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魔法国アルカディア (3)

この世界はオレのいた世界とは違って、東に行くほど暑くなり、西に行くほど寒くなる。


魔法国アルカディアは、西の方にある国なのでかなり寒いのだ


そして今回特殊ダンジョンが出現した場所は魔法国アルカディアよりも更に西にあるらしい


ただ、最初の待ち合わせが東門だったのは、最近、特殊ダンジョンへの道のりに必要なところに落石事故があったらしく、遠回りしていかなきゃいけなくて、その為、東門集合となったのだ


なので最初は暖かったが、特殊ダンジョンに近づくにつれてどんどん寒くなりーー


「くそ!手がかじかむ!!」


凍えるほど猛吹雪の雪山の中、オレは剣を構えながら叫ぶ


「ユウキ殿、そんな事を言ってる暇はないぞ!……来るぞ!」


ヨハンがそう言うと、上空から何者かが襲いかかる


スノーマン


日本では雪男と呼ばれる、全身を雪のように白い毛で包んだ獣達のこと


「ユウキ殿、僕と2人で片方のスノーマンを倒します!シャルコット達は右のスノーマンを頼みます!」


「「「了解!!!」」」


ヨハンの掛け声と同時にオレ達は走り出す。


ヨハンは右から、オレは左から1匹のスノーマンを挟み撃ちにする


「《ホーリーセイバー》!!」


オレがスキルを唱えると、剣が光を纏い出す


「ユウキ殿、行きます!」


「おう!」


ヨハンの掛け声と同時に一気に斬りかかる


「《フレイムスラッシュ》!!」


「《ホーリースラッシュ》!!」


炎と光の斬撃がスノーマンを襲う


「ガァァァァァ!!」


両方の斬撃を受けたスノーマンは断末魔を上げ、その場に倒れる


「よっしゃ!」


「流石です、ユウキ殿!」


オレとヨハンはパン!とハイタッチをする


さてと、シャルコット達はどうなったかな?


見ると、ルティアが何やら呪文を唱えている


そして呪文を唱え終えると


「ーー吹き飛ばせ、《ウイングブラスト》!!」


巨大な竜巻がスノーマンを襲う


おぉ、アレはディーバの得意技じゃないか!


アレって、ディーバ曰く『かなりの上級魔法で、コレを使えたら一人前の魔法使い』とか言ってたが、それを使えるルティアって、結構凄腕の魔法使いなのか?


「ガァァァァァ!!」


竜巻は、本体に当たる直前で曲がり、スノーマンの右腕に直撃する


スノーマンの腕には当たるが、本体に直撃してないので、大したダメージにならず、スノーマンは再び襲いかかる


「《ウォーターブレイド》」


エルヴィスの杖から水の刀が出現し、スノーマンを攻撃する


「グォォォォォォオォォ!!」


スノーマンはそれを器用に避け、ルティア達に攻撃してくる


「それはさせない…。《ブリンク》」


《ヒーラー》の基本魔法、《ブリンク》をオルソラは発動する


《ブリンク》は、ある程度の物理攻撃を防ぐ魔法だ


「グッ……オォォォォオ!!」


透明な壁に阻まれるが、スノーマンは攻撃を止めず、無理やり押し通ろうとする


「残念ですが、そこまでです!《ファイアーボール》!!」


シャルコットが唱えると、巨大な火の玉がスノーマンを襲う


スノーマンはそれを避ける事が出来ず、直撃し


「グォォォォォォオォォ……」


巨大な火の玉に飲み込まれ、断末魔を上げてその場に倒れる


「向こうも何とかなったみたいだね?」


隣にいるヨハンが笑いかけてくる


「あぁ、そうだな」


オレはヨハンに一言言って、みんなと合流する




「しっかしやるわね、ユウキは…。とても《ビーストテイマー》には見えないわよ」


オレ達は山のある地点で、洞窟があったので、今日はここで休む事にして、夕食を食べていた


「そんな事ないよシャルコット。オレができるのは基本スキルだけだ。他は本職の人に負けるよ」


まぁ実際、ヨハンの《スラッシュ》の方が、属性が違ったとはいえ、スノーマンに効いてたし


「いや、君の実力はそこじゃないだろ?」


オレはシャルコットに否定すると、ヨハンが言ってくる


「君の真の力は、誰にも追いつけない素早さじゃないか。正直アレはすごいと思ったよ。ね?ルティア」


「そ、そうね。庶民の分際にしては、いいセンスしてると思うわよ?」


ヨハンに指名されたルティアは頬を赤らめながら答える


「あらルティア、あなたこの間まで、『ユウキは凄いのよ?とっても速くて誰にも追いつけないんだから!』ってべた褒めしてたじゃない」


「ふぁあああ!!そんな事言うわけないでしょ!……そこの愚民もニヤニヤすんな!」


「痛っ!」


シャルコットにイジられたルティアは怒ってオレを攻撃してきた


今の、オレ悪くなくね?


「ユウキ君、もし良かったら君の剣を見せてもらっていいかな?」


「おう良いぜエルヴィス。ほらよ」


エルヴィスに頼まれ、オレは腰に付けてる剣を渡す


「おぉ、コレが…」


エルヴィスは、『ダークマナタイトストーン』で出来た黒い剣をまじまじと見る


「コレ、全てダークマナタイトで出来てるのかい?」


「おぉそうらしいぜ?」


店長がそう言ってたからな


「ふむ、しかしこれでは斬れ味が……いや、極限まで薄くすれば斬れぬ事も…」


エルヴィスは剣を見つめ、ぶつぶつと呟いている


「エルヴィスはああ見えて、武器好きなんだ。」


と隣にいるヨハンがエルヴィスの説明をしてくる


何というか、決闘場でのコイツらしか知らなかったから、オレの中での印象は悪かったが、こうして関わってみると、結構普通のやつらなんだな


「ーーさて、今日は疲れたし、もう寝るとしよう」


「「「おーー…」」」


ヨハンが言うと、みんなは寝るための準備をしだす


オレも準備をしていると


「ねぇ、本当に明日でお別れなの?」


ルティアがオレに声をかけてくる


「まぁこのまま順調に進めば、明日でダンジョンに到着するし、お別れだな」


「……本当に1人で大丈夫?私だけでも一緒について行こうか?」


何だ?コイツにしては珍しく素直というか、ツンデレのデレが発動してるな


って言っても、オレの作戦は1人だからこそできるわけで、人数が増えれば増えるほどやりにくいわけだし……


「……そんな心配すんな。まぁいざとなったら《サモン》でディーバを呼び出せば良いだけだし。」


オレがそう言うと、ルティアは顔を赤くし


「ば、ばっか!誰があんたの事なんか心配するか!今のはその………もう知らない!」


と言ってルティアは喋らなくなり、簡易布団に入る


お前、ずっと照れてれば良いのに


そしたら付き合ってあげても良いよ?


まぁ本人には絶対言わないけど


オレも簡易布団の準備が出来たので、その中に入る


はぁーあったけー


外は吹雪だし寒いんだよね


明日はいよいよダンジョンに潜入か


まぁ慎重に対処すれば何とかなる…だ…ろ…


今日の旅の疲れやずっと寒い中にいて体力を奪われ続けたせいもあって、オレは布団に入るとすぐに眠ってしまった






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