おパンツ大作戦
僕は女体化男子。
訳あって2人のかわいい男の子と旅をしていて、紅一点のポジションを与えられている。
2人とも僕が男だということを知らず、僕に惚れている。
どちらにもいい顔して、二股ってことになるんだろうか。
でも、仕方ないんだ。3人が心を合わせて旅をするには、必要悪なんだ。
外は小雨が降っていた。こんな夜は切ないバラードが似合う。
確か大きな川が見下ろせるんだっけ。あたりを見渡し、そして、見つけた。
この大河はこの地域の経済基盤である農業をもたらした。産業基盤がない都市は発達しない。
メソポタミア文明、インダス文明、エジプト文明、黄河文明、古代の大きな文明の陰には川がある。
川を制したものが豊かさを制することができるのだ。
部屋に戻ろうとすると声がした。
「ここに居るとパンツ見れるぜ」
「そんなことしたら、彼女に嫌われちゃうよ!」
「真面目くんはこれだから」
二人の声だ。僕が地獄耳だってこと知らないんだな。
「きたぞ」
「だめだよやっぱり」
なるほど。階段の裏側に隠れてスカートの中を見る算段か。はあ。僕、男だから見られても恥ずかしくないんだよね、別に。
やっぱり、人間って大したスケールで生きていない生き物なのかもしれない。
僕の中でちょっといたずら心がわく。
この2人は仲が悪い。ところが、おパンツを見る大作戦を通じて親睦を深めようとしているようだ。
こで、2人を頭ごなしに叱っても仕方ないのではないか。むしろ、心を一つにするきっかけになれば。それは、旅の目的の達成のきっかけになるかもしれない。
わざと階段の中腹で立ち止まり、背筋を伸ばす。そして、少し足を開く。
「ふあああ。なんだか眠くなってきたなあ」
「み、見えた?」
「ばれちゃうよ! 声を出したらっ」
バレてるのになあ。何もわかっていない素振りで、わざと首をかしげてみる。
「うひい。かわいい」
かわいいのは君たちだよ。
そのまま、何も気づかなかったふりをしながら部屋にゆったりと戻ることにした。
ど、ど、どうしよう。後から急に恥ずかしくなってきた。わーん。僕は変態女だー。
男部屋のドアが少しだけ開いていた。あわてて閉じるの忘れているな?
少しだけ中に入ってみることにした。
すると男子2人は血走った眼差しで正座していた。ちょっとかわいいかも?
「どうしたの?」
「な、な、なんでもないんだ。ナァーッ!」
「う、うん」
わざとらしい。じゃあ、こっちもわざとらしいことするか。
「そう?」
不思議そうに再び首をかしげてみせる。なるべくにやにやしないように。
すると、2人はドキッとしたように顔を見合わせる。僕はそのことに気づかなかったふりをして部屋を出る。
「バレてないみたいだな?」
「よかったあ」
どうやら、男の友情が芽生えたようだ。
僕はとても悪いやつだ。男を2人、手玉に取って楽しんでいる。
※うさ耳王子といぬ王子がロックオン!本当は男の僕が二股悪女ムーブしないとみんなの命を救えないなんて 第28話 大河のほとりでおパンツ大作戦 より一部改変
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