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エアウォーク  作者: 隠戸海斗
夏休み&秋休み編
57/102

ちまい人たち

ちまい≒ちっちゃい

四コマ漫画とかそんなノリで読んでください。


ガチャ、とドアの開く音がする。

林田家から現れたのは俊介であった。

俊介の朝は早い。

お隣の周も早起きだが同じくらい早起きだ。

起きるのが同じ位で俊介も周も軽く朝食を取ってバスケの練習に向かう。

なのでどちらが先に家から出て相手を迎えるのかはその日により違う。

もっとも仮に俊介が早起きをしても練習に向かうのは周と一緒に、なのだが。


もうそろそろ周が家を出てきてもいい頃、のはず。




「・・・・・・今日は周ちゃん遅いな・・・」


珍しく寝坊でもしてるのだろうか?

ちょっと見に行ってみようかと周の家の前に来ると。


「あ、おはよ、しゅんくん」


声がした。


「周ちゃん?いたの?」


いつからいたのか見過ごしていたらしい。

と思って敷地内をひょいっと覗き込むのだが姿が見当たらない。

どこだろうかときょろきょろ探すと再び声が聞こえた。


「どしたの?しゅんくん、早く行こうよ」

「え、いや・・・・・・周ちゃんどこにいるの?見えないんだけど・・・・・・」

「ここだよここ」


なにやら声が足元から聞こえる?

そう思って下を見ると。




「おはよ、しゅんくん」



俊介の足元に30cm弱サイズの周がいた。




ちっ・・・・・・・・・・・・ちゃい!!!!!




エアウォーク小ネタ集夏休み&秋休み編、「ちまい人たち」始まります・・・・・・(高町なんとかさん風に





まとめ




「・・・・・・周ちゃん・・・・・・だよね?」

「そーだよ?どうかしたの?しゅんくん」


いかにもいつもと変わりないような受け答えをする周。

だがその身長は30cm弱の二頭身に縮んでいたという。

以下話再開。





  ◇  ◇





あまりに当然のような受け答えをされた俊介。

そのおかげで「周ちゃんが小さくなったのは何で?」という極普通の質問すら出来ずにいた。


「もー、どうしたの?しゅんくんってば。

 早く練習に行こうよ」

「・・・・・・あ、うん、そうだね・・・・・・」


周に連れられて練習に行く俊介であった。




とててててて


すたすた



とててててて


すたすた



とててててて


すたすた



「もー!なんでしゅんくん今日に限ってそんなに早いのよ!」


あなたが小さいからです。



※ちっちゃくてもいつも通りの足の速さにしようと思いましたが、誰かに踏まれると危険なのでやめました。




  ◇  ◇




「ごめん、やっぱりスルーしてられないや。

 周ちゃんこそ、今日に限ってどうしてそんなに小さいの?」


さすがに足元付近をうろうろされると危ないので、俊介はとうとう周にそう聞いた。

すると。


「今日はそういう日なんだよ!」


と周は返事をした。



(・・・・・・そういう日って何?)



何も理解できない俊介だった。




  ◇  ◇




結局俊介は周を肩に乗せて練習場まで向かうことにした。


たったったったっ



「わぁ~、速い速い!

 さっすがしゅんくん、思ってたよりずっと足速いね」

「そ、そう?」


周に褒められて悪い気がしない俊介。

と。



「にゃぁ~」


ネコが現れた。


「あ、ねこにゃ~だ」


豆知識、周はネコを「ねこにゃ~」と呼ぶ。

ちなみに犬は「いぬわん」と呼ぶ。


「しゅんくん、ねこにゃ~だよ。

 ちょっとごろごろしていきたいよ」

「大丈夫?今ちっちゃいけど・・・」

「大丈夫大丈夫。

 ほ~らゴロゴロゴロ~・・・・・・」


俊介に下ろしてもらって猫の背に乗る周。


「ふわふわしてて気持ちいい~」


ごろごろ~とネコにじゃれつく周。

ごろごろしていきたいって、周ちゃんが?と思った俊介だった。


その次の瞬間、突然ネコが走り出した。


たたたたたた


「あ、ちょ・・・・・・」

「ああああああああ!!」


周は何とか振り落とされないようにネコにしがみ付いたが、ネコはそのまま壁を登り、あっという間に逃げて行ってしまった。



「ちょ、周ちゃああああん!!」




数十m後。


「怖かったよ~」

「よしよし」


泣きつく周をあやす俊介がいた。

どうやらタイミングを見て飛び降りたらしい。

ご無事で何より。




  ◇  ◇




無事に公園にたどり着いた俊介とちまい周。

しかし、ここでまた新たな事態が俊介を待ち構えていた!



「よっ、二人ともおはよう」


ちまい麗奈が現れた。


「お、おはようございます」


ちまいまろんが現れた。


「おはよう、二人とも」


いつも通りの竹内が現れた。



「・・・・・・どうして竹内君はいつも通りなの?」

「そういう林田だっていつも通りじゃないか・・・。

 むしろそっちは疑問じゃないだろう」

「そうだね、言葉を間違ったよ。

 どうしてこの三人がこうなってるんだろうね」

「さぁな・・・・・・」


二人はわいわいじゃれあっている三人の女子を眺めていた。




「よし、じゃあ練習始めるよ~」


周の一声で練習が始まる。

それはいつも通りだったのだが・・・・・・。


「・・・・・・ボールは?」


竹内がつぶやく。

確かに、いつもは周が持ってきたボールで練習をしていたのだが今日は周がちまい。

いつものボールを持ってこれるはずがないのだが・・・・・・。


「大丈夫、ちゃんと持ってきたよ」


周はそう言って背中のバッグからボールを取り出した。



「・・・・・・ちっちぇぇ・・・・・・」


ボールは周たちのサイズに合わせた大きさだった。




  ◇  ◇




バスケの練習は中止となり、皆各々の生活に戻っていった。


「じゃあ、学校に行こう!しゅんくん!」

「・・・・・・そうだね・・・・・・」


ちまい周を肩に乗せていざ学校へ向かう俊介。

大変なことになりそうだが、はたしてどんな一日になるのか。

不安な俊介であった。



「おはよう、林田」

「おはよう、林田くん」


いつも通りの蓮井君と宇喜多君が現れた。


「おはよう、斉藤さん」

「おはようございます、斉藤さん」


ちまい野澤さんとちまい凪さんが現れた。


「おはよう、林田くん、斉藤さん」


ちまいいいんちょが現れた。



はたしてどんな一日になるのか、不安な俊介であった。




  ◇  ◇




ちまいいいんちょは不機嫌であった。


(さ、斉藤さん・・・・・・林田君の肩に乗ってる・・・・・・!!

 ずるい・・・・・・わ、私だってあんなふうに林田君と・・・・・・。

 そうだ!)


何かを思いついたいいんちょは俊介に話しかけた。


「は、林田くん!」

「ん?どうかした?近藤さん」

「あ、あの・・・・・・私、今日ちょっと足が疲れてるみたいなんだけど・・・その・・・・・・」


ひょいっと言葉の途中で宇喜多君がいいんちょを摘み上げた。


「どうした恵、お前そんなやわじゃな・・・」

「つまむんじゃないわよ!」

「ごふぁ!?」


ちまい身体でとび蹴りをかますいいんちょ。

攻撃力は下がっていないようだった。


「いんちょ~、今日も元気だね」

「あ、うん、そうみたいだね」


そんな様子を眺めているちまい周と俊介であった。




  ◇  ◇




「はぁ・・・・・・今日は不思議で疲れた一日だったな・・・・・・」


俊介はそう呟きながらベッドに入る。


(結局原因はなんだったんだろう?

 よくわかんないけど、明日には戻ってますように・・・・・・)


ふぅ、とため息をつきながら横になる俊介であった。






翌朝。

家を出た彼が見かけたのはいつも通りの周であった。


「おはよう、周ちゃん」

「おはよう、しゅんく・・・・・・」


いつもの笑顔でこちらを見た周は、次の瞬間、固まっていた。




「しゅんくんがちっさいいいいい!!!?」


そう言われて初めて自分がちっさくなっていることに気づいた俊介であった。


彼らの受難はまだ終わらない。



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