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代表作シリーズ最終作「大海の冒険者~不死の伝説~」
第一話 東の島の出来事(6)-(13)の部を、別視点でお送りします。
金髪の男の人が、茶髪の男の子に何かを話している。大きな声ではなく、ゆったりとした頑丈さがのある声だった。緊張のあまり騒いでいた鼓動は、また落ち着いていった。
ところが男の子は、どんどん表情を歪めていった。両手を結び、力がこめられていく。
一体何故なのかと、首が前のめりになると、頭から毛布が落ちた。そこへ、家を打ちつける弱い雨の音に合わせて、彼が寂しいのではないかという想像が膨らんでいく。それもまた何故なのかと、更なる理由を問い詰めたくなり、身体がどんどん前に出ていってしまう。
そこへ黒髪の男の子が、大きく大人達の前に出た。それに続くように女の子が、服の中から道具のようなものを取り出すと、大人達に見せた。
彼女の訴えは力強く、懸命さが滲んでいるのが肌から伝わってくる。毛布の中で窄めていた足が、いよいよ解けだした。
二人と大人達が向き合っている後ろで、茶髪の彼はまた、違った様子で立ち尽くしていた。二人が手にする物や、口にしていることが、彼自身をどんどん縛りつけているようだった。なぜなら、彼の両拳はずっと震えていた。
すると、また黒髪の男の子の大きな声がし、こちらは目を見開いてしまう。そして、その後ろで立ち尽くしたままの彼は、目の前の二人に驚いたようで、ようやっと顔を上げた。その眼差しは震えていた。
気づけばもう、目覚めた時と比べて怖さなど消えてしまっていた。その証拠に、鼓動はスヤスヤと寝息を立てるように心地よい。なのに彼は、ここの人達のことを恐れている。
そんな彼を背にしたまま、先の二人が大人達に何かを伝え終えた時、別の男の人が一声かけると、子ども達の前に出た。その人丸太のように大きな身体をしており、ずっと黙ったままの彼の肩を、どっしりとした手で掴んだ。そしてじっと顔を合わせ、何かを語りかけている。そこに漂う空気は、まるでお日様そのものだった。
寝床の縁を掴んででも、目の前の人々のやり取りに見入ってしまっていた。そうしていると、隣で何かが光ったのに気づき、ふと振り返った。敷物の上にあるものが転がっているのを見つけると、咄嗟に掴んだ。そして何も考えず、自ずと寝床を滑り出ると、彼を求めて駆けた――
その子は背が高く、近づくなりうんと見下ろされた。鋭くなっていく眼差しはきっと、何か用かと聞いている。そう思った時、ギュッと結んだままの手を突きつけた。そして何度か振って見せる。“いいから、いいから”――そんな気持ちが先走ると、拳は彼の胸にぶつかった。
彼が不思議そうにしながら手を差し出してくると、ゆっくりと、握ったままの手を緩めた。すると、彼の目がふんわりと開いていく。手に転がったそれが、先ほど床に散らばった物の一つだと分かったようだ。




