6.夕食メニューを相談中
「で? 一件落着と」
「えへへ。心配おかけしました」
悠犀と仲直りが出来て、ほくほくの私は一応巻き込んでしまったお詫びに蒼汰に仲直り報告をした。
はじめは呆れた顔をした蒼汰だったけど、最後には良かったなと笑ってくれた。
「これからはお互いまずは話し合え。それで俺を巻き込むな」
「ごめんね。でもおかげで悠犀とのあっ、愛がっ、深まったっていうか……!」
「そうか。それは良かったな」
さらりと私の発言を流す蒼汰に、なんだか自分の発言が凄く恥ずかしい物に感じた。
蒼汰曰く、仲直りしてからの私達はお互い壁がなくなったので以前に増していちゃついてるというのだ。
失礼な。そんないちゃついてなんていません。っていうか以前だって、いちゃついてたわけじゃないのに。それは、どちらかというとーー。
「見つけた瑠歌。こんな所にいたんだ。講義終わったっていうから探してたんだよ」
「あ、ごめん悠犀!居場所、伝えてなかったね」
「うん。でも、いつもこのカフェテリアにいるから、なんとなくここかなって思ったから大丈夫。蒼汰も一緒だったんだね」
穏やかな顔をする悠犀は、やっぱり以前と比べて甘さが増したように見える。
「良かったな迎えが来て。悠犀が来た事だし、俺は行く。お前ら、周りの目も気にしろよ」
「あ、蒼汰」
そう言って、去ろうとする蒼汰。しかしそれを引き止める悠犀。うん?
「蒼汰、今日のご飯なににする?」
「あー……まだ、スパゲティの麺残ってたよな」
「じゃあ今日はスパゲティにしようか」
「そうだな。ちょうどスーパー寄ろうと思ってたから、ついでにソース買っとく」
「了解。何時に帰ってくる?」
待って。待って!? 普通に会話が始まったけど、この会話に違和感を感じてるのは私だけ!?
何でこんな夫婦みたいな会話してるの!?
「ちょ、悠犀? 蒼汰も。普通に会話してるけど、何でそんな会話してるの!?」
「え、なにが? 普通じゃない?」
「今日の夕飯の相談をして何が悪い?」
「相談って……私だってまだ悠犀と夕飯の相談なんてした事ないのに」
ずるい、ずるい! 蒼汰はやっぱりずるい! 周りの目を気にするってどっちが!
「悠犀! 今日は私の家でご飯食べよう! ね!? 蒼汰はいいよね!?」
「え? でも、それなら蒼汰も……」
「悠犀! 今日は悠犀の好きなハンバーグ作るから!」
「それは嬉しいけど」
蒼汰をちらりと見る悠犀。蒼汰は余裕そうににやっと笑って。
「俺は構わないけど? 悠犀、じゃあスパゲティは明日、一緒に食おうな」
「あ、うん。約束な」
何でだろう。今日の悠犀の夕飯の権利は勝ち取ったはずなのに、この敗北感は。
私はこの日を境に、より一層蒼汰を好敵手視するようになり。
そしていつでも悠犀が食べたいと言った物を作れるように料理の腕を磨き始めた。
そしてほぼ毎日、悠犀を食事に誘うようになった事はおそらく蒼汰の思惑通りだったのだろう。




