似た者
結局、その後も二人に責められ続け、真琴に至っては酒をがばがば飲んで酔いつぶれ、ブツブツ言いながら寝てしまった。
未成年に酒を飲ませないのには、やはり訳があったのだと、異世界に来てまで元の世界の法律に一杯食わされてしまった。
もっとも、真琴やシアンは一杯どころでなく、いっぱい飲んでいたけれど。
まあ代金を払ってくれたシアンには何も言えまいが、散々暴れた真琴には説教でもしておこう。
そんな事を考えながら真琴を背中に乗せ、シアンとしゃべり歩く帰路はどこか懐かしかく、暖かかった。
「前に言っていた、貴慮って奴、まだ生きてたりするのか?」
真琴をベッドに降ろし、シアンに訪ねる。
「貴慮は伝説の魔法使いですよ。生きようと思えば千年だって生きられます」
「そうなのか。その、実はまだ自分の能力を把握しきれてなくて、そいつに聞けばわかるかなって」
能力の詳しいことと、ついでに僕自身や真琴に関して、聞いてみれば何かいいことがわかるかもしれない。真琴はともかく、僕はこれからずっとこの世界で生きていくんだ。そんな実感が沸いてきて、いろいろ気になり始めたってだけだが。
「まったく、幸運にも私が貴慮について研究していてよかったですね」
シアンは引き出しから地図を出して見せてくれた。
「大体目星は付けてあります。範囲は広いですけど」
その地図は、元の世界の物に比べたら、だいぶ簡素で、情報が少なかったけれど、場所の断定に使う分には、見やすくて使いやすそうなものだった。そして、ここからかなり離れた山々に、分かりやすく赤色で、大きく丸が付けてあった。貴慮はそこの辺りにいるという事だろうか。
「わかった。ありがとう。重ね重ねすまないが。真琴の世話を頼んでいいか」
真琴は一つしかないベッドを占領して、大の字になって寝ていた。
「いいですけど。早く帰ってこないと、あなたより真琴さんと仲良くなっちゃいますよ」
「すきにしろ。じゃあ」
「はい。言ってらっしゃい。気を付けて」
シアンと真琴を置いて、玄関から外に出る。
「僕ならいける」
家の正面の通りの真ん中に立った。足を広げ踏ん張り、両足を使って全力で地面を蹴る。
すると、その身体は重力に逆らうように宙を舞う。これなら早く着きそうだ。
次回新キャラ搭乗。




