「日本史」より 岐阜城のエピソード
フロイスは信長のことが好きで、「信長だけは自分のことを分かってくれる」と思っていたようですが、そう思っていたのは彼だけではなかったようです。
フロイスは布教の過程において、多くの仏教徒・領主・僧侶などとトラブルを起こします。
「日本史」の中に、その中の一つが記録されております。
フロイスは仏教徒と利害の不一致があり、争いを起こしました。
フロイスは信長に面会し、助けを求めます。
信長はフロイスの訴えを聞き「分かった。キリスト教徒が困らないようにしよう」と約束してくれます。
フロイスは安心して帰りますが、その後で、信長のところに争いの相手である、仏教徒もやってきます。
彼らはたくさんの手土産を抱え、「信長に面会をしさえすれば、自分たちに有利になるように信長が采配してくれる」と信じて疑っておりません。
仏教徒は、信長への面会申請をしますが、信長の部下が取り次いでくれません。
なぜなら信長の部下は「信長が仏教徒に面会し、彼らの意見を聞いてしまったら、信長の事だから、仏教徒たちの言い分を受け、彼らを助けようとするだろう。そうなったら(自分たちが)面倒だから、会わせないようにしよう」と言って、取り次がないのです。
信長に面会できなかった仏教徒たちは、たくさんの土産物を抱えたまま、すごすごと帰っていきます。(ふふん、ざまあみろ)
というエピソードです。
ちょっと、ちょっと、ちょっと!
これ、とんでもないこと書いてありませんか??
今まさに対立している二勢力(キリスト教徒と、仏教徒)が、どちらも、「信長なら、自分たちの味方をしてくれる」と信じて疑っていないのです。
で、信長の部下にいたっては、「信長がキリスト教徒にいい返事をした後で、仏教徒に面会したら、仏教徒が納得する回答を用意する」事を疑っておりません。
(令和の人間としては「取り次がない」対応は、部下としてどうかと思いますが……。当時は「それもアリ」だったんでしょうかね……)
仏教徒の訴えを聞いた信長が、キリスト教徒と交わした最初の約束を反故にするだけ、であれば簡単ですが、人はバカじゃないので、誰もそんなヤツを頼ったりはしません。
信長ならば、「キリスト教徒、仏教徒、どちらも納得するような調整をやってのける」事を、誰もが疑っていないからこそ、彼らはこのような行動をとったのでしょう。
つまり信長は過去に何度も、「利害が対立する複数勢力の争い納め、双方が納得するような解決」を実施し、しかも双方から「やっぱり信長は自分の味方だ」と思われる調整を成功させてきたことが伺えます。
全然、暴君っぽくないですよね!?
むしろ「人たらし」寄りじゃないですか!?




