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まぁ…こんな午後もいいんじゃねぇの?(ミリオン)

ミリオンは、仕事が入ると豪華な宿に泊まって、遊び歩いているが、お金が貧しくなってくると、第二魔国にある、ミリオン所有のアパートの一室に帰ってくる。


魔界自体地下にあって、このアパートは50階位の高さの建物が底から伸びていて、不気味な感じだ。


基本、整理整頓が苦手なミリオンなので、狭い部屋はガラクタだの、色々な物であふれかえっていた。


久しぶりに帰ってきて、扉を開け、転がっている薬缶や、鍋、変な形の骨とう品等を蹴飛ばしながら、窓際に行き、窓を開ける。窓を開けても、目の前に似たような建物がすぐ見えるだけで、景色も何もあったものではない。


背後から声をかけられた。


「汚い部屋だな…ここがお前の家か。」


ディオン皇太子だ。

黒髪を銀髪に染め、胸元を開けた黒の貴族服を着崩していた。

ミリオンはガラクタを端に寄せて、埋もれていた布団を発掘すると、

ディオン皇太子に向かって。


「とやかく文句を言うな。寝たいんだろ?ここでよければ少し寝ていくといい。」


「すまんな…」


布団にごろりと横になる。

ミリオンはディオン皇太子に向かって。


「セシリア様に知らせておかなくていいのかよ?皇太子が行方不明じゃまずいだろう?」


「ん…それじゃ知らせておいてくれるか?ちょっと、所用で明日戻るとな…」


「了解。それじゃちょっと行ってくるわ。」


魔法陣を展開し、マディニア王宮のディオン皇太子の部屋へ転移する。

部屋へ転移すれば、セシリアがソファに座って、青い顔をしていて。

ミリオンが現れれば立ち上がり。


「ミリオン。ディオン様を知らないかしら。昨夜から帰ってこないのよ。」


ミリオンはセシリアの問いに。


「ああ、俺の家にいるよ。ちょっと魔界に用があるから、明日帰るって伝えてくれってさ。」


セシリアは安心したように。


「無事でよかったわ。何かあったのかと…何もおっしゃっていなかったから。」


「まぁ色々と忙しい男だからな。それじゃ俺は家に帰るわ。」


「ディオン様をよろしくお願いします。」


再び転移して自分の部屋に戻ってくれば、ディオン皇太子は寝ているようで。


その寝顔を見ながら、ミリオンは…


こいつ何をやらかして来たんだ?まぁ…髪色を変えて、紋章も何かで隠して見えなくしてある…。俺の感からしたら、浮気だな。

あんな、優しいセシリア様をほっといて浮気とは…

しょうがない奴だな。


起きた時に腹が減っているだろう。

野菜とハムを挟んだサンドイッチとか、チキンとか飲み物の珈琲とか、ちょっとした物を買っておくことにした。


昼を過ぎた頃。といっても魔界は地下なので太陽の光が、地上と繋がった所でないと差す事がない。真っ暗で、灯りが頼りである。


ディオン皇太子が目を覚ました。


「悪い…すっかり寝ちまったな…」


ミリオンが、蓋つきのカップに珈琲が入った飲み物を渡せば、ディオン皇太子は起き上がって、蓋を開け、それを飲んでふうと息を吐き。


「有難う。腹に染みるな。」


「サンドイッチもあるぜ。とりあえず食って腹を満たせよ。」


「助かる。」


サンドイッチを食べているディオン皇太子にミリオンは。


「浮気しただろう?お前…」


「解るか?」


「そりゃ解る。あれだけセシリア様命だなんて言っていたくせに。」


「お前に責められるとは心外だな…。魔界のあちこちに恋人がいる男なんだろう?」


ミリオンは呆れたように。


「俺は独身だからな。お前は既婚だろ?まぁお前は側室を許されているから、浮気っていうのも微妙なところか?」


ディオン皇太子はきっぱりと。


「側室に子を産ませるつもりはない。俺はセシリア以外、愛していない。」


「矛盾しているじゃねぇの?だったら昨夜は何をしてきたんだ?」


ディオン皇太子は珈琲カップを手に持ちながら、視線はまっすぐミリオンを見つめ。


「男に足を開いてきた。軽蔑するか?」


ミリオンは驚いた。


こいつの父親の国王は男色の気があるらしいが、ディオンもその気があったのか。


「まぁ…いいんじゃね。お前も色々とストレスが溜まっていたんだろう。」


「優秀な男を捕えたかった。人間は隷属は使えないからな。脅しにしかならん。

後、堕ちたかった…。輝き続ける太陽っていうのは疲れるものだ。いつも全力で走っていなければならん。だが、今、俺が降りる訳にはいかないだろう?」


ミリオンは納得したように。


「ああ。優秀な男って…ルディーンか…。あいつ頭脳は優れているからな。

それから、お前には走り続けて貰わないと困る。でないと、後に続く者はどうすりゃいいんだ?迷っちまうだろう?」


「破天荒の勇者は、シンドイな…」


「なぁに。いくらでも周りを頼れよ。ま、俺は腕っぷし位しか役に立たないが。

優秀な人材はルディーンの他にもいるだろう?ローゼンとか。クロードとか。

ユリシーズだって、勇者だしな。」


「確かに、ローゼンは頭が切れるし、仕事も出来る男だ。将来の俺の片腕だな…。

ローゼンとお前、そしてルディーンを俺の腕にしたい。

後、クロードとユリシーズ。クロードが俺の力になってくれれば、グリザスもついてくる。

頼もしい事だ。」


「それならば、堕ちるなよ。太陽でいてくれ。お前が走るなら俺も一緒に走ってやるよ。」


ミリオンはディオン皇太子の肩をポンと叩く。


ディオン皇太子はニヤリを笑って。


「俺はいい友を持った。お前が一緒だと元気が出る。これからも、共に走ってくれ。」


ミリオンは思った。


俺の人生で一番ついていると思ったのは、ディオンに会った事だな。


こいつと一緒にいると、人生を突っ走る事が出来る。


まぁ、これから先、何があっても、ディオンがいる限り、突っ走ってやるさ。


だから、お前も迷わず走ってくれよ。ディオン。




ディオン皇太子は、のんびりと寝転がり、再び転寝をする。


そんな寝顔を見つめながら、魔界の午後はゆったりと過ぎていくのだった。


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