表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冷酷のブレイバー【連載停止中】  作者: 泥陀羅没地
第四章:森の民と魔女の呪い
114/152

眠れる姫を覚ますには

どうも皆様今日は、泥陀羅没地に御座います。


冬ですね冬、皆様体調は如何でしょうか?…私はそこそこ元気です。


本日の投稿をどうぞ、少し短くなったのは申し訳無い。



「「……はぁ!?」」


驚き、慌て、焦り…二人は其々の口から同じ驚愕を吐き出し、妾を見る。


「――より正確を突くならば、〝魂が無い〟…半死半生…仮死状態、植物状態に近い…と、言うのが妾が確認した事実じゃ」


妾はそう告げる、しかし二人にはまだ小難しい話しで有ったのだろう…そんな二人の様子を見かねて、レイドが妾の代わりに答える。


「――俺達は〝魂と肉体〟と言う二つの要素で成り立っている…俺の〝霊体化〟が分かりやすい例だろう、肉体と魂の結合を解き、魂だけを動かす…結果として〝肉体〟は機能を停止し、眠り落ちる…リリアの状況はコレに近い」

「?…だったら、リリアさんの魂を見つければ良いんですか?」


その説明にアンフォートはそう妾達に問う…その言葉に妾達は肯定で返す…しかし。


「平たく言えばそうだの…だが、此処で問題が出てくる…ソレは」

「〝レリオットを襲撃した亡霊〟…その存在だ」


その肯定の後に続く言葉は、決して明るい顔になる物では無かった。


「アレは紛れも無く、今回の事件に関わっている…事実、レリオットがその存在と邂逅し、窮地に陥った…明確に俺達の介入を阻もうとしている〝第三者〟が、この事件を解決させたくない何者かが動いているのは確かだ」


レイドのその言葉の後、妾達の間に小さな沈黙が訪れる…其々に、何かへ思いを巡らせているのだろう…その沈黙は重く、厳かであった。


「――兎も角は、此度の依頼…つまり〝リリアの呪い〟の解決方法は分かった訳じゃ、そして凡そ〝元凶〟に近いで有ろう存在に付いても把握した」

「……そうだな…明日からの行動方針としては、〝亡霊の後を追う〟事だ…また街を駆け回り、調べる事になるだろう」


そんな沈黙を、妾は終わらせる…そして、妾の言葉に肯定する様にレイドはそう言い、明日からの動きを皆へ伝える。


「明日からは二人一組で手分けして探そう…対亡霊に使える〝浄化〟を扱える俺とルイーナは分かれ、アイリスとアンフォートの何方と行動する、ヴィゴーは戦力のバランスを考慮するとして、仮に亡霊に出逢った場合は迷わず逃走しろ」


その言葉の後、妾達は諸々の注意と方針の共有を万全に済ませ…其々の部屋へ戻る。


――ギィッ――


「むぅ、何故妾を締め出す!」

「お前の部屋はもう取ってあるだろうが、ソッチを使え」


……等と、些末な出来事が起こりはしたが、妾達の夜は問題無く更けていくのだった…。



○●○●○●


――ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…――


暗く、深く……そして〝冷たい〟…そう知覚した、その瞬間…俺は〝既視感〟と共に目を覚ます…。


「ッ……此処は…そうか…」


此処が何処で、コレが何なのか…ソレを理解した俺は、心の中に渦巻く不快を何とか押し込めて、その視線を己の前に居る〝ソレ〟へ向ける。


「……〝あの時〟か」


其処にはやはり、以前に見た〝悪夢〟の中に居た、亡霊が其処に居た。


「――お前は何者だ…いや、〝お前を創った奴〟は誰だ」


俺は〝その亡霊〟にそう問う…しかし、俺の問いに奴が答える事は無く、俺は身体が動かない事を再確認すると…静かに、その亡霊を〝視る〟…。


「……ただの〝死霊〟では、無いだろう」


俺の視線の意味に気が付いたのか、はたまた何か別の理由でも有るのか、それともただの気まぐれか…ソレは俺の瞬きと同時に、俺の目の前に現れ…その手を俺の胸へ伸ばす。


――ドクンッ――


「ッ……ゴフッ…!?…グゥゥッ!?!?」


そして…その手が俺の胸へ触れた途端、槍を突き刺す様な痛みが胸に走り、俺の鼻と耳と目…全ての五感に、耐え難い〝不快感〟が纏わりつく。


鼻のもげるような膿と腐敗の臭いが。


目を覆いたくなる様な亡者の幻影が。


亡霊に殺された連中の悍ましい断末魔が。


忌々しい苦痛が俺の身体を蝕み、その苦悶に呼応して胸に現れた痣が伸びてゆく。


「ハァ…ハァ…ハァッ…お前は……!」


苦痛が収まった後、俺は呼吸を戻しながらソレへ問い掛けようとする…だが、その瞬間俺の視界が掠れ始め…俺の意識が徐々に希薄に成ってゆく。


「ッ……クソッ…こんな時に…!」


望ましくも望ましく無い〝覚醒の兆し〟に、俺はそう言葉を吐きながら、己へ手を伸ばす亡霊の姿を視界に捉え続ける…そして。


――ドクンッ――




「―――ッ……」


俺は、眩しく暖かい陽の光を浴びて…目を覚ます。


「……頭が痛い」


そして、俺はベッドから起き上がると全身を駆け巡る悪寒と、割れんばかりの頭痛に顔を顰めながら起き上がる。


――クラッ――


ふと、立ち上がる最中…突然奔る目眩に思わずバランスを崩す…。


「ッと……可笑しいな、何時もならあの程度の酒が尾を引く事は無いのに…」


昨夜、眠る前に口にした酒の事を考えながら…俺は水を取り出し、ソレを一息に呷る…。


「……よし、引いてきたな…一応風邪薬も飲んでおくか」


そして、幾分かマシに成った頭でそう思考し…俺は身支度を整え、扉に手を掛ける…。


――カチャッ――


「?…やはり、今日は少し体調が優れんな」


そして、部屋を出る前に…俺は自身の得物を握り感じた、僅かな〝倦怠感〟にそう言うと…それ以上を特に気にする訳でも無く自室から出てゆく…。


「……そう言えば、最近妙な夢を見る気がするな」

「へぇ?…どんな夢なの?」

「ッ…アイリス、居たのか……いや――」


己が見たその夢の記憶…その一切を忘却して。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ