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給食
給食の時間。今日のメニューに、僕の大嫌いな魚があった。
「畠中~」
案の定、男子達が僕に話しかけてきた。
そして、言われることも予想がついている。
「畠中く~ん。ちゃんとお魚さんも食べないとダメでちゅよ~?」
やはり思った通りだ。
給食で魚があるときは、いつもこう言われる。
「ほら、俺らの分もあげるから、ちゃんと食えよ」
三人分の魚を皿に入れられる。見ただけでも吐きそうだ……。
みんなが遠巻きに僕を見て笑ってる。
「――魚、嫌いなの?」
そんな中、一人だけ、僕に声をかけてくれる人がいた。
「桐渓さん……」
「嫌いなら頂戴。私、魚好きなの」
桐渓さんが、魚好き……?そんなの、幼稚園のときとは真逆だ。
幼稚園のときは、二人で一緒に魚を食べ残していた記憶があるんだが……。
「……どうしたの?」
「えっ、あ、いやっ。ありがとう……」
僕が魚を渡すと、桐渓さんは何も言わずに席に戻った。
周りの男子達は舌打ちをした。




