表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/450

第一〇三話『第四試合』


「やっほ♪ 雪菜。今朝ぶり♪ つーかさ、あたしの相手って雪菜だったんだねぇ?」

「……お前という奴は。あらかじめ対戦表が発表されていたろうが!」

 ヘラヘラ笑う楓に雪菜がイラついたように言い放った。

 しかし楓は気にした風でも無く口を開いた。

「いやぁ、ほら、あたしってば強いからさ。誰が相手でも同じっしょ? だから見る必要ないかなって思ってさ♪」

 あっけらかんと言い放つ楓に、雪菜が歯ぎしりをした。

 そんな彼女の姿は、黒いレオタードのようなボディスーツの上に、黒い胸当て。手足は黒い具足に覆われ、両肩にはすだれのような楯。そして腰回りを金属プレートを繋げたミニスカートのようなアーマーを装備し、手には穂先が十字になった槍。

 長い黒髪を高い位置で縛ってポニーテールにしたその姿は、若武者のような凛々しさを感じさせた。

 一方で、彼女と対峙する楓は、ピンク色でレオタードのようなボディスーツ姿。腰回りにはスラスター付きのアーマー。足下をショートブーツで彩り、手首には赤いリング。

 その両手には刃の無い柄だけの剣。鍔と一体化したハンドガード。その鍔元にはトリガーのようなものがあり、そこへ指をかけていた。

 そして、肩に掛からない程度に切られたその髪は赤く、鳥の巣のような天然パーマになっている。

 ひばりと同等の小さな体躯でステージに立つ楓。その顔は、自信たっぷりに笑みを浮かべていた。

 そんな彼女を雪菜がにらみ付けた。

「……相変わらずの傲岸不遜ぶりだな? その性根、今日こそ叩き直してやる!」

 そう言って、半身になって槍を構えた。

 楓はそんな雪菜の様子を見てきょとんとなった。

「叩き直す? 雪菜が? あたしを? それって何の冗談?」

 困惑したような顔で雪菜を見る楓。しかし、雪菜は一分たりとも視線を動かさない。

「……本気だ」

 つぶやくような声に、楓が半眼になる。

「……雪菜さぁ、今まであたしに勝ったこと無いじゃん? どうせあたしが勝つよ?」

「いいや、今日はわたしが勝つ。勝ってみせる」

 呆れたように言う楓に、雪菜はきっぱりと言い放った。

 その勢いを受け、楓は小さく息を吐いた。

「……OKOK。ま、せいぜいガンバんなよ? 結果は変わんないけどさ」

「……その己に対する過信が命取りになると知れ」

 ユルい表情の楓とキツい表情の雪菜。ふたりが互いを見る。

 そこでレオンハルトが準備を終えて手を挙げた。

『お待たせしました。それではこれよりクラス対抗戦プレマッチ第四試合を開始します!』

 宣言を受けて、楓と雪菜の頭上にライフバーが現れた。

『第四試合。始めっ!!』

 その声と同時に、ステージ上の二人が動いた。

 素早く踏み込んだ雪菜が、黒い疾風のごとく槍を突き込んだ。それを楓は最小限、体を半歩ズラして避ける。

 雪菜は十文字の槍を引き戻しながら軽く手首を返した。すると、十字になっている穂先の刃の位置が変わり、背後から楓の首筋を襲う。が、楓はそれを見ているかのようにひょいっと体を沈めて避けた。さらに突き出される剛速の槍はしかし、楓に触れることすら無い。

 十文字の穂先ので刈るように突いても、楓は意にも介さず避け続ける。

「ほーら、がんばれがんばれ♪」

「……くっ!」

 笑いながら応援してくる楓に、雪菜はこみ上げるものを噛みしめた。そして、引いた槍を大きく薙ぎ払うようにして攻撃した。それを楓は大きく飛び退いて避ける。そこへ頭上から落ちてくるものがあった。

 横に払った勢いのままに頭上へと持ち上げられた雪菜の槍が横に突き出た刃を下に、楓の頭上から襲ってきたのだ。

 それを楓はギリギリで避け、体をロールさせながら後退する。

 それを追うように雪菜が一歩踏み出した。それはそのまま十文字槍を引いたような姿勢になる。それに対して楓の表情が初めて固まり、雪菜の神速の突きが彼女めがけて繰り出された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ