表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?  作者: 玉響なつめ
第八章 なんていうか、蚊帳の外とも言い切れず

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/87

79

「同程度の財力と名誉を持っていて、なおかつ私の素性と能力を知っている。その条件で選ぶならやっぱりシリウスですよ」


 私は余裕の笑みを浮かべてみせる。

 あちらとしてはクレイ公爵家の跡取りって話だから、公爵夫人になれるぞどうだ! って感じなんだろうけどさ、私からして見たらそんな深謀遠慮の貴族社会に足を踏み入れる方が厄介だってこれまで裏から見てきたから知っているわけ。


 そんなとこ行きたいわけがないだろうが!!


(……ただ贅沢したいだけなら、シリウスの稼ぎだけで十分だし。ここら辺の魔獣の肉も美味しいし、全然生活に困らないってだけで私は満足なんだよなあ)


 質素極まりないと言われてもいい。

 追い立てられず、ただのんびりとした余生を過ごしたいってのが私の理想だったんだから!


 そういう意味では今の暮らしはそれに叶っているのだもの。


 最新の調理器具があって、そこそこ広い家に庭もある。

 多少魔獣が来るか持っていう危機感はあるけどその代わり余計な人間が来ないっていうメリットもある。

 ちょびっと行けばすぐに大きな町で野菜とか調味料だって買えるし。


 シリウスが嫡男じゃないから跡取り問題とか厄介なことはないのに、公爵家の人たちが親戚として後ろ盾。

 でもってシリウス自身に実力があるから騎士としての稼ぎもあるからね!


 これのどこに不満を抱けと!?


「……シリウスとあなたの違いは、あの人が私に全部差し出せるからですよ」


「何?」


「まあ差し出されたって受け取るかどうかは私の自由ですけど、そこまでしてくれる人相手だからこそ私も命令されるんじゃなくて自分からシリウスに能力(ちから)を貸すことだって厭いません」


 とはいえシリウスからそんなの頼まれたことないけどね。

 でも、そういうことでしょ?


 全部を捨ててほしいとは思わないけど、そのくらいの覚悟をシリウスは持って私を追いかけて捕まえて口説き倒した。

 そして私はそんなシリウスになら捕まってもいいし、全部を預けてもいいと思えた。


 じゃあルーラント・クレイはどうか?

 契約関係ならいいかもね。


 ただ、まあ。


「お引き取りを。暗殺者〝クロウ〟はもうどこにもいないのですから」


 私はもうクロウではなく、ただのセレンだ。

 そしてシリウスはそれを欲してくれたし、ノクス公爵家はそれを認めてくれた。


 だからルーラント・クレイの言う『暗殺者クロウを口説き落として連れ帰る』はそもそも成立しない。


「たとえシリウスがカーリーン王女を選んだとしても」


 私は私。

 ノクス公爵家が平民セレン(・・・)を認めたのなら、それが全て。


「決してあなたと共に行くことはない」


 まあそんなことになったらシリウスのこと許さないけどね!?

 まずはビンタして罵って、浮気者って往来で叫んでやるわ。


 でもそんなことにならないって信じてる。

 信じてるからな、シリウス……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ