第三十四話
大会翌日6月9日午前7時、斉藤家。
普段ならとっくに練習に行き、帰ってくるような時間だが周はまだ起きて来ていない様だ。
珍しく遅起きの周の部屋を母親がコンコンとノックする。
「周、朝ごはんできたわよ」
声をかけるが返事が無い。
ドアを開けてみるとそこにはベッドの中で布団に包まっている周の姿が。
昨日の疲れが酷かったのだろう。
「・・・・・・んむ・・・・・・にゅ~~・・・・・・zzz・・・・・・」
「周~?普段から朝早くて頑張ってるみたいだから、こんな時くらいは寝かせておいてあげたいんだけどね~。
でも今日は学校なのよ、周」
「・・・・・・んぅ~~~~・・・・・・違うよ・・・・・・その隣の・・・タルが・・・・・・オーガニ・・・・・・zzz・・・・・・」
何の夢を見ているのか、一向に目を覚ます気配の無い周。
母親もめったに見ない周の寝顔を微笑ましく見守っていたいのだがそういうわけにも行かない。
仕方なくすぅ~と大きく息を吸い、大声を上げた。
「お客さ~ん!起きてください!!終点ですよ~!!」
「は、はい!!ごめんなさい運転手さん!!!」
途端にガバッと跳ね起きる周。
が、その目は半開き、完全覚醒とはいかない模様だ。
「・・・・・・・・・・・・ほあ・・・?」
「はい、おはよう周」
「・・・・・・・・・あ、おはよ、お母さん。
・・・・・・・・・?
・・・・・・あの・・・・・・ここにあったタル・・・・・・どこ行ったか知らない?」
「ん~・・・・・・周が早く起きないから、テレポートしてっちゃったわよ」
「あ・・・・・・そうなんだ、残念」
「それよりもうご飯できてるわよ、早く起きてきなさい」
「ん・・・・・・ふぁ~~~い・・・・・・」
アクビ混じりに返事をする周。
そんな様子を見てやれやれと首を振りながら母親は部屋を後にする。
途端に部屋から騒ぐ周の声が聞こえてきた。
「あ―――――!!もうこんな時間!!大変!!バスケ!!」
「今日はお休みにしたって昨日言ってたじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、そっか。
な~んだ、じゃあまだ寝れる・・・・・・んむ~~・・・」
「遅刻するわよ」
「んあ・・・・・・遅刻はダメ~~・・・・・・」
のっそりと部屋から出てくる周であった。
とりあえずシャワーを浴びて制服に着替え終えると頭がすっきりしたらしい。
「おはよ、お母さん」
「おはよう、目は覚めた?」
「うん、ばっちり。いただきま~す」
椅子に座ると用意されていた朝食をもぐもぐと食べ始める。
「昨日は本当にお疲れだったみたいね」
「とーぜんだよ~、だって白熱の試合だったのよ?」
朝食を食べながら昨日の試合風景を語り始める周。
昨日は大会終了後、もう暗くなり始めていたので、俊介と麗奈、さらに新メンバーの竹内、そして子供達というメンバーで打ち上げお食事会を開いたのだ。
レストランに着く前に連絡を入れておいた周と俊介の母親、さらに子供達の保護者も集まってお食事会は盛大なものとなった。
食事の最中あたりからすでにうつらうつらし始めていた周は終わり際に全員に、今日の練習無しと明日の朝練無しの報告をし、帰路についたのだった。
そして家に着くなりすぐに入浴、その後はベッドにバタンQなのであった。
「じゃ、いってきま~す」
「いってらっしゃい」
家を後にする周。
隣の家に目をやると丁度俊介が出てきたところだった。
手には松葉杖を持っている。
「おはよ、しゅんくん」
「あ、おはよう周ちゃん」
「大丈夫?杖ついてるけど。そんなに酷い?」
「うん・・・・・・かなり痛い・・・・・・」
俊介の家の敷地から道路に出るまでを、手を添えて手伝ってあげる周。
「でも筋肉痛なんだよね?」
「そう・・・ただの筋肉痛・・・・・・のはず・・・・・・」
医者からはすぐに治ると言われているものの、最低でも今日一日はその痛みと付き合わなければならない。
杖無しでも歩けることは歩けるのだが、力があまり入らない上に痛いので仕方なく松葉杖を使っているという状況だ。
制服の上からは見えないが包帯も巻いている。
そうはいってもその痛み具合も激痛と言うほどではなく、いかにも筋肉痛の痛みという感じなので本人もそれほど心配はしていない。
周に付き添われ、普段よりも少し時間をかけてようやく学校にたどり着く俊介。
上履きに履き替える、階段を上るなど少々手間取るところもあったが無事に教室までたどり着いた。
そして、ガラガラガラと教室のドアを開けたときだった。
パン!パァン!パァン!
突然クラッカーの音が鳴り響く。
「ほえ?」
「な、何?」
きょとんとする二人を尻目に、教室内から歓声が上がる。
「「「「バスケット大会優勝おめでとう!!!」」」」
「え!?何?何これ!?」
大慌ての周と思考が停止している俊介。
そんな二人を野澤さんと凪さんが教室に招き入れる。
「聞いたよ~二人とも!」
「昨日のバスケットの大会で優勝したそうですね~」
蓮井君と宇喜多君も寄って来る。
「大学生とかも出てたんだろ?ホントすげ~なぁ」
「うむ、キミ達はいつかやると思っていたよ」
そして委員長こと近藤さんも。
「おめでとう、二人とも。
たまにはこういうのもいいかなと思って・・・・・・」
周と俊介はしばしポカーンとしていたが、やがて笑顔を浮かべた。
「あ、ありがとう!!みんな!!」
「わざわざみんな集まって・・・ありがとう!」
「おめでとう!」
「優勝おめでとう!」
「これからもがんばれよ~!」
「おめでとう~!」
拍手とお祝いの言葉に加えて紙吹雪まで飛んできた。
どうやら誰かが市民体育館での試合の様子を見て、お祝いしようと企てたらしい。
「誰?誰がこんなこと企画してくれたの?」
「ん、いいんちょ」
「え?ちょ・・・」
周に聞かれて答える蓮井君。
それを否定する間もなく周に抱きつかれるいいんちょだった。
「ありがと~!!いんちょ~!!感激だよ~~!!」
「いや、ち、違うのよ」
「でも恵、先導してやってたではないか」
にやにやしながらそういう宇喜多くん。
「ありがとう、近藤さん。
こんな企画してくれてうれしいよ」
本当にいいんちょが企画したかは分からないが素直に感謝している俊介。
それをみて突然そっぽをむき出す近藤さん。
「た、確かに言い出したのは私だけど・・・べ、別にそんなんじゃ!
ただその・・・・・・クラスでなにかやるならやっぱり委員長である私がやらないと・・・!
ただそれだけよっ!!」
「それでもありがとう」
「ありがと~~いんちょ~~!!」
やはり笑顔で感謝する俊介と、抱きついてはなれない周。
そんな二人をちらちら見ながら。
「・・・・・・ど、どういたしまして・・・・・・喜んでもらえたのなら・・・・・・私も嬉しいわ・・・」
赤くなりながら、近藤さんはそう答えた。
「で~、騒いでるところ悪いんだけど・・・」
「ん?」
「え?」
突然聞こえてきた声にクラス中が振り向くと。
「そろそろ片付けてHRの準備を始めようか」
担任の影山先生が笑顔で佇んでいるのだった。
「「「「は、は~い!!」」」」
先ほどまでのお祝いムードもどこへやら。
みんなで協力して片づけを始めるのだった。
「それはそうと」
と、先生が周と俊介の方を向く。
「バスケで優勝したらしいね、おめでとう」
「「あ、ありがとうございます」」
どうやら先生の耳にも入っているらしい。
「何かを成し遂げるのはいい事だよ。
これからも続けるのなら頑張りなさい」
「「は、はい!!」」
それだけ話すと先生も周も俊介も片づけを手伝い始めた。
休み時間でも皆は周たちの周りに集まり、試合がどうだ対戦相手はどうだメンバーはどうだと話題が尽きることなく聞いてくる。
今日は一日その話で持ちきりになりそうだなどと思っていると。
ガラガラとドアを開けて生徒がひとり入ってきた。
そして周たちと顔を合わせる。
「あ、竹内君」
「おう、いたか」
昨日の決勝の対戦相手、そして周たちの新たな練習メンバーに加わった竹内がそこにいた。
「ホントにうちの学校だったんだ・・・」
「こっちだって同じ意見だ」
顔を合わせて早々にそんな一言。
だがお互いに笑顔だった。
「なんか朝は騒がしかったみたいだな」
「うん、皆でお祝いしてくれたんだよ~♪」
「そうか。こっちほどじゃないけど、うちのクラスもちょっと祝ってくれた」
「そっか、よかったね」
そんな和やかな会話を繰り広げる二人。
やがて野澤さんが竹内を指差して言った。
「誰?」
「ああ、この人はね・・・・・・」
そういえば周りの皆も野澤さんと同じような表情をしている。
周は皆に竹内の事を説明した。
昨日の決勝戦の対戦相手であること、新しく仲間になったこと、敵を吹き飛ばす豪快なダンクが出来ること、などなど。
皆は長身の竹内を見上げながら、へ~とうなずくのだった。
やがて休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴る。
「ん、もう時間か」
もたれかかっていた机を元通りの位置に戻すと竹内はくるっと周たちに背を向ける。
「今日は改めてよろしくってことを言いに来たんだ。
また昼休みにでも話そうぜ」
「うん、またね~」
「また~」
周たちは竹内を見送る。
そしてそんな竹内と入れ替わりで英語担当のジェニファー先生が入ってきたので、皆も席に戻るのであった。
昼休み、普段から開放されている屋上。
とはいえ、周も俊介もここで食事をするのは初めてだった。
竹内はいつもここで食事を取っているらしい。
「んん?公園でバスケやってるのか?お前ら」
「うん、そだよ~」
サンドイッチをむしゃむしゃとほお張りながらそういう竹内と、母親の手作りお弁当をほお張りながら答える周。
「へ~、この辺の近くか?」
「近く・・・・・・かな?」
「いや、家から見て学校と反対側だし、ちょっと遠いよ」
そう答えて俊介は手に持っていたコーヒー牛乳を飲む。
「お前達の家はどっちだ?」
「「あっち」」
竹内に聞かれ、二人は別々の方向を指差す。
「・・・・・・あれ?しゅんくんお隣さんじゃなかったっけ?」
「だから家はこっちだってば・・・・・・」
俊介に言われ、そうだっけ?と首をかしげながら周は指の向きを直す。
「竹内君の家は?」
周に聞かれて竹内は俊介の指の向きを少し変える。
「方向はちょっと違うな。練習してるのはなんて公園だ?」
「あ~・・・・・・名前はちょっと・・・・・・。
私が通い始めた頃にはもうあそこの看板壊れてたし・・・・・・」
「帰りに案内すればいいんじゃないかな?
竹内・・・君、は何で通学?」
周が言い淀んだのをみて俊介が助け舟を出す。
ついでに竹内君と呼んで大丈夫だろうかと少しだけ不安になりながら。
「自転車」
「じゃ大丈夫だね。
帰りは昇降口で待ってて」
「いや自転車持ってこなきゃならねぇから校門で頼む」
「りょーかい。校門で待ち合わせね」
そういうと周はお弁当の最後の卵焼きを口に放り込んだ。
キーンコーンカーンコーン
帰りのHRも終わり、放課後になる。
クラスメイト達に別れを告げ、周たちが校門に向かうとそこには既に自転車を構えた竹内の姿があった。
連れ添って自宅方面へ向かう。
「そういえば」
「ん?何?」
竹内が口を開く。
「斉藤周って言ったよな。
なんて呼べばいい?」
どうやら呼び方を気にしていたらしい。
「いいよ、ふつーに周で」
「そうか。
で、あの・・・・・・そっちは」
そっちって・・・と思いつつも俊介は言葉を返す。
「まぁ・・・・・・林田でも俊介でも」
「そうか。
林田・・・でいいかな、今は」
今は。
仲間としてもっと親しくなっていったら変わるって事かなと思いつつ頷く。
そして俊介も同様の質問を返す。
「僕は・・・なんて呼べばいい・・・かな?」
どうやらタメ口を聞くのも気が引けるらしい。
同級生だと分かっているものの、背が高いと言うだけで気圧されてしまっているようだ。
「竹内でも祥吾でも、好きなように」
俊介と同じように返してニヤッと笑う竹内。
そこで俊介も。
「竹内・・・・・・君、でいいかな、今は」
少しおどおどしながらもそう返す。
竹内はプッと小さく噴き出すとやはりニヤッと笑った。
俊介も笑い返す。
それだけで何やらお互いの距離が縮まった気がする。
不思議なものだ。
「え~なになに?何かおかしなところあった?」
それが伝わらない周。
二人はそんな周を見て。
「「い~や、別に」」
と返し、再び笑った。
何やら置いてけぼりをくらった気分で、周は一人ぷ~っとふくれていた。
とりあえず周たちは自宅に帰ってバスケの準備をし、竹内は今日のところは様子を見るだけということに決まった。
準備を済ませ、ダッシュで公園を目指す周、その後ろを付いていく竹内、そしてその座席に乗せてもらう俊介であった。
公園に着くと既に麗奈と子供達が練習を始めていた。
「おっす、周」
「あ、お姉ちゃん!」
「やっと来た」
「昨日はお疲れ様~」
「やっほ~みんな~!昨日の疲れは残ってないかな?」
皆がコートに入ってきた周を出迎え、周は手を振ってそれに答える。
と、皆の表情が一瞬変わる。
「はぁ~・・・・・・お前速いって・・・」
「え~?試合じゃもっと速かったでしょ?」
後ろから入ってきた竹内が周に声をかけた。
「速かったけどこんな・・・・・・なんで20分もそのスピードで走れるんだよ・・・」
自転車だから付いてこれたものの普通に走っていたら間違いなく置いてきぼりを食らった、と竹内は心の中で愚痴っていた。
試合中にも散々すごいと思っていたのだが、これだけのスピードと体力があったとは、と愚痴る一方でますます驚かされる。
と、竹内は何やら皆が自分を見て固まっているのに気づく。
「あ、昨日紹介した通り、竹内君の参戦で~す」
同時にそれに気づいたのか、周が皆に竹内を紹介する。
と言っても昨日の夕食の時に紹介は済んでいるのだが。
「いや~その、ホントに来たんだな~てさ」
麗奈がそういいながら寄って来る。
子供達もその言葉に頷きながら寄って来た。
「しっかしホントに大きいね。
試合のときにも何度も思ったけどさ」
麗奈がそういいながら竹内の横に立ってみると、髪の毛の先がようやく竹内の口元、と言ったところだった。
「これであたし達と同い年って言うんだから信じらんないよ」
苦笑いをしながら竹内を見上げる麗奈。
そう言われる竹内は嬉しいのだろうが何と返事をするべきか分からないようで、頭をかきながら視線を外すだけだった。
外した視線の先では修也や愛奈がぴょんぴょんと跳ねながら背比べをしている。
恋二と大紀も「ホントにでっかいな~」などと言いながら笑顔で竹内の周りを回っている。
そんな仕草がおかしかったのか、やがて竹内にも笑顔が浮かんだ。
その後、周の「そろそろ練習始めるよ~」の一言で練習が始まった。
今はコートで麗奈&恋二VS周&真美の試合が繰り広げられている。
竹内は一応今日は見学だけ、とだけ告げてベンチに座り、買ってきた飲み物を飲んでいる。
その近くでは俊介が柔軟をしていた。
上半身だけでなく、いてててと言いながら足もほぐしている。
筋肉痛は筋肉が鍛え上げられている証拠ともいえるが、その筋肉を使わなければまた弱ってしまうからだ。
ふと、コートでの試合の様子を見ていた竹内の元に愛奈がやってきた。
「え~と、どうですか?私たちの練習風景は」
相変わらず人懐っこそうな笑顔だが、やっぱり小学生レベルですか?といった不安が混じっている気がする。
竹内は、ん~と考えた後に。
「いや、これだけ戦えたら小学生レベルじゃ相当なモンだろう。
中学でもここまでできるかどうか」
そう告げると愛奈は嬉しいのか笑顔を浮かべた。
竹内は言葉を続ける。
「特に・・・斉藤が相当なモンだからな。
バスケの全国レベルなんて知らない俺だが、あれはそこいらじゃお目にかかれるレベルじゃないと思うぜ。
そんなのと毎日こんな練習してたら、そりゃ上手くなるさ」
そう言われ、愛奈はへ~と声を上げる。
周のレベルの高さと、自分達の上達具合が嬉しいのだろう。
「・・・じゃあ、そんなお姉ちゃんたちが3人がかりで相手してた竹内さんは・・・・・・もっと強いですか?」
と、愛奈はそう聞く。
竹内は手にしていた飲み物を一口飲むと返事をした。
「いや、あの試合はさ・・・・・・、俺にも仲間がいたから」
そう言ってフッと笑った。
あの試合を思い返しているのだろう。
「でも、戦力アップにはなるよ」
柔軟をしていた俊介がそう口を挟むと。
「そりゃ3人より4人の方が戦力は高いぜ」
と返し、笑った。
「さてと」
空き缶をゴミ箱に捨てると竹内はスッと立ち上がる。
「もう・・・帰る?」
俊介がそう聞くと、竹内はなにやら上着を脱ぎ、コートに入っていった。
コートでは今、周&修也VS麗奈&大紀の試合が繰り広げられている。
麗奈たちが押し気味だが、膠着しているようだ。
竹内が何をするのかと見ていると、大紀の後ろからそっと近づき、ひょいと抱き上げた。
「わわっ」
大紀はもちろん、周りの3人もびっくりする。
が、竹内はそんなものお構い無しでゴール下まで大紀を連れて行く。
「ほら、ダンク」
大紀の目の前にはゴールリング。
小学生にしては背が高い大紀だが、こんな高い視点は初めてだ。
おっかなびっくりしながらもボールをリングに叩き込む。
それを見て竹内は大紀を下ろした。
「ちょっと~、試合中だよ、竹内君」
周が何やら不満そうに言うと、竹内がニヤッと笑って返した。
「俺もちょっとだけ混ぜてくれ」
その言葉に周は「も~、しょうがないな~」と返したが内心嬉しいのだろう、にやけ笑いが隠せていない。
「あの」
「どした?」
「どうしたら
そんなに
大きくなれますか?」
大紀が独特のノンビリとした話し方で話しかけてきた。
そうは聞かれても勝手に伸びた、と答えるわけには行かない。
そうだな・・・、と考えて竹内が返事をする。
「牛乳を飲んで、肉と野菜と魚をしっかり食べて、たくさん運動して、たくさん寝たから、かな」
すると大紀がニコッと笑う。
「じゃあ
僕も
がんばる」
「おう、頑張れ。
俺より大きくなるくらいにな」
竹内はそう返事をして大紀の頭を撫でた。
「じゃあ、麗奈ちゃん組もっか?」
「ああ、いいね~」
周の言葉に麗奈が笑いながら答える。
「ちょいまて、お前ら2人がかりかよ」
「じゃあそっちは大紀君&竹内君ペアね」
そう言いながら2人は定位置に着く。
話を聞け、と突っ込もうとするが大紀が話しかけてきた。
「頑張って
勝ちましょう」
もちろん期待の込められた視線付きだ。
しょうがねぇな、と頭をかき、2人して周たちの正面に立つ。
数分後、公園に豪快なダンク音が響き渡るのだった。




