↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/10

枯れる井戸は枯れないうちにくれてやれ

社内には他の社員たちと鉄子社長、そして彼女の娘がいた。娘は孤児院から引き取った子である。


社長はキャバレーや警備業から稼いだお金を孤児院に注いでいた。

「未来を育てれば、私たちの未来も開ける。」

これが信条の鉄子。全てを失った末に行き着いた考えだ。


社員たちが専務を見る。鉄子社長は

「専務、その顔は何か分かったみたいね。」

「テッペキ警備保障を辞める。その次は何?」


専務は買ってきた雜誌を後ろからめくり、

「どの雜誌も商品を読者に直接売っています。」

「社長、これからはテレビで売るのでは?」

鉄子社長は少し首をふる。

「そうね、売り物は何かしら?」


専務は「指輪ですかね?」睨まれながら言う。

「アホか!そんな偽物まがいの指輪」

「私たちが落ちぶれてからにするわ!」


「キャバレーも赤坂を真似た偽物、警備も警察官の偽物。」

「偽物の人生から本物の人生に変わるの。」


鉄子は社長の鎧を外して落ち着いた顔をして社員たちに告げた。

「けっこうなお金を生み出している2業種。」

「キャバレーに残りたい社員」

「警備を続けたい社員は」

「迷わず残りなさい。売却先はもう決まっています。」


さらにビックリしたのは、

「私と専務は今すぐ出ていきます。即答出来ないなら残れ。」


社内の若い子が数人と専務が、社長についていった。数十人は残った。キャバレーは1973年、健康お色気なウェイターが目立つ「ヒーターズ」となり、オイルショックと共に消えた。時代が早すぎたのだ。テッペキ警備は大手ニコムの傘下となり「再教育されて」可もなく不可もない商売を続けた。


つまり鉄子と専務たちは売却して大金を得て、

逃げ切ったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。