罪悪感
翌日。
学校に着いて下駄箱に行くと、桐渓さんの下駄箱に貼り紙があった。
『きもい』『死ね』『学校来んな』――。
「……桐渓さん、めちゃくちゃ可愛いのにな」
「なんで桐渓さんがいじめられてるんだろ……」
周りで桐渓さんのファンだった男子達がヒソヒソと話している。
――桐渓さんは、僕をかばってこんな目に遭うことになった。
今度は、僕が桐渓さんを助けなきゃ……。
でも、どうやって?
下駄箱の中を見ると、桐渓さんはまだ登校していない様だ。
そうだ、僕がこの貼り紙を全部剥がしちゃえば桐渓さんが傷つかずに済むじゃないか!
そう思いついて僕は貼り紙に手を伸ばした。
「――おっはよ~。畠中く~ん」
後ろから髪を掴まれ引っ張られた。
「お、おまえ……」
クラスの男子達だった。
「畠中くん、今何しようとしてた~?」
「べ、別に何も……」
そう言ったところで、思い切り腹を殴られた。
「畠中くん、嘘を吐くのは良くないですよ~?」
「うぅ……っ」
僕の様子を見て、男子達はゲラゲラと笑った。
そしてその後、僕を下駄箱の裏へと連れて行った。
「な、なに……」
「いいから見てろって」
少し経つと、桐渓さんが登校してきた。
「アイツの苦痛を浮かべる顔を見れるぜ」
男子達はそう言って、クスクスと笑い出した。
だが、桐渓さんは苦痛の表情を一切見せずに紙を破り、男子の靴箱に入れた。
そして落書きされた上履きを捨て、裸足で職員室へと向かった。
「なっ……」
「アイツ、平気そうな顔してたぞ」
男子達が少し悔しいという顔をしていた。
正直、ざまあみろ。
でも、僕は結局何も出来なかった。罪悪感が込み上げてきたのだった。




