魔法国アルカディア (2)
「え?今、何て言ったの?」
目の前の少女、ルティアはオレに尋ねてくる
「だから、オレと友達になってくれって言ってんだよ。……恥ずかしいから何回も言わせるな」
オレがそう言うと、ルティアは俯いて固まってしまう
ってか、コイツの性格からしたら
『はぁ?何であんたと友達にならなきゃいけないのよ!死ねッ!』
とか言ってきそうだな
オレがそんな事を考えてると、ルティアは恥ずかしそうに顔を赤くし
「よ、よろしく…」
と言って、手を出してきた
あれ?怒らないのか?ってかこの手は何?
オレが固まってるとルティアが
「あ、あんた!私が握手を求めてやってるんだから、早くしなさいよね!」
更に顔を真っ赤にして怒ってくる
あぁ、これ握手のつもりだったのか
いやオレもね、手が開いてたら握手だってわかったんだけど、こいつは手をグーにして出してきたからマジでわからなかった。
ま、それでもコイツなりに頑張ったんだろ…
「あぁよろしくな、ルティア」
オレもルティアに手を出し握手をする
こうして、オレとルティアは友達になった
「どうしてこうなった。」
オレは体を前かがみにダラーッと倒しながら呟いた
「何よ!文句あるの!?」
隣で歩いているルティアが怒ってくる
オレとルティアは魔法国アルカディアを観光していた
まぁ、それくらいなら別に良い
「ね、ねぇルティアさん。ちょっとくらい、荷物持ってくれても良くないか?」
「はぁ?何で私が荷物を持たなきゃならないのよ!あんたが持ちなさいよ!男でしょ!?」
「テメェの荷物を何でオレが持たなきゃならないんだ!」
そう、オレはルティアがアルカディアで買った物を全て持っているのだ
この際、男だしある程度の荷物は持つよ!けどコイツは目に付く物を買い、それをオレに持たせるの繰り返し!
「オレは後、どんだけ持てば良いんだよ!?あと何袋ですか!腕が死にます!!」
オレがルティアに文句を言うと、ルティアは少し思案し
「そうねぇ…あとこの街をもう一周したら、もういいわよ?」
「殺す気かーーッ!!!」
オレはその場で荷物を投げ出した
「それで僕が呼ばれたわけか」
目の前のヨハンがやれやれと言いながら言ってくる
オレ達は、近くの喫茶店みたいなところで少し休憩をとっていた
「聞いてよヨハン!この男は女性に荷物を持たせようとしてくるのよ!?」
「いやいや!!オレの話を聞いたらどっちが悪いか分かるよな!?」
オレがヨハンに尋ねるとヨハンは
「うん、ルティアが悪いねコレは」
あはは、と困り顔で答える
「なんでぇ!?」
ルティアは本当に訳が分からないと言う顔をしていた。
いや、分かれよ。お前はオレを何だと思ってるんだよ。
「…ところで、ユウキ殿は本当に特殊ダンジョンに1人で挑むつもりかい?」
ヨハンは真剣な表情で尋ねてくる
「そうよ!あんた本当に死ぬわよ!?悪いことは言わないから、私たちと……!」
ルティアが喋ってると、ヨハンがそれを手で制す
「ユウキ殿にはユウキ殿の考えがあるのだろう?これはそれの確認だ。ただ、僕達は君と組んでも良いんだよ?」
「ありがとうヨハン。お誘いには感謝するが、ヨハンの言う通り、オレにはきちんと考えがあって1人で行きたいんだ。むしろ、1人じゃなきゃ出来ないから…」
オレが1人でダンジョンに挑むのは、きちんと作戦があるからだ。
まぁ作戦と言っても、ただひたすらオレの無駄に速い足で逃げるだけの事だが
「そうか……。ならば止めはしないよ。ただ、ここからダンジョンまでもそれなりに距離はある。良かったらそれまでは僕達と一緒に行かないか?」
ヨハンはそう言うと、オレに手を差し出してくる
なるほど、確かにここからダンジョンまでの事は大して考えてなかった
というより、ダンジョンの事を考え過ぎて、他を大して気にしてなかった
前回の『聖剣』では、ダンジョンまでの道のりで結構苦労したしな
「しかし良いのか?ヨハンとルティアは大丈夫そうだが、他のメンツがオレの事を良く思わないじゃないか?」
ヨハン達とは、決闘場でオレのパーティメンバーと色々あったらしいし
オレの事を良く思っていない可能性もある
いや、そっちの方が高いんじゃないか?
「いや、大丈夫だよ。むしろ彼女達は君に結構感謝してるんだよ?ルティアをこんなに明るくしてくれたから」
ヨハンがそう言うとルティアは「なっ!?ど、どういう事!」と隣で叫んでる
なるほど。まぁ、それならオレから断る理由はないな
「そう言う事ならよろしく頼むよ。ダンジョンまでのパーティだがな」
オレはそう言って、ヨハンと握手を交わした
「じゃあ、明日の朝9時に東門で待ち合わせだ!」
ヨハンはそう言って、ルティアと帰っていく
オレも先ほどルティアと街を観光してた時に予約しておいた宿に向かう
アイリス達は今頃何してるかな?
もしもオレが『神の憤怒』を手に入れたら、あいつら驚くかな?
ララあたりが物凄く悔しがりそうだな
まぁ、無事に帰ってこれるか分からないけどな
けど多分大丈夫だ。向かってる馬車の中で、ある程度の状況のシュミレーションはした。
落ち着いて対処すればそんなに危険は無いはず
オレがそんな事を考えてると、いつの間にか宿の前にいた。
受付の人に鍵を貰い、部屋に入る
「うおっ!結構広いな」
生活に必要な物しか置いてないが、それでも高級感溢れる部屋だった
明日はいよいよダンジョンだな
明日のダンジョンに備えて、オレは早く寝る事にした。
時刻は9時ちょっと前
オレはアルカディアの東門に到着すると
「おーい、こっちだこっち!!」
前方から声がかかり、見るとそこにはヨハン達がいた
「あれ?オレが最後か?」
待ち合わせ場所には既にオレ以外が全員揃っていた
参ったな。一応、同行させてもらう立場だからな、待たせてしまったか?
「いや、ついさっき揃ったばかりだし、気にしなくて良いよ」
オレが心配していると、ヨハンは大して気にしていなかった
「貴方がユウキね?私はシャルコット。よろしくね?」
金髪の女性が話しかけてくる
確かこの人って、あのリリスを泣かせた人だよな?怖えぇ…
「あぁ、よろしく。」
オレはシャルコットと握手をする
「僕はエルヴィス。ディーバさんは元気かい?ユウキ君。」
今度は茶髪の男性がオレに話しかけてくる
この人は確か、ディーバが言ってた『ぶち殺したい相手』だよな?まぁ、何があったか教えてくれなかったが
「まぁ、元気だよ。元気すぎるくらいにね」
オレがそう言うとエルヴィスは
「ははっ!そうかそうか。僕がいなくて寂しがってなかったか心配だったよ」
いや、むしろあんたが消えて絶好調なぐらいです。
「最後は私ね。私はオルソラ。多分、貴方のパーティの人とは誰とも関わりが無いと思う」
シャルコットと同じ、金髪の女性だが、ゆるーっとしていてどこか眠そうに話しかけてくる
この人はララと同じ試合に出たが、ララとは当たらなかった為、オレ達のパーティとは関わりが無いのだ
「あぁよろしく。オレはクリハラユウキだ。」
と言って、オレはオルソラと握手をする
「さて、自己紹介も済んだし、そろそろ行くとするか」
「「「おーっ!」」」
ヨハンがそう言うと、みんなは一斉に歩き出す
やっぱりこのパーティのリーダーはヨハンなんだな
こうして、特殊ダンジョンまでの臨時パーティの旅が始まった。
この作品、『冒険』から『ファンタジー』にキーワード検索を変えたんですが、何か『冒険』の方が合ってる気がしてきました
もしかしたら、近日中に『冒険』に変えるかもしれません。その時はご協力お願いします




