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新たな王の誕生と、未来への誓約

腐敗貴族たちが連行され、静けさを取り戻した会議室で、国王陛下は玉座から立ち上がり、ゆっくりとアレクシス殿下の前へと歩み寄った。


「アレクシス……。よくぞ生きて戻ってくれた。そして、西部の民を救うという偉大な功績、真に見事であった。お前はもう、日陰に隠れて生きる存在ではない。皆も異論はないな?」


残された清廉な貴族たちは、一斉に深く首肯した。


もはや、アレクシス殿下を「側室の子」と侮る者は一人もいない。


彼の知恵と力、そして民を想う心は、誰もが認める王の器だったからだ。


「アレクシス・フォン・グランツ。本日をもって、そなたをこの国の『王太子(次期国王)』に任命する! 今後は我が右腕として、この国を導いてくれ」


「ははっ! 謹んでお受けいたします、父上」


アレクシス殿下は、優雅に、しかし力強く片膝をついて臣従の礼をとった。


その姿はあまりにも神々しく、私が投資した「最高のダイヤの原石」が見事に研磨され、世界で最も輝く宝石になったことを証明していた。


そして、国王陛下は私の方へと向き直った。


「セレスティア嬢。そなたの並外れた知略と行動力には、幾度も国を救われた。我が息子をここまで立派な王太子に導いてくれたこと、心より感謝する」


「もったいないお言葉ですわ、陛下。私はただ、自分の投資先(パートナー)の価値を最大化させただけですから」


私が微笑んで答えると、立ち上がったアレクシス殿下が私の隣に歩み寄り、私の手を取った。


「父上。俺が王太子としての責務を果たすためには、彼女の存在が不可欠です。セレスティア・フォン・ローゼンバーグを、俺の正式な『婚約者』として、そして未来の王妃として迎えることをお許しください」


アレクシス殿下の真っ直ぐな言葉に、会議室が感嘆の息に包まれた。


国王陛下も、嬉しそうに何度も頷いている。


「もちろん、許すとも。そなたら二人以上の適任者は、この世界中を探してもおるまい」


盛大な拍手が沸き起こる中、アレクシス殿下は私の耳元に顔を寄せ、悪戯っぽく囁いた。


「これで、誰にも文句は言わせない。俺たちの『契約』は、国が認めた公式なものになったわけだ」


「ええ。ですが殿下、契約書には『私に絶対的な自由と権力(予算)を与えること』と記されていますからね。手に入れたばかりの国の予算、私が存分にコンサルティングさせていただきますわよ?」


「ははっ、お手柔らかに頼むよ、俺の愛しき『最強の共同経営者(パートナー)』」


彼が私の手甲に優しく口づけを落とすと、私の頬は自分でも驚くほど熱くなった。


かつて理不尽な死を迎え、すべてを奪われた悪役令嬢。


しかし、回帰と前世の記憶(スキル)を手に入れた私は、自らの手で運命を論破し、この国で最も気高く、誰よりも幸せな「未来の王妃」の座を掴み取ったのだ。


「さて……次は、国の教育機関の改革(テコ入れ)でも始めましょうか!」

窓から差し込む眩しい光の中、私は真紅のドレスを翻し、新たな事業計画(プロジェクト)に向けて、最高に痛快で美しい笑みを浮かべたのだった。


[完]

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