな街を行くことにしたのだ。
「よし。リンシア。俺と響はノースさんのことを聞いてくるから、お前は、次に向えそうな街を聞いてくるんだ!」
手分けをして聞いた方が早いと思ったのだ。
「えー。我だけ1人なのか……」
リンシアはトボトボ歩きだし、俺の方をチラチラ見ながら聞きに行ってくれた。
聞きに行ってから数十分後……
俺達は、王都の門の前で話していた。
「いやー。俺達の方はほとんど情報無かったな」
1番欲しかった、ノースさんの情報を得れなくて俺は凄く残念だったが、リンシアは色んな情報を貰ってきたらしい。
「我の方はな、ノースっぽい人の居場所と、その街の名前を教えて貰ったぞ! 褒めるがいい」
リンシアは俺と響の方を見て、誇らしげに言っている。
「おー。よく頑張ったな」
「リンシアちゃんすごーい」
俺達は適当に褒めてやった。
「ま、まぁそれほどでもないぞ」
こいつ、チョロイな。
「とりあえず、どこに行けばいいんだ? 次はそこに行くから」
ノースさんらしき人だとしても行く以外の選択肢はない。
「確か、東に進んでいけば街があると言っていたな。街の名前は思い出せんが、その街のダンジョンに居るとか居ないとか……」
最後らへんボソボソ言っていて聞こえなかったが、要は東に向かえばいいらしい。
「よし!行き先は決まった!出発するぞ!!」
「おーー!!」
リンシア以外の俺達は、歩き出した。
「ちょ、ちょっと待つのじゃ!」
リンシアも遅れて歩き出し、俺たち3人は王都の門を潜り抜け、東の街へ向けて歩き出したのだった。
後で章を追加する可能性あります!
ご了承ください。




