部活選び
■ 2024年4月12日(金) 清流高校
新しい高校での最初の問題から四日が経った。
授業の終わり近く、森重先生がパンフレットの入った箱を開けた。
「部活の勧誘は月曜から始まる。だから、この学校にある全部の部活の一覧を配る。人間的に成長するために大事なことだ……特に、ろくな道を歩んでない奴らにはな」
明智が蓮を見た。蓮も見返した。まるで、その当てつけが自分に言われたかのように。
蓮は利用可能な部活をざっと見た。
(サッカー? そこまで得意じゃない。バレー? 仙台に来たけど、別にそれが理由じゃない……)
どの部活に入っても、結局は何かと目立ってしまう。
「手芸部……へえ。手芸部が二つあるのか。漢字が少し違うけど、意味は同じだよな? きっとタイプミスだ……」
先生は、生徒が話し合って入る部活を決めるために十分間を与えた。
「黒さん、もう入る部活決めましたか?」と明智が尋ねた。
「正直、まだだ……手芸部にしようかな」
(そうだ、それが一番目立たずに済む方法だ)と蓮は思った。
「お前は?」
「水泳部にしようかと」
「じゃあ、女子目当てか」
明智はすぐに顔を赤らめた。
「な、な、なんでそんなこと言うんですか、黒さん!」
「他に理由があるのか?」
時間はあっという間に過ぎた。
「よし、今日はここまでだ」と森重が告げた。「入口に全部活のブースが出てる。一番興味を持ったところに入りなさい」
◇
明智と蓮はブースの並ぶ通路を歩いた。サッカー部が一番新入部員が多かった。野球部も同様で、やはり国の看板スポーツだ。
「結構な人数だな、お前もそう思うだろ?」と蓮が言った。
「はい。清流は県内でもトップクラスの人気校ですから、みんなここで勉強したがるんです……まあ、正直なんでかはよくわかりませんけど」
「あれが水泳部だろ? 先に行って入ってきていいぞ」
「いえ、やめときます……黒さんが入るところにします」
「本当にいいのか? 絶対退屈だぞ」
一人の男子生徒が近づき、蓮を遮った。背が高く、黒髪の根元が明らかに金髪で、眼鏡をかけていた。
「何か用か?」と蓮が尋ねた。
「君、新入生だよね?」
「ああ……」
「もう入る部活は決めてる?」
「ああ。手芸部に」
「奇遇だね。ちょうど君を誘いたいと思ってたところだ」
男子生徒は手芸部のブースを指さした。彼には他に二人、明らかに筋肉質な男たちが付き添っており、ミシンと出来たての服が並んでいた。
蓮は少し考え、指さされた方を見て、また男子生徒を見た。
「ほ、本当に君たちが手芸部なのか?」
「もちろん! 裁縫が大好きなんだ」
「でも……なんで隣に別の手芸部があるんだ? なんであっちは女子ばかりで、君たちは男ばかりなんだ?」
「ああ、それはね……俺たちは男子用の手芸部なんだ。うん、そういうこと」
(男女で部活を分ける学校なんてあるのか?)と蓮は戸惑いながら思った。
男子生徒はそれ以上の説明もなく、蓮と明智をブースへ押し込み、入部届けを手渡した。
「月曜に俺たちの部活に来てくれ、歓迎するよ!」
「ああ……わかった……」
蓮は振り返って自転車を探しに行こうとした。
「また月曜な、新入生!」
明智は蓮の後を追おうとしたが、蓮はすでに人混みの中に消えていた。
◇
「東条部長、あの人がこの前見た人ですか?」とブースの一人が尋ねた。
「ああ。一週間経って、もう疑いの余地はない。屋上の件も見た……どうやら今年は面白くなりそうだ」
「修吾くん、あの子は誰?」と、近くを通りかかった手芸部部長の一ノ瀬結衣が尋ねた。
「この部活に刺激を与えてくれる奴だよ、結衣ちゃん。さて、みんな、勧誘を続けるぞ。行くぞ」
「はい、東条部長!」
◇
■ 2024年4月15日(月) 清流高校
月曜日になった。蓮は家を出た。
「授業が終わったら部活が始まる……まずは順調な滑り出しだと思うけどな」
その日は早く着いた。そして、清流高校の入口で、手芸部の部長である東条が待っていた。
「君は……部長さんだよな?」
「ああ、東条修吾だ。でも東条先輩でいい。君の名前は?」
「黒蓮。よろしくお願いします、東条……先輩」
「よし! ついて来い。まだ正式に入部してないのはわかってるが、うちの活動は早くから始まるんだ」
蓮は東条について部室へ行き、予想通り、いかつい顔をした屈強な男たちが、なぜかプロの仕立て屋のような繊細さで、ジャケットやマフラーなどを縫っているのを目にした。
「座ってくれ、黒くん」
「はい……何をするんですか?」
「決まってるだろ? 裁縫だ! なあ、みんな?」
「はい、東条部長!」
東条は箱からいくつかの物を取り出した。
「黒くん、まずこれをやってみてくれ。この糸を針に通せ」
「はあ……簡単ですけどね」
東条は針と糸をテーブルに置いた。針を手に取ると、蓮は何かおかしいことに気づいた。
(これは何かの冗談か……?)
針は熱かった。まるで火から直接出したかのように。そして糸は、ガラス繊維でできているかのように、触ると切れそうだった。
「さあ、黒くん、簡単だろ?」
(もう少しでキレるところだ……でも、部活に入らないで目立つよりマシだ)
針が少しずつ冷めていくのに気づいた。絶好のタイミングを待ち、蓮は糸を正確に、一発で通した。
「できた。これで合格だろ」
「よし、みんな」と東条が他の者たちに向かって言った。「蓮は一切表情を変えなかったな?」
「はい、東条部長。どうやら新入生はかなりストイックなようです」
「ストイックとは言わないが、まあいい。どうでもいいさ」
「そろそろ授業に戻る時間のようだ。黒くん、この包帯を巻いて、指を隠しておけ」
「ありがとう。じゃあ……授業が終わったら戻ってくればいいんだな?」
「その通り。入部届けを忘れるなよ!」
蓮は授業へ向かった。明智はすでに教室にいた。
「手芸部から呼ばれなかったか?」
「いいえ、でも後で入部届けを出します。黒さんは呼ばれたんですか?」
「ああ、でも……まあ、どうでもいいさ」
(新入生の試しってやつだろう)と蓮は思った。
◇
授業が終わり、二人は手芸部へ向かった。
「新入部員だ! 手芸部へようこそ!」と東条が告げた。
「でも、朝もここに来ましたけど……」
「本当か? おかしいな、今日君を見た記憶はないんだが」
(また冗談かよ……)と蓮は思った。
「入部届けを出してくれ」
蓮と明智は入部届けを提出した。
「明智裕太です、よろしくお願いします、部長!」
「あけっち、よろしくな。東条先輩と呼んでくれ」
「はい! 東条先輩!」
「松田、今日はお前が作業の監督を頼む、いいな?」
松田――不良の面構えで、金髪を雑に染めた男――がすぐに応じた:
「はい、東条部長!」
東条は床のマットを持ち上げ、秘密の地下室を隠すハッチを現した。
(これが仙台の普通なのか……?)と蓮は思った。
東条は扉を開け、先に下りた。
「クロちゃん、あけっち、ついて来い!」
「こ、こ、これは……監督されてるんですか?」と明智がどもった。
「どうでもいい。行こう」
三人は部室の地下へ下りた。明智と蓮は、良い意味でも悪い意味でも驚いた。
手芸部は、実のところ、訓練場だった。床の中央には円が描かれている。サンドバッグ。ウェイト。そして二年生と三年生で溢れていた。
「全員、注目!」と東条が叫んだ。
全員が手を止め、集まってきた。
「こちらが新入部員だ:明智裕太と黒蓮。盛大な拍手を、みんな!」
全員が拍手し、新入りに近づいた。ためらいなく、一人が口を開いた:
「東条部長、人を見る目は信じてますが……そこの震えてる子、本当に部長が勧誘したんですか?」
「もちろん。彼も俺たちの一員だ、なあ、あけっち?」
明智は状況に圧倒され、ただ頷くことしかできなかった。
「で、もう一人は? 傷のある奴。なんでその傷があるんだ? 強がってるのか?」
「それは挑発か?」と蓮は冷静に尋ねた。
「黒くん、牟田くん、喧嘩の時じゃないぞ……いや、そうか?」と東条が割って入った。
「俺は構わない」と牟田が答えた。「で、新入りのお前は?」
「争いは避けたい。正直、こんなのは予想外だった……ここはただの手芸部だろ! 東条先輩、俺は上にいて、これ全部から離れててもいいですか?」
「自分が何に足を踏み入れてるか分かってると思ったんだがな、黒くん……俺はお前が強いのを知ってる」
「なんで俺が強いと分かるんです? 筋トレしかしてません。喧嘩なんてしたことない」
「俺の目は誤魔化せない。この前見たんだ。犬と一緒だったろ?」
(パンのことか……?)
「四人のチンピラを一発ずつで片付けるのを見た。お前は強い奴だ、そうじゃないと言い張ってもな、黒くん」
「四人のチンピラを一発で!?」と明智が叫んだ。「屋上の扉を壊した時から強いとは思ってましたけど――」
「明智さん、黙れ!」
「扉のことも、とぼけるなよ」と東条が面白がって付け加えた。
「じゃあ……逃げ場はないってことか」
「お前の実力を見せてもらいたい、新入り」と牟田が笑いながら言った。
「どうだ、黒くん? 入部の儀式の準備はいいか?」
「今朝のは儀式じゃなかったのか?」
「ああ、あれはただの冗談だ。ははは!」
(くそ、とんでもねえところに来ちまった……)
牟田は床に描かれた円の中に入り、蓮を待った。その蓮の過去が、彼の望みとは裏腹に、再び彼を追いかけていた。




