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ライフコース  作者: 只野 唯
ショートケア編

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マツムラショウゴ

 

 マツムラショウゴと名乗ったその人は、明るくて、元気で、私には少し眩しかった。


「はじめまして」


 屈託のない声でそう言われて、私は慌てて口を開く。


「あ……は、はじめまして。高橋です」


ぼそぼそとした声。


自分でも頼りないと思うくらい小さい。

名前だけ名乗って、言葉が続かない。

何か言わなきゃと思うのに、頭の中が真っ白になる。


沈黙。


でもマツムラさんは気まずそうな顔をしなかった。


「よろしくお願いします」と軽く笑って、それだけだった。会話を広げようとも、無理に質問をしてくることもない。それが少し意外で、そして少しだけありがたかった。


 私はテーブルの上の自分の手を見る。

 指先が、ほんの少し震えている。


 明るい人は苦手だ。

 悪い人じゃないのは分かる。

 むしろ、きっと良い人なんだと思う。


 だからこそ、眩しい。

 同じ場所にいるのが申し訳ないような、

 そんな気持ちになる。


 でもここは、そういう人も、私みたいな人も、一緒に座っていていい場所なんだと、ショートケアに来るようになって少しずつ分かってきた。


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