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35 コスプレのランキング2

 俺は立ち上がって、女の子たちの方を振り返り、頭を下げる。

「ごめんなさいっ 今日のところはランキングを発表するのは止めさせてくださいっ 初日からランキング付けして、ギスギスした雰囲気になるのは嫌なんだっ」


「「「「「えー」」」」」

 女の子たちから不満の声が上がる。


「幸斗先輩の性癖がわかるのになぁ」

 藍の声。見抜かれている。


「うう……恥ずかしかったんやけど」

 麿莉奈は本当にがっかりする。


「頑張ってくれたから、ほんとごめん。でも俺の中でちゃんとランキングはあるから、努力は無駄になってないよ」


「そ、そうなんやー」


「うん……ありがとう」

 俺は女の子たちに感謝の気持ちでいっぱい。


「ふぅ 幸斗様は臆病者(チキン)ですね。空気を読んで角を立てないように振る舞う普通の日本人って感じ」

 氷室さんはため息をつく。


「幸斗はやさしい子ね。お姉ちゃんが最下位だって言わないでくれて」

 千紘姉さんはみんなに言い聞かせてくれる。


 コスプレランキングは概(おおむ)ね露出度に比例する。ワニの着ぐるみが低評価っていうのは、千紘姉さんもわかっているみたいだ。


「ノーコメントにさせて、千紘姉さん」

 俺は肯定も否定もしない。


 他の子がホッとしたような顔をする。最下位は千紘姉さんで、自分は最下位じゃないって思ったんだ。


 やさしいのは千紘姉さんだ。他の子に勝ちを譲っていたんだ。本気出してたら、無双してたのに。

 千紘姉さんも初日から勝者と敗者が出るのは良くないって思ったんだろう。千紘姉さんに助けられた。


「ではランキング状況は、後日にまとめて発表していただきましょう」

 氷室さんが許してくれて、俺は脱力。


 ヘナヘナとソファにもたれた。


「じゃあ、もうお寿司だな」

 桃香がじゅるりとしている。


「お腹空いたです」

 ニーナちゃんも。


「ふふ、ではコスプレ姿のままパーティーにしましょう」

 氷室さんが宣言。


「いぇーい」

 桃香が右手を突き上げる。


 ずっとブルマ履いてていいのかよ……?


「さ、あちらにパーティーの用意をしています。行きましょう」


「私は脱いでもいいかな。ワニの着ぐるみは暑くて」

 千紘姉さんが胸元のチャックを開けて、パタパタ手を振っている。


「ワニなら別にいいですよね」

 氷室さんが俺に確認を求めてくる。


「いいよいいよ」

 もちろん許可。ワニコスプレはもう十分。


「ウ、ウチは着替えても……?」

 ご令嬢の麿莉奈はバニーガールが恥ずかしすぎるよね。


「あら、そのままの方がいいんじゃないですか。桃香様、ニーナ様に負けちゃいますよ」

 氷室さんがチラチラ横目で見比べている。


「すでに負けている気がするのですが……せめてこのままでいます」

 麿莉奈は露出度で敗北したと悟っているみたい。でも没落令嬢ゆえに気を取り直して頑張ろうとする。


 俺は女の子たちに恥ずかしい思いをさせて申し訳なくなる。


「そうだっ 氷室さん、俺たちもコスプレしましょう」


「は!? わ、私がですか?」

「女の子たちがコスプレしてるのに、普通の服着てるのは変です。何かに着替えて下さいっ」


「アラサーのおばちゃんですよ。攻略ルートはありませんが……」

「わけのわかんないこと言ってないで、行きましょう」


 俺は氷室さんの手首をつかんでクローゼットに引っ張って行く。

 

「あたしたちは?」

「先に食べててよ、すぐ行くから」

本日もたくさんのブクマ、ご評価、いいね!、ご感想ありがとうございます。

大変励まされておりまして、明日も投稿を続けられます。

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