1.5 撃て!
翌朝、いよいよ試射を行う。
弾が横転していないか確認すると共に、命中精度を確かめた。
まずは距離100mの地点を割り出す。
光の速さは相対性理論により不変で、秒速299,792,458mだ。
光が100m移動したなら、約300万分の一秒が経過したことになる。
つまり俺が光を放ち100m先で跳ね返って戻ると、光が移動した距離は200mだ。
時間にして150万分の一秒が経過したことになる。
魔術でレーザーを照射して跳ね返って戻るまで約150万分の一秒になる場所を割り出し、的紙を設置した。
ガンレストに銃を載せ、身体強化で視力を強化して的を狙う。
バンッ!
一発撃って、銃身を冷やすため数分待ってから撃つのを5回繰り返した。
弾頭が横転していないか不安だったので、全て紙上の別の場所を狙う。
だが横転は杞憂だった。
そして驚いたことに直径1cm以内に着弾していた。
成功したことに安堵して片付けていると、50mほど先にゴブリンを発見した。
バンッ!
弾が当たったゴブリンは息絶えた。
そして着弾した弾は貫通していた。
近くを探すと、着弾して変形した弾頭を発見した。
花が咲いたように先端が広がっている。
この段階になってようやく、俺は弾頭製造の成功を確信した。
これで魔力を使わずに身を守れる。
川沿いに空を飛び、住んでいた村を目指す。
途中ワイバーンの空襲を受けるが、用意した銃をぶっ放して駆除していく。
数時間ほど飛ぶと、ようやく集落のようなものが見えてきた。
あれがルネの故郷、ゲマインシャフトだ。
俺は村に降り立つ……なんてことはせず、スルーして更に北を目指す。
あんな因習村には、絶対に戻りたくない。




