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転生したので狂信します  作者: 枝無つづく
四章:見境なき『差別者』たち

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第107話 生まれたままの姿を見たい

side 狂信者


 修行開始から五週間が経ちました。

 ほぼ疲れ果てるまで鍛えて眠るだけの日々でしたが、肉体が日に日に強くなっていく実感の得られる有意義な時間でした。


 まだお師匠様やリザさんには全く届きませんが、修行前から比べれば、私の身体能力はかなり上昇したでしょう。


 具体的に言うと、試しに手頃な大きさの小石を丸太に向かって思いっきり投げてみたら、小石が深々とめり込んでしまったくらいです。

 もちろん丸太は腐った柔らかいものではなく、まだ新鮮で下手な石材より丈夫なもの。しかし石は表面で弾かれるのではなく、引っ張り出すのに穴に指を突っ込む必要があるくらいに深くめり込んでいました。


 地球基準で言えば人間をやめていると言われるような状態ですかね。

 投擲で火縄銃並みの威力が出ているわけですし。

 筋力が上がっただけで投擲の技術を磨いたわけではないので、現状では命中精度も火縄銃並みですが。


 修行漬けとは言え、たった一ヶ月と少しでこの成長。

 【常時再生】による超回復の加速があるとはいえ、それでも驚くべきものです。


 まあ、私の場合はゼットさんに頼んで古い血液を排出し、より効率よく酸素や栄養を運べる新しい血液の割合を効率的に増やしたりと少しだけズルもしていますがね。

 伊達にコフっ(吐血し)ていたわけではありません。


 それに、リザさんからは筋力や体組織の変化だけでなく『呼吸法』にもご指導をいただきました。


 テーレさんからご教示いただいた『魔力を回復しやすい呼吸』は、危険のない場合に心掛けるべきいわゆる『回復に専念するための呼吸』でしたが、リザさんからは自然と共に生きる中で動物から得られる野生の知恵としての状況に対応しやすい呼吸法を教えてもらいました。


 小動物が息をひそめながら身を隠すときの『敢えて回復しないための呼吸』。

 警戒心の強い動物が奇襲に備える『すぐに動くための呼吸』。

 捕食者が潜伏状態から一気に奇襲をかけるために行う『一瞬で全力を出すための呼吸』。


 そして、絶体絶命の状況でリミッターを外して自壊覚悟で暴れるための『余力を出し切るための呼吸』など、戦闘中に使うための呼吸を入念に教えていただきました。


 『呼吸』が魔力の回復に必要なものであると同時に、魔法の発動時にも重要な要素だというのを改めて体感しましたね。

 やはり、『力』の真理を理解するためには武の心得があると大いに早道になるということです。


 暇があれば『呼吸と魔力』の観点からの『魔法』についての研究もしてみたいのですが……というのは余談ですかね。


 それはさておき、成長したといっても、それは単に身体能力や瞬発力、持久力を効率的に発揮できるようになっただけ。

 獣を相手にした狩りの手伝い(リザさんのお手本を参考に魔猪さんの突進を受け止めたり、魔熊さんの攻撃を避け続けて疲れさせたり、失敗して治癒魔法をかけてもらったり)もしましたが、反射神経や注意力の訓練になっても駆け引きの練習にはなりません。


 モンスター相手ならこれでいいのですが、技術で攻めてくる人間には相手にはどうしても力圧しになってしまうでしょう。

 今の私に足りないもの、それはこの強化された身体能力を活かす戦闘技術です。


 と、そんなことを考えていたところで……


「いいか、馬鹿弟子二号。中間試験だ、ぬしには儂が用意した木偶人形の相手をしてもらう。自動操縦で動くようにしてあるが……多少力が強くなったからといって、油断をすれば大怪我をするぞ」


 お師匠様からの中間試験。

 木偶人形というのは、いわば木製のゴーレムのような物でしょう。肉体派として認識してたお師匠様がそういったものを作れるというのは少々驚きですが、いい機会です。

 自分の今の力、それがどれほどの『強さ』として使えるものなのかを知ることができるというのはよいことでしょう。


「了解しました。試験は今すぐにですか?」


「いや、大岩前の空き地に用意してあるが、それなりに強くしてある。一度休養を取って万全の状態で挑むがいい」


「では昼食を摂って軽く身体を休めてから挑戦させていただきます。リザさんも今日の料理は張り切ると言っていましたし」


 最近はリザさんが料理に凝っているので味の感想を任されています。最初はお師匠様も味見に協力してくださったのですが……


「そ、そうか。わかっているとは思うが、戦闘前に食い過ぎるなよ」


 今はこんな感じです。

 いえ、味は問題ないのですがね。







「おかえりキョウくん! 今日は大葉焼きとステーキとハンバーグとロコモコ作ってみたよ!」


「リザさん、ありがたいのですが次からはもう少し彩りを加えてくださると助かります。その分、各料理の量は減らして構いませんので」


 料理の匂いのする洞窟に帰って満面の笑みで出迎えられると、相変わらず妙な気分になりますね。


 これは、ある種の『おままごと』という遊びに近い修行、リザさんがより高い精度で人間に化けるための練習の一環です。


 リザさんとの対策会議で出た案の一つなのですが、姿形だけでなく振る舞いも人間に似せることで人間社会に隠れ住んだ時の住処を追われる危険を低減するというもの。そのために始めたのが、私と一緒に人間らしく生活してみる『おままごと』です。

 ……それがいつの間にか、シチュエーションが特殊な方向へ絞られてきている気もするのですが。


 いつの間にか『弟弟子くん』から『キョウくん』に呼び方が変わりましたし。


 あと、まだ薄着ではありますが、日常的に衣服(毛皮)を着てくれるようになりました。

 お師匠様が何度言ってもすぐ脱いでしまっていたそうですが、今では『恥じらうふり』も上手くなったのか、以前水浴び中に裸体を見てしまった時には素早く石を投げつつ顔を赤らめるという真に迫った演技に驚かされました。演技にしてはやり過ぎな威力で死ぬかと思いましたが。


 なんにしろ、好きこそものの上手なれ、リザさんがこのようなシチュエーションの方がモチベーションを保てるというのならそれが一番でしょう。

 恒例になっている世間話のような調子での修行の報告、そしてお師匠様からの指示を話すと、リザさんの表情がやや硬くなり、私への心配を示すものになります。


「へー、師匠の作った木偶人形が相手か……。今のキョウくんの実力なら負けることはないと思うけど、油断しちゃダメだからね? 私の時は二回くらいボコボコにされたから」


 そう言って自分の分のハンバーグを小枝から作った箸を使って慣れた動作でつまむリザさん。

 以前までは基本的に串焼きか手掴みだったのですが、私が使っているのを真似て上手に物をつまめるようになりました。最初の方は力の加減ができず何度も折ってしまい涙目になっていましたが、かなりの成長ぶりです。


 箸に限らずリザさんは力加減が少し苦手でしたしね。

 組み手での戦闘訓練が今までできなかったのも、まだリザさんと私の間には大きな力の差があって危ないというのが主な原因です。お師匠様もおそらくは似たような理由からか手合わせの話はありません。


「あれで師匠の作れる中で『一番弱い人形』なんだから、師匠ってすごいよねー」


 というより、私はここまで鍛えてようやく安全に戦闘の訓練が始められるという段階みたいですね。

 柔道で言えばようやく受け身以外の練習が始まるというところですか。


 まだまだ私は一合目を踏み出したばかり、時間が限られているので進める道程は限られていますが、可能な限り前進したいものです。


「リザさんもすごいですよ。私は少しだけアイデアを提示しましたが、リザさんはどんどん新しいことができるようになっていますし」


「えへへ、そんなことないよー」


「ご謙遜を。私もリザさんを見習って精進しているところなのですから」


 お世辞ではなく、実際にリザさんはあの対策会議から色々と良い方向に変化していると思いますし。

 この調子ならば、最終奥義習得に協力するという最初の約束も問題なさそうですね。

 少なくとも、今のリザさんの方が精神的に充足している。お師匠様がリザさんの無意識弱点を心配して奥義を秘しているのなら、確実に習得には近付いているでしょう。


 それに、リザさんの『新技』は当初の想定を超えて生まれた私にもできないもの。

 紛れもなく彼女自身の、誰にも奪えない彼女だけの力です。


 まあ、私も対抗して自分専用の『新技』を作ってしまいましたが。

 しかも、またテーレさんにお話ししたら呆れられそうな癖の強いものばかりです。もはや私の専用技というより他の誰かが使えても好んで使わないような技かもしれません。


 いやはや、本来は基本的な魔法技術を磨くべきなのでしょうが、魔法は奥が深い。

 つい『これができるのならこういった魔法は実現可能なのか』と気になって確かめたくなってしまうのですよねえ。


 まあ、リジェネ道の修行と今後のための魔法修得は分けて考えていますが。

 当然ですが木偶人形にも、こうして鍛え上げた自分自身の身体能力と回復力で挑む所存です。

 相手もさすがに自動操縦で動くこと以外に魔法は使ってこないでしょうし、こちらだけが魔法を使うのはフェアではありません。

 楽をするために魔法を使っては修行になりませんし。


「これを食べて少し休んだら木偶人形の配置された空き地へと向かう予定です。ところで、今日の食事は前よりは少し減りましたがまだ量が多過ぎますね……食べ過ぎては動けなくなるので、終わってからのために料理を残しておいていただいても?」


「ふふ、キョウくんの何だかんだ言って私の作ったの残さず食べてくれるとこ好き」


「私のために狩ってきてくださったのでしょう。ならば、食べないのはリザさんだけでなく命をくださった森の皆さんにも失礼というもの……ですが、できればより美味しく感じられた方が好ましい。なので、あまり張り切ってたくさん作りすぎないでくださいね。腐らせては味が落ちてしまうので」


「はーい。まあ、私も見回りついでだからってちょっと獲りすぎたかな。今度からは気を付けまーすっと」


「見回り……流入してきたモンスターの調査でしたね。リザさんの強さなら問題ないとは思いますが、くれぐれもお気を付けて」


「うん、師匠からも『ぬしが勝てる相手とは限らん』って言われてるしね。無理はしない、生き延びれば勝ちだからね」


 思えば、出会ったばかりの頃のリザさんならば『手柄を立てて師匠に自分を認めさせよう』と勝てない相手にも挑んでいたかもしれませんね。今のリザさんにはその心配はなさそうですが。

 そういうことが想像できる程度には、親密になったと言えるのかもしませんねえ。同じ屋根の下、寝食を共にしているわけですし。


 ……そろそろ、段階を踏む時期ですかね。


「リザさん、今日の試験のことで一つ、提案があるのですが」


「提案?」


「はい、成功したときの報酬というか……私たちも姉弟子と弟弟子、同門として友好度を上げてきたつもりです。なので、ここを一つの節目に先に進むべきかと」


「ふ、節目に、先に進むって何を……え、いやでも、キョウくんにはテーレさんって大事な人が……」


「確かにテーレさんを除け者にして勝手なことをしてしまっているのはわかっていますが、こればかりは連絡の取れない現状では仕方のないこと。何よりリザさんと私の問題です、テーレさんの許可は必要ありません。むしろ、二人きりだからこそ都合がいいでしょう」


「許可は必要ない、二人きりで都合がいいって、キョウくん、どこまで……」


「はい、前は半端だったので、今度はしっかりと直視し、その上で示したいのです。証明したいのです。私のような人間がいることを」


「…………キョウくん。試験が上手くできたとき、私に何をしてほしいの?」


 改めて言葉にするのは、少々気恥ずかしいところがありまね。

 しかし、こればかりはいつかのために必要になること。そして同時に信頼関係を築けた今だからこそできることです。

 ならば、私が恥ずかしがってどうなりますか。


「もちろん、リザさんの生まれたままの姿……人間に化けていない、リザさんの種の持つ本来の姿を、今度は逃げ隠れせずに堂々と見せていただきたいのです。そして、私はその上で……あなたの容貌を必ずや肯定しましょう。その姿は決して、恥ずべきものではないと」







side リザ


 少し誤解しかけた部分もあるけど、それ以上に驚きというか、不意打ちだった。


 『自分が試験を上手くクリアできたら、変身したものではない私の本当の姿をよく見せてほしい』……それが、彼の興味や欲求からの願いではないことはわかっている。

 私が、人間に正体を見られることに対して抱いている不安を克服するため。そこに自分自身の頑張りへの報酬を絡めることで、私が怖じ気づきにくくしてくれている。


 彼の提示した交換条件なら……つまり『約束』なら、私は抵抗感はあっても、きっと正体を見せることができる。

 約束事に対してあまりにも誠実な彼の姿勢は、こちらがその約束を破ることに強い抵抗を感じさせるから。あるいは、それが『契約』という属性の魔法に適性を持つという彼自身の性質なのかもしれない。


 一方的な要求なら、私はきっと理由を付けて逃げてしまう。

 けれど、彼の努力の結果、彼へのご褒美としての要求にされてしまえば、私は逃げることができない。


 彼に利益はない。

 単に、私に正体を見せることに慣れてもらいたいだけ。あるいは、それが彼との最初の約束である奥義の習得……その障害になっているかもしれない私自身の弱さの克服に繋がるかもしれないからというだけだ。


 呆れるほどの自己犠牲、過剰なほどの善意。

 そして……私の知らなかった、人間の持つ『愛』という行動原理。(つがい)として私を求めているわけでもなく、私の境遇を憐れんでいるわけでもなく、まるで全てを愛さなければいけないという使命感に突き動かされているかのような、おそらくは人間の中でも珍しい形での愛。


 きっと、彼は私の正体が人間だったとしても、同じように私の抱える問題を解決しようとするのだろう。

 自分を襲った山賊すらも決して見殺しにしなかったように、好き嫌いせずに勝手に助けようとするのだろう。


 彼はきっと、どんなに強くなっても変わらないのだろう。

 自分の中の恐怖と後悔を握り潰すために力を求めた私と違って、彼はとっくにそれらを呑み込んでしまっている。


 少なくとも、彼が手に入れた力を他人を踏みつけて見下すために使うことはないだろう。

 言葉の上では『故郷を取り戻したい』なんて言っていながら、心の底では襲われた報復であの人里の人間たちを跪かせてやりたいと願っていた、少し前の私と違って。

 もしかしたら、彼の方が私より先に最終奥義を……


「リザ、集中が乱れておるぞ。もっとよく目を凝らせ」


「あ、はい!」


 師匠に声をかけられ、意識を目の前の現実に戻す。

 今、私は師匠と一緒に山の山頂近くにある高台から周囲の森を見渡している。といっても、師匠は目を閉じているけど。


「どうにもおかしな気配だ。十分にこの山に近付いている……ともすれば、もう既に侵入しているはずだが、姿が見えん。隠れるのが上手い部類の魔王らしいが……数日前に遠くから感じ取った気配では、それなりの力を感じた。これだけ近付きながら、森が騒がんか……」


「師匠、私の見回りの時もそれらしき生き物はいなかったよ。動物たちはピリピリしててすぐ襲ってきたけど……まるで、彼らにも敵が近くに迫ってるのに、どこにいるかわからなくて怖がってるみたいだった。単純に身体が小さいだけなら、みんなそんなにピリピリしない気がする。むしろ……森全体が警戒してる、東も北も南も、街のある西側は少し弱いけど、森全体から気配がする。これは……」


 動物の中には勘の鋭いのと鈍いのがいる。

 勘の鋭いのだけなら、まだ遠くにいても魔王の気配を感じ取ることは普通にあると思う。


 けど、見回りの時には勘が鈍いはずの動物まで周りを警戒してた。

 私も、位置はわからないけど何かの気配を感じてはいる。どこにいても感じる、どこからか送られてくる獰猛な視線のような、あるいは視線以外の何かを介した意思を。


 誰でも気配を感じ取れるくらい強力なのに、どこにいるかがわからない。こうして上から見下ろしても、森に異常が見られない。


 不気味だ。

 キョウくんにはああ言ったけど、本当に対面したなら逃げられるかもわからない。どこにいるかすらもわからないんだから。

 今こうやって意識を研ぎ澄ませているここが本当に安全な場所かどうかも、確信が持てない。


「……師匠、キョウくんに早めに戦闘訓練を始めさせようとしてるのは、身を守ってもらうため?」


「…………」


「師匠、本当なら彼が自分から望まなかったら戦闘訓練なんてやらないつもりだったでしょ。私の時もそうだった……リジェネ道は戦うために修める道じゃないって。なのに、今回は中間試験なんて言っていきなり……この『魔王』が動き出したら、彼を守る余裕はないかもしれないから。師匠は強いけど、どこから来るかわからない相手だと間に合わないかもしれないもんね」


 師匠は強い。

 私は師匠より強い生き物は見たことがないし、師匠は自分で戦うだけでなくて木偶人形を使って集団の相手をすることもできる。


 けれど、木偶人形は師匠本人ほどは強くないし、木偶人形を作るのはすぐにはできない。キョウくんの相手の人形だって、本来はこういうときのために師匠が作っておいたストックの一つだ。

 師匠はいざとなったら、私やキョウくんという個人じゃなくて『山』そのものを守る存在。私たちは、自らの手で自分を守らなければいけない。


 あるいは……


「キョウくんにはもう、山を下りてもらった方がいいのかもしれない」


「……最終奥義、諦めるのか?」


「はは、そういう約束だもんね……師匠が教えてくれないなら、仕方ないかな。それより……彼には生きてほしい。私は長くお世話になったこの山を守るために戦うけど、彼にはそこまでの義理はないしね」


 私が奥義を諦めなければ、彼は時間いっぱいまで私に協力してくれる。それが彼との約束だ。

 けれど、私はもう……未練はあるけど、前ほどには力に飢えていない。


「最終奥義か……馬鹿弟子一号、あれはな。そんなに……うむ!?」


「どうしたの……!?」

 


 森の中の気配が変わった。

 それも森全体で、一瞬にして豹変した。


「動き出したか! これは、分体か……マズい、地脈を探しておるな! 地下深くからあたりをつけておったか……すぐに処理しなければ山の力を奪われるぞ! 急げ!」


「は、はい!」


 立ち上がり、破壊の始まった場所への対処を始める。

 殴る蹴るしかできない私が森の各所で同時に起こり始めた変化に対処するためには、私自身が走って一つ一つを潰していくしかない。


 そんな中……私には、彼のいるはずの空き地の周辺が、妙に静かなことに対して僅かな違和感を覚えたけれど、眼下で行われている破壊を無視してそちらに向かうことはできなかった。


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