1.6 帰還者郷里に容れられず 1
川沿いに空を飛び、住んでいた村を目指す。
途中ワイバーンの空襲を受けるが、用意した銃をぶっ放して駆除していく。
数時間ほど飛ぶと、ようやく集落のようなものが見えてきた。
門の前に降り立って声をかける。
「こんにちはー!」
「えっ! ルネなのか!」
門番たちは俺を知っているらしい。
どうやら帰郷に成功したようだ。
「そうでーす!」
門が開き、中へ招かれた。
「無事で良かったな……」
口ではそう言うが、表情は暗い。
「川に突き落とされたんですけど、どうにか生還できました」
「やっぱりか、大変だったな……」
村の広場に行くと、大勢の人々が集まっていた。
『よく戻ってきたな!』
『無事で良かった!』
『心配してたのよ!』
なんて声をかけられるかと思いきや、虚ろな目でこちらを見ているだけだ。
「ルネ!」
一人の少女に声をかけられた。
彼女はハンナ。
この村の子供は、親と同居せず「子供の家」で集団生活を送る。
子供は社会で育てる、と言えば聞こえはいいが、食事は少ししか出ないなど環境は劣悪だ。
特に問題なのは、年上の子供が年下の子供に暴力を振るうのが状態化していることだ。
世話係は常駐しているが人数は少なく、年寄りばかりなので手間をかけずに大人数を管理するために、何でもかんでも連帯責任になる。
だから問題が起きないように、子供同士で相互に監視し合っている。
そのため、暴力は放置されている。
「みんな死んだって言うから……生きてて良かった!」
ハンナは思いっきり俺に抱きつく。
生前のルネは、この女の愛玩動物だったといっても過言ではない。
いちいちこの女に世話を焼かれ、それを周囲にからかわれる。
それがルネにとっては耐え難い苦痛だったのだ。
すると、太った男がこちらにやってきた。
村長だ。
この村にはろくな食糧がないのに、どうしてこの人は腹が出ているのだろう……。
「そのガキをすぐに追い出せ!」
村長は叫んだ。
追い出すってどういうことよ!?
「お前の家族であるヴォルフ一家は、お前を殺した罪で追放刑になった。今すぐこの村から出ていけ!」
だが異を唱える者がいる。
「ちょっと待ってください。ルネ君はヴォルフらと違って追放刑の対象ではありません」




