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僕は男だ!なのに母性本能大爆発でプリンセスに変身するなんて!

僕は先月まで男だった。


だけど、訳あって女体化した。そして、今の僕は心が乙女になるとパワーアップする恥ずかしいスーパープリンセスである。


敵対する悪の組織は罠を仕掛けてきた。


彼氏の情けないエピソードトークを暴露し、僕を幻滅させることで変身を解除しようとしてきたのだ。


敵は、生成AIに彼が投稿した恋の悩みを読み上げた。


「僕には婚約者がいる。だけど、本当に愛している人は別にいるんだ。愛する彼女の本当の人格は男の子。だけど、そんなアンバランスな彼女のことが好きで好きでたまらない。彼女の髪を嗅ぎたい。彼女のパンツを見たい。どうすればこの欲望を処理できますか。……だってよ。くっくっく。エロすぎだろ。パンツだぜパンツ。クールな仮面を被った貴公子の正体がこれだ。面目丸潰れだな。ざまあねえぜ。どうだ? コバルトプリンセスさんよ。今の気分は」


「ち、違うんだ。俺は、君のこと!お願いだから嫌わないでくれ」


彼氏テヌートが必死で懇願する。この慌てぶりはどうやら、本当の内容らしい。


「ふははは!ばらしてやったぞ!これで乙女パワーアップ変身解除だな。この男に幻滅しただろう。ふっふっふつ」


彼のこと完璧超人だと思っていた。そんな彼が僕に情けなく泣きついている。普通、幻滅するはずだ。


なのに、何故だろう。胸騒ぎが止まらない。


僕の中で、大革命が起きようとしていた。彼のことが好きな理由がカッコいいから可愛いに変貌しつつあったのだ。


クールな彼が見せた油ぎった欲望。繊細そうに見えたのに実は単純だった男の顔。一瞬、驚いたが自分がそれを受け止められるかと考えたとき、彼にとって僕がそうなるくらいに可愛い女の子でいられることに自尊心がくすぐられた。


そして、男の欲望を受け止める自分自身が健気で可愛い花のような存在であるかのように心躍り、舞い上がってしまった。


ぼ、僕、そんな可憐な存在じゃないのに。でも、幸せが胸に集まる。いや。嬉しいけど少し消えたい。


「僕は可愛いんだぞ。えっへん」と「そんな大層な人間じゃないのに……」の間で心が揺れる。


言葉や態度の裏の裏の裏にある心の迷宮に僕の真実はあった。


指先が震え、心臓の鼓動が止まらない。


「テ、テヌートくん……」


「そんな目で見ないでくれ」


そういう自分は濡れた子犬のような瞳をこちらに向ける。そんな目で見ないで。


ぼ、ぼく、わたし。僕が私になっちゃう。身も心も女だって自覚しちゃう。あなただけの彼女になっちゃう。魂が体とシンクロしちゃう。僕は男なのに女として人生歩みたくなっちゃう。君のそばでたたずんでいたくなっちゃう。


あなたの日陰で苦労したくなっちゃう。普通の名も無きお嫁さん、お母さんになりたくなっちゃう。


男だった頃から、心の奥にひた隠しにしていた私だけの真実が、明るみに出ちゃう。君のまぶしい笑顔に導かれ、男社会の仮面の裏で、いつも泣いていた本当の自分がガラスの靴を心の形にぴったり合わせてひらひらのドレスを着て日陰から日向に出てきちゃう。 ソプラノボイスで乙女のときめきを歌い始めちゃう。


見ないで。恥ずかしい私を見ないで。


彼に下着は見られていないけど、下着以上に見られたくない乙女心の深層が明るみに出そう。どうしよう。


僕は男なのに。


見ないで。恥ずかしい私を見ないで。


「見ちゃいやあああああああ!やだああああああ!」


全身を光が包み込む。身体から制服がはじけ飛び、そして、中世のお姫様の衣装のような青いドレスが、表れ全身を包み込む。


「こ、これは、女体化男子が心の奥底から女に染まってしまったときに変身するスーパーコバルトプリンセス。ばかな!」


ご丁寧に敵が解説してくれる。しなくていいって!


やだー。彼の顔がまっすぐ見られない。母性本能くすぐられて変身しただなんて説明できないよ。


かっこいいに根差した恋は冷めることはあるが、かわいいに根差した恋は沼から簡単に抜け出せそうにない。


どうしよう。こんなのずるい。男に戻りたくなくなっちゃうじゃない。


わーん。僕は変態だー。男なのに、乙女心の沼に沈んじゃうなんて。


だけど、これは僕の真実だった。女体化する前からの本当の僕の心の在り方。僕は、男だった頃から、根っこが乙女だったのだ。


「と、と、とにかく、戦おう!」


どれだけどもるの! 動揺しすぎ! もう、可愛すぎでしょ。


「テヌートくん、後でおしおきだからねっ!」


「ごめんなさいいい」


ちょっとだけ、尻に弾いてしまった。胸がきゅんって締め付けられる。こんな関係性もちょっと楽しいかななんて。わあああん。こんなこと考える僕は恥ずかしい人間です。お母さんごめんなさい。


異世界サックス第59話 僕の可愛い大革命 より一部改変

https://ncode.syosetu.com/n3900jq/


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