34 コスプレのランキング
ビキニの水着よりもブーツと肩パッドがある分、露出は少ないはずなんだけど、エロく見えてしまう。
いや、ロリっ子をエロい目で見ちゃいかん。でも俺には見る義務がある……
ニーナちゃんの銀髪ツインテール、真っ白な肌、黒い鎧が絶妙のコントラストをなしている。もはやエロを超越して、芸術の域。
息を飲んでしまうね。
コスプレコンテストに出たら、優勝しそう。世界的なコスプレイヤーになれちゃうと思うくらいだ。
桃香のブルマ姿がすごいインパクトだったから、桃香が一番だと思っていたけど……ニーナちゃんが俺の中で最優秀だ。
「これは美しいですね。ニーナ様はどうしてこの衣装を選んだのですか?」
氷室さんがインタビュー。
「わたしはアニメが好きなのです。ゆきとさんもアニメが好きだから、喜んでもらえると思いましたです」
ニーナちゃんは俺と仲良しぶりをアピール。ニーナちゃんが他の子にマウンティングする意図はないと思うけど、他の子は「むうっ」って悔しがりそうだ。
「はーい、ニーナ様、OKです。コスプレを楽しめる子は強いですね。幸斗様のツボにはまったんじゃないでしょうか」
氷室さんには俺が衝撃を受けたってお見通しのようだ。
ニーナちゃんがニコニコしながら、千紘姉さんの左に座る。
「5人のコスプレ披露が終わりました。では幸斗様にランキングを発表していただきましょう」
「ええっ!? 聞いてないよ、ランキングを言わないといけないなんて」
焦ってキョロキョロすると、コスプレした女の子たちが、じーっと俺を見ている。
「お嫁様バトルロワイヤルでは、随時、幸斗様にランキングを発表していただきますよ。順位が下の子は、頑張らなくっちゃって思いますからね」
氷室さんが言い聞かせて来る。
「そ、そんなぁ……俺が女の子をランキング付けするなんて。勘弁してください」
上位の子はうれしいのかもしれないが、下位の子は落ち込む。そんな残酷なことできません……
「幸斗様はやさしい人ですね。しかし、頑張った子が評価されないのも、かわいそうですよ。つらいかもしれませんが、ここはランキングを発表してください」
「うう……」
俺に喜んでもらおうと女の子たちはコスプレをしてくれたんだ。
捨身の努力を正当に評価しないのも良くないことだってのはわかる。
例えれば……
小学校の運動会の駆けっこで、ゴールする前に全員で手を繋ぐようなものだ。
勝者と敗者を平等に扱うのは偽善、欺瞞。
敗者はぬるま湯の学校で育って、いきなり厳しい社会に放り出される。
お嫁様バトルロワイヤルでもランキングを発表しなかったら、負けている子が状況を把握できない。自分は勝っていると思っていたら、最後に敗北を告げられて、愕然とすることになる。
ランキングを発表するのは厳しさじゃない、やさしさなのだ。
「さあ、発表して下さい。みんな良かったって、ごまかすのはやめて下さい。頑張った子に失礼ですからね。幸斗様の中ではあるんでしょ、どの子のコスプレが良かったって」
氷室さんは見透かしている。
「くっ……」
確かに……俺の中でランキング付けはある。
だが言いたくない。
コスプレのランキングを発表するなんて、俺の性癖をバラすのと同じじゃないか。
恥ずかしすぎる。
それに問題がもう一つある。
女の子たちに誤解を与えてしまうじゃないか。俺の性癖を知った女の子たちは、その傾向ばっかりやるようになるかもしれない。
育ち盛りの男の子は、好みが安定しない。日々、女の子に心を惑わされてばかり。自分自身何が好きなのかわからないのだよ。
同じ刺激ばかりになってしまうと、つまらないじゃないか。
ということで、ランキングは絶対に発表したくない。
しかし、理由を説明するのも大変だ。男の子の生態を女の子にわかってもらえる気がしない。どうしよう……




