5‐大会通知
決闘の翌日、エリナは教室に入ると、まっすぐレイフの席へ向かった。
昨日の戦いの余韻がまだ残っているのか、どこか気まずそうに視線を揺らしている。
「……その、昨日は……ごめんなさい」
レイフは少し驚いたが、すぐに首を横に振った。
「気にしていない。俺もやりすぎた」
「ううん。私が勝手に突っかかっただけよ。あなたの強さを認めたくなかったの」
エリナは素直に頭を下げた。昨日の戦いで、彼女の中の何かが確かに変わっていた。
「それに……助けてくれて、ありがとう。あの治癒魔法……本当にすごかった」
レイフは少しだけ目をそらす。
「当然のことをしただけだ」
そんなやり取りをしていると、教室の扉が開き、
アリス・グランドリュ先生が入ってきた。
この先生はグランドリュ伯爵家の次女でありながら若くして教鞭を執る才女だ。
「スケルド君、ストラングさん。ちょっと来てもらえるかしら」
二人は廊下に呼び出され、アリス先生は真剣な表情で切り出した。
「来月、他の魔導学校とのトーナメント大会が開かれるの。
Aクラスからは二名を選ぶ予定だったけれど……あなたたち二人に出場してほしいの」
エリナが目を丸くする。
「わ、私たちが……?」
「ええ。昨日の実技試験と模擬戦を見て、あなたたちが最適だと判断したわ」
レイフは静かに頷いた。
「相手校はどこなんですか?」
アリス先生は少しだけ表情を曇らせた。
「……聖シャマシュ高等学院よ」
エリナが息を呑む。
「聖シャマシュって……あの……?」
アリス先生はゆっくりと頷いた。
「神聖魔法の使い手たちが集う学院だ。」




