1.11 冒険者ギルド
街に入ると、冒険者ギルド・ガゼッツローゼン支部が見えた。
キィと音がするスイングドアをくぐって中に入った瞬間、テーブルに座っている悪そうな見た目の男たちがこちらを睨んでくる。
昼間だというのにエールのジョッキをガブ飲みしている。
確実に酔っ払っているので、絶対に絡まれたくない。
「あの、冒険者登録と素材の買取をお願いしたいのですが」
受付嬢と思しき若い女性に話しかける。
「ではこちらに必要事項を記入してください。代書人はあちらに」
この世界は識字率が低い。
そのため、ここには文書を読み上げたり、書類への記入を代行してくれる代書人という人々がいるようだ。
「これでいいですか?」
書いたものを見せる。
「字が書けるんですね」
字を書いただけで驚かれた。
「冒険者にはランクがあります。最初はGランクから頑張ってくださいね」
といって、ギルドの規則について説明を受ける。
冒険者ギルドの会員証は貸し借り、売買、偽造や勝手な内容変更は禁止。
冒険者は他のギルドと違って教会の慈善事業が基になっているので登録無料で、食事も無料、寝泊まりも一定期間に限り無料だ。
依頼については常時依頼、通常依頼、指名依頼、緊急依頼の四種類がある。
常時依頼と通常依頼に関しては掲示板にランク別に張り出されている。
常時依頼については事前の手続きは不要。
通常依頼は剥がして受付に持っていく。指名依頼は冒険者ギルドが特別に認めた場合のみ出されるものなので、なるべく受けるように釘を刺された。
緊急依頼は主に魔物の反乱時に出される依頼で、特別の理由がない限り応召義務がある。
魔獣などの素材は解体場があり、そこを借りて解体する。
自分で解体してもいいし、有料だが丸投げもできると。
受付嬢さんは愛想よく一気に説明していく。
すると突然、後ろから声がかかった。
「おいネイ、男が出来ないからって子供に走ったか? 俺たちが朝までたっぷり付き合ってやるぜ!」
後ろを振り向くと、北■の拳に出てきそうなガラの悪い三人組が立っていた。
「ほらどけ! ガキはとっとと失せろ」
扇子みたいなモヒカン髪の男が、いきなり俺の顔に向かって拳を振り下ろしてきた。
俺は半歩下がって拳を避けると、モヒカンの腕を掴む。
そして、自分に向かって思いっきり引っ張った。
ガッシャーン!!!
モヒカンは思いっきりコケて、地面に転がった。




